はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆11月度

2021-12-27 21:30:58 | 受賞作品
 はがき随筆11月度の受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)
【月間賞】21日「親捨て」近藤安則=鹿児島県湧水町
【佳作】6日「美しい言ノ葉」永井ミツ子=宮崎県日南市
▽27日「今は分かる」山下秀雄=鹿児島県出水市
 6日「難解なカタカナ語」増永陽=熊本市中央区

「親捨て」は、95歳で亡くなった母親を、病院や介護施設に預けてしまった自分の行為に自責の念が消えなかったが、最近になってようやく自分を許す気になった、という内容です。この内容は時々随筆の素材になります。それだけ、このことに悩んでおいでの方が多いということでしょう。この文章は、老母の性格や老いの状況など、普段なら書きたくないことを、客観的に淡々と書かれていることが魅力になっています。そのことは自分の「親捨て」の自責の念についても同様で、そのために文末の「自分を許す」心境も引き立っています。
 「美しい言ノ葉」は「お福分け」という言葉を例に、言葉の持つ魅力や不思議な力についての感想が述べられています。結びの「季節の変わり目、お身体おいといくださいね」という美しい言葉でのあいさつには、こういう遊び心というか、さらりと美しい言葉を使えるのには感心しました。
 「今は分かる」は、中学生の時は分からなかった先生の魅力が、今は分かるようになったという気持ちの変化が書かれています。夕方忘れ物を取りに行ったら、教頭先生が戸締りをしていた。それを大変だとは言わず、楽しみながらしていると言われた。この先生は、花壇の水やりも、花たちが嬉しそうでね、と言われる。その時は変な人としか思わなかった。筆者の心の豊かさへの成長を直接には言わず、先生の描写ですべてを語っているところが優れた文章になっています。
 「難解なカタカナ語」は、カタカナ外来語の氾濫に怒っておいでの文章です。ブレークスルーは辞書では「(科学的な発明による)飛躍的な前進」とあった。そういえば、生命科学ブレークスルー賞というものがあった。コロナ禍も分る日本語で説明しろ、というお気持ちのようです。私も大賛成で、私の経験では英語をしゃべれる人は、やたらとカタカナ英語を使わないようです。
 鹿児島大学名誉教授 石田忠彦

はがき随筆6月度

2020-07-29 14:10:45 | 受賞作品
はがき随筆6月度

月間賞に島田さん(宮崎)
佳作は川畑さん(宮崎)
種子田さん(鹿児島)
竹本さん(熊本)

はがき随筆6月度の受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)

【月間賞】 17日「懐かしい題名」島田千恵子=宮崎県延岡市
【佳作】 6日「こころないうわさ」川畑昭子=宮崎市
▽13日「友達だったの?」種子田真理=鹿児島市
▽3日「時の記念日」竹本伸二=熊本市東区

 「懐かしい題名」は、NHK・BSの番組で火野正平が何気なくアメリカ小説の題名を口にしたこと、その本が子息の本棚にかつてあったこと、今は単身赴任中の子息との電話でのやりとりと、三つの時を平滑につないで洗練されています。子息の反応が「なに、それ?」だったとしても、あの小説の熱風のごとき青春期があったことを、必ずや思い出したことでしょう。
 右の作品にも触れていますが、私たちは、新型コロナウイルスの流行に翻弄されています。「こころないうわさ」には、幼い頃赤痢にかかってしまい、山奥の病舎に隔離された経験が、忘れがたい記憶として綴られます。その時の家族の苦衷、とりわけ母に残ったという罪悪感と屈辱感の深刻さが、抑制された筆致から切実に伝わってきました。現在、感染の流行に関して無責任なうわさが拡げられ、いわれのない非難が感染者に向けられることもあると聞くにつけ、忘れがたい一遍です。
 「友達だったの?」は、東京在住の頃、偶然公園で目にしたカラスと猫の姿を、軽妙に映し出しています。争い、遊び、睦み合いのいずれとも見えるふるまいに、彼らを「ふたり」と呼ばずにはいられない筆者の目の温かさが印象に残ります。
 「時の記念日」は、80年前の小学6年生の時に、授業で時の記念日にちなむ標語を書かされた回想です。児童たちが、一様に大人びた標語を提出したなかに、Y君は「まだ早いが遅刻のもと」と書いて優賞を得たというエピソード。このできごとが今なお鮮明に記憶されていることに、感動すら覚えます。借りものでない自分の言葉で表現することの大切さを伝えることは、なるほど教師の使命です。
6月度に選んだのは、記憶や回想にまつわる作品でした、記憶の想起は、人が意識し意図してなすものではありません。何をどのように思い出すかは、その人の今を現している、そんなことを改めて考えた6月でした。
熊本大学名誉教授 森正人

