東京から飛行機便で猫が届いた。それぞれ浅草寺に捨てられていた子猫で、娘の6階の一室で育った4歳猫と2歳猫だ。
2匹を旧子供部屋に入れた。餌を食べて、トイレも使っている。が、全く姿を見せない。潜んでいる姿を思うと胸が痛む。
2週間後の連休に、移転先から娘が帰省した。その夜、2匹は娘の布団の中で寝た。
翌日から2匹の様子が一変した。妻と私にも姿を見せ、呼べば近寄って来るのだ。
娘が去って5日目の夜、2匹は私の布団の中に居た。「やっと安心したんだなあ。そのうち庭の探検に連れていくぞ」
出水市 中島征士 2011/2/26 毎日新聞鹿児島版掲載 写真はフォトライブラリより