2011年04月27日 | 旅行・レジャー山の中腹にそびえる美術館
美術館から見下ろす宮島全景
国道2号線を広島に向かって40分も走ると、左手山の中腹に、御殿を思わせる立派な建物が見えてくる。なんじゃろうあれは・・・と思いながら数年を経た。
美術館を併設していることは知っていた。春の陽気に誘われ、この建物で開かれている“きらめく装いの美・香水瓶の世界”という特別展を見学した。
お揃いのスーツを着て、あっちこっちに立っている駐車場案内のお兄さんに、建物の由来・目的など軽く尋ねてみた。
仏教を基盤とした新興宗教総本山の位置づけであるような話を手短にしてくれた。不得要領、もう少し聞きたかったが、先方も詳しく説明したがらない様子も見えた。それ以上掘り下げるのも憚られ、曖昧のまま駐車と本館を結ぶ送迎バスに乗った。
まさに一つの山を好きなように手を加え、豊かな自然を取り入れて豪快に開発した御殿そのものの雰囲気がある。瀬戸内海に浮かぶ安芸の宮島が、朱の鳥居を含めて一望に見渡せる贅沢なロケーション。見応えはある。
今回の目的は、飽くまでも「海の見える杜美術館」としての訪問であった。
古代より香水は神と人間、そして男女を結びつける役割を持っていたと言われる。宗教儀式では、神に芳香を煙として手向け、その煙に願いを込めたという。
それほどの貴重品・高級品を保管する容器である香水瓶にも、格別な思い入れがあって、金銀ダイヤオパールなど、最高級の装飾が施されているのだ。
それにしてもフランス王侯貴族などという人達は、遙か高いところで雲の上の生活をむさぼり、その下に何千万人という庶民が細々と生活していたのかと思うとちょっと切なさが頭をよぎる。
どうしても庶民の悲哀のほうに目がいってしまうようだ。
山口県岩國市の「はがき随筆」仲間のブログ「世の中、ちょっとやぶにらみ」より転載させていただきました。 アカショウビン