文学賞

2020-06-25 20:22:55 | 受賞作品
「再出発」をテーマに
文学賞5編を紹介

 第19回はがき随筆大賞の発表に併せて「再出発」のテーマで募集した文学賞には118編の応募がありました。その中から毎日新聞西部本社の松藤幸之輔編集局長らが選んだ入賞作5編を掲載します。   
(順不同、年齢は執筆時)

家族
 「人は自ら望んで家庭を作り、やがて孤独に陥る」。私が昔読んだ文章。息子が結婚して、2人目の子供が生まれると、顔つきがきつくなっていった。
 嫁は幼い2人の子供に手いっぱい。会社の悩みもあったのか心を病んで休職。「死」を口にする息子におびえ、嫁は2人の子を連れて実家に帰っていった。
 週に何度か会社に行く息子もやがて復帰。孫息子が「パパと暮らしたい」と。小学校入学を機に元の家族に収まった。
 帰省した息子に「よう、はい上がったね」と背をなでる。目頭を押さえた息子が「家族が居るけんね」と答えた。
 大分市 桑野みちえ(74)


介護の再出発
 小鳥たちの声で目が覚める。一時、楽しみ、また老老介護の一日が始まる。今までは何もかも必死に背負ってきたが、これでは共倒れになる。半分見て見ぬふりをしよう、手を貸しそうになるのを我慢して陰で見守る、と考えを変えたら気持ちが楽になり、玄関先の花も増えてきた。 
 好きな手芸でマスクを作ったり、季節の野菜の苗を植えたりして昔の生活に戻れた。それでも夫の世話は変わらない。
 仕方なくではなく、私に与えられた生き方と思うようにした。本人が一番つらいはずと気づき、もっと優しく接しなくては、と自分に言い聞かせている。
 福岡県中間市 永田ふみ子(74)


逢瀬の歌
青い空の下、夫と息子が遊んでいる。私は洗濯物を干しながら「この時が一番好き」と言うと「平凡だからいいんだよ」と返す夫。25年前の記憶がよみがえる。
 海外赴任中、夫は病に倒れ、平凡な生活は一変、闘病の末、他界した。無念で私は受け入れられずに4年が過ぎた。
 前に進むため、亡夫の誕生日を機に整理を始めた。ギターを弾きながらイベントで歌っている映像がみつかり「お父さんに会いたくなったら見たら」と息子が勧める。そこには元気な笑顔の夫がいた。
 今でも時々、夫と画面越しの逢瀬を重ねている。
 宮崎県串間市 梅田絹子(64)


最後の再出発
 父は91歳で突然母に先立たれた。口から出る言葉は母のことばかり。所構わず人目もはばからず涙を流す日々だった。
 そんな父を緑一色の広大なお茶畑に誘う。かつて母と共にお茶の栽培に精を出したところだ。「ええ眺めじゃ」。つえに寄りかかり四方を見渡して目を細める父。
 外地から復員して米作、たばこ栽培に挑んだ再出発。さにらお茶栽培が加わり、三足のわらじで眠る暇もない。「二人でよう働いた」。父は自分に言い聞かせるように、きっぱり言う。
 以後、涙は消え、母のいない父最後の再出発が始まった。その後、6年を生き抜いた。
 山口県美弥市 吉野ミツエ(72) 


閉山草
 毎年、初夏になると空き地などで一斉に立ち上がり、秋に黄色の花をつけるセイタカアワダチソウという植物がある。約40年前にはエネルギー革命に敗れた炭鉱が次々に閉山に追い込まれ、その跡地に咲いていたため、閉山草と命名されていた。
 炭鉱マンの多くの仲間は次々に全国に散り、全く違う職に就いた。挫折を繰り返しながらもお互いに励まし合って現在に至っている。石炭の現物を見ることもなく、炭鉱、閉山の言葉ももはや死語の時代ではあるが、戦後の復興を担った第一線の炭鉱マンへの最後のはなむけがこの閉山草であろう。
 山口県下関市 河野 京(82)

はがき随筆4月度

2020-06-03 16:13:55 | 受賞作品
 はがき随筆4月度受賞者は次のみなさんでした。(敬称略)

月間賞】9日「ちゃんと考えて」平田壮一朗=宮崎県都城市
佳作】15日「ヒゲダンス」矢野小百合=熊本市西区
▽28日「思いがけないゆとり」永井ミツ子=宮崎県日南市
▽17日「失くしたもの」久野茂樹=鹿児島県霧島市

 新型コロナウイルスの感染症対策として日本政府は4月に緊急事態宣言を実施。さらに5月末までの延長が発表された。全国の小中高校は3月から一斉休校となり、その間の卒業式や春休み、入学式などの自粛要請で異例のものとなった春4月。
 「未来のぼくへ」と投稿したのは11歳の壮一朗君。「ごめんね。お姉ちゃん」。素直に謝るだけではなく、取っ組み合いのけんかでお姉ちゃんを爪でひっかいてけがをさせてしまったことを手紙に書いたのです。未来を生きていくこれからの自分への決意。ちゃんと考えて「落ち着いて」。壮一朗君、多くを学びましたね。
 コロナウイルによる感染症の死亡者は日本でも600人を超えると伝えられています。お茶の間の人気者のコメディアン、志村けんさんの感染死をしのんだ「ヒゲダンス」。困難でなかなかうまくいかないことも、きっとできる。彼は笑顔で拍手して応援してくれている。小学生の頃からのお気に入りの芸人の突然の死を惜しみつつエールを送る、矢野さんの心温まる作品。
 「コロナ」の影響で時間は無限にあるように感じると、捉えている永井さん。自粛生活の中で過ぎし日の忙しさを取り戻すように自然とたわむれている情景は読む者の気持ちを和ませます。ウグイスの鳴き声、ご飯をマキで炊く、山菜採りに行く……。緊急事態宣言は夫とのゆとりの時間の大切さ、かけがえのなさを気付かせてくれたのですね。
 「失くしたもの」。今こそ身に沁みて考えるとき。「ぼくたち大人は、働くことに一生懸命で何かを失くした。そして大人たちの多くは、何かを失くしてしまったことさえ思い出せずにいる」と久野さんは書きます。与えられた命を全うする。元気に生きていくこと。忘れてはいけない大切なこと。
 パンデミックと称されたコロナウイル感染症は世界を大混乱に陥れて各国が感染を食い止め死者が出ないよう必死。街中はひっそりとしています。その変化をはがき随筆にして投稿。かつてない風景、想いを共感し、一日も早い終息を願っています。
 日本ペンクラブ会員 興梠マリア





はがき随筆8月度

2019-09-21 16:09:48 | 受賞作品
 はがき随筆 8月度
月間賞に柳田さん(宮崎)
佳作は柏木さん(宮崎)、武田さん(鹿児島)、木村さん(熊本)

 はがき随筆8月度の受賞者は次の皆さんでした。
【月間賞】29日「夕暮れ時に」柳田慧子=宮崎県延岡市
【佳作】1日「給与明細書」柏木正樹=宮崎市
▽29日「傘寿」武田静瞭=鹿児島市西之表市
▽29日「74年目の回想」=木村寿昭=熊本市中央区

 「夕暮れ時に」は、読む人の気持ちを優しくしてくれる、美しい文章です。夕暮れ時に訪れた、知的障害をもつ青年の柔らかい美的感性が、廊下の小さな明かりやかすかなサンダルの音にも心を動かしたことによって表されています。つい夫婦と3人での立ち話が弾み、その人が礼儀正しいあいさつとともに帰っていった後も、一刻、幸福な気分が漂ったようすに読みとれました。
 「給与明細書」は、奥様が自慢げに見せてくれた、39年間一枚の欠けもない給与明細書にまつわる思い出です。小遣い稼ぎに明細書を書きかえる達人、銀行入金になったときの味家なさなどなどの思い出。家計簿には安月給のやりくりまで記してあった。ご夫婦の貴重な歴史です。
 「傘寿」は、奥様に80歳の誕生日に、80にちなんで8000円の花束を贈ったら、「もったいない」と言いながらも「生まれて初めてもらった」と喜んでくれたという内容です。往々にして私たちは、愛は空気のようにあるものだと思いがちですが、最近読んだドイツ人の小説に、「愛は意思だ」という表現がありました。やはり努力が必要で、こういうさりげなさはいいですね。
 「74年目の回想」は、たまたま農作業をしているときに、長崎の原爆投下を遠望したという内容です。おそらくそのときは何が起こったかお分かりにならなかったでしょう。しかしそれから74年間いろいろの情報によって「特殊爆弾」が「原子爆弾」として認識され、そのときの「爆炎」のその後の悲惨な実態が思い出されたことでしょう。
 8月ということもあり、また、昨今の我が国を取り巻く国際関係や、世界の随所での戦禍のニュースが絶えないせいでもあるでしょうか、戦争に関係する内容の文章が目立ちました。ある世代以上の人々には忘れがたい記憶です。
 この他に、黒木正明さん戦争中の虚偽「聖戦」、高橋誠さんの幼稚園児の視線による「キャベツの青虫」、立石史子さんのヘビとの挨拶「ヘビと出合う」などの文章が印象に残りました。
 鹿児島大学名誉教授 石田忠彦



はがき随筆6月度

2019-07-18 20:41:43 | 受賞作品

月間賞に荒巻さん(熊本)

佳作は田中さん(鹿児島)、福島さん(宮崎)、宮本さん(熊本)

はがき随筆6月度の受賞者は次の皆さんでした。

 【月間賞】6日「約束」荒巻采香=熊本県合志市

 【佳作】26日「薬指のつぶやき」田中由利子=鹿児島県薩摩川内市

 ▽27日「ばあばのバーバー」福島重幸=宮崎県日向市

 ▽27日「猿股」宮本登=熊本県嘉島町

 6月は10代、20代若手の投稿がありました。活字離れの激しい昨今若者の随筆はうれしい限りです。

 やはり投稿の大半は熟年層の方々です。しかし高齢者だからと言って昔の思い出に浸るばかりではなく、将来へ目を向けて新しい発見や社会に対する厳しいご意見などもぜひお寄せください。

荒巻采香さんは元気あふれる18歳。小さい頃から曽祖母に聞かされてきた「人を笑顔に……」との教えが今の自分を支えているといいます。認知症になったが今も昔のままの可愛いひいおばあちゃん。采香さんは感謝の気持ちを忘れないやさしい心の持ち主です。いやされます。これからも他人を思いやる気持ちを失わず素直に生きていってください。

 田中由利子さんの「薬指のつぶやき」浅漬けの唐辛子のせいか指輪のあとがひりひり痛い。ふと見る指輪から結婚生活の喜怒哀楽が見えてくる。でも懐かしい。気持ちを取り直して指輪をはめてみる。心が輝いてきた。誰でも体験する人生の悲喜こもごもがあふれています。

 ユーモアたっぷりの随筆は福島重幸さん。床屋が廃業したので妻に切ってもらうことにしたが、私の注文がうるさいのでいつも喧嘩ばかり。髪も薄くなって、妻がとうとう「どこを切るの?」我が家のバーバーも廃業か。笑ってしまいました。愉快な家族のスケッチです。

 宮本登さんの「猿股」にはびっくり。まさか宮本さんらが広めたとは知りませんでした。風通しがよく健康にもいいと言われています。ブリーフ派トランクス派どちらが多いでしょうか。その辺りの考察もお願いします。

 そのほか宮崎県の杉田重延さん、楠田美穂子さん、鹿児島県の馬渡浩子さん、熊本県の桑本恵子さんの随筆が印象的でした。

 熊本県文化協会理事 和田正隆


はがき随筆5月度

2019-06-19 20:35:35 | 受賞作品

 はがき随筆の5月度月間賞は次の皆さんでした。(敬称略)

 【月間賞】25日「朝は山姥」永井ミツ子=宮崎県日南市

 【佳作】13日「さとうさんは何処」露木恵美子=宮崎県延岡市

  ▽8日「仰げば尊し」野崎正昭=鹿児島市

  ▽16日「境界の線」北窓和代=熊本県阿蘇市

 

月間賞に永井さん(宮崎)

佳作は露木さん(宮崎)、

野崎さん(鹿児島)、

北窓さん(熊本)

 

 「朝は山姥」は、白髪を染めることをやめた時の心境が、劇的に描かれています。まず外部からの反応を、白髪に対するものとは触れずに書き、次に白髪染めをやめ自然体に生きることの気楽さで種明し。最後に、しかししかし、寝起きの姿は孫も驚く山姥状態。能楽に序破急という三段構成がありますが、図らずも見事な三段構成の文章です。ご自分の心境に距離を置いたために、文章が成功しました。

 「さとうさんは何処」は、心温まる話題ですが、同時に不思議な話でもあります。五ヶ瀬川の堤防で、祭りの準備に係り数人で菜の花の手入れをしていたら、見知らぬ女性が2日間も手伝ってくれた。その時の写真が届いたので送ってやりたいが、どこの誰やら分からない。「風の又三郎」を連想した、という内容です。意識的なものか、あるいは無意識的なものか、読む者を想像の世界へ誘うところのある文章です。

 「仰げば尊し」は、長年教職に就いていて「仰げば尊しわが師の恩」を聞いてきたが、違和感を感じていた。先日大成した教え子の恩師と言われ、恥ずかしく、恩は撮ってくれと言った。晩年(失礼)にこういう思いに取り付かれるのはつらいですね。しかし、のほほんと生きるよりは、充実した生ではないでしょうか。

 「境界の線」は、人と自然との関係についての意見が述べられています。熊本地震のときのがけ崩れもひどかったが、それよりも人為的な自然破壊がひどいのではないか。考えると地震によるがけ崩れも、その一因は人の自然への対処の仕方にあったのではないか。自然の持つ再生力は果たして無限か。人と自然の調和の限界を人は超えてはいないか。このような問題はアポリア(同時に二つの合理的答えがあること)ですね。

 鹿児島大学名誉教授  石田忠彦

 


月間賞に的場さん

2019-05-28 18:46:07 | 受賞作品

はがき随筆4月度の受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)

 【月間賞】4日「ジェスチャー」的場豊子=鹿児島県阿久根市

 【佳作】4日「デジタル新聞」増永陽=熊本市中央区

 ▽4日「小さな畑」小野小百合=宮崎県日南市

 ▽16日「心に咲いた花」若宮庸成=鹿児島県志布志市

 

 5月1日に皇太子徳仁さまが新しい天皇の位に即かれ令和の時代が始まりました。

 多くの人が即位を喜び世の中はお祝いムードに包まれています。令和の時代も平和が続くようにと祈るばかりです。

 的場豊子さんは、スイスの高原列車の旅に行こうと、ご主人から誘われた。旅先で言葉が通じるかしら? と不安もあるが、以前エジプトの旅では身ぶり手ぶりで十分に通じたから今回も何とかなるだろうと。「なぜか通じるんです」に作者の女性としてのたくましさとユーモアが感じられて気持ちがいい。思わず拍手を送りました。スイス旅行の後日談も楽しみにしています。

 増永陽さんは、卒寿の方。その日常は驚くほどエネルギッシュです。新聞のデジタル版のプレミアムプランを登録して北海道版やサンデー毎日、エコノミストまで読破されている。高齢になるとIT関連のカタカナ文字は敬遠しがちになりますが、増永さんの文章は最新のIT用語満載です。まさにこの作品は人生百年時代を照らす光です。

 小野小百合さんは、お父さまが残された小さな畑をご夫婦で守っておられる。その日常を自分の心の内を見つめながら書かれて、しっとりとした文章に仕上げました。

 若宮庸成さんの作品。物の不足した時代、衣類に開いた穴にはツギを当てて大事に着ていました。今は使い捨ての時代ですが、だからこそツギを当ててくれた人の暖かさが見にししみて「心に咲いた花」とタイトルにした作者の気持ちが読者に伝わります。

 4日の竹本伸二さんの「食」、17日の古城正巳さんの「反省」も心に残りました。

みやざきエッセイスト・クラブ会員 戸田淳子


はがき随筆2月度

2019-03-09 16:29:59 | 受賞作品
 月間賞に道田さん(鹿児島)
佳作は柏木さん(宮崎)、口町さん(鹿児島)、竹本さん(熊本)

 はがき随筆の2月度月間賞は次の皆さんでした。(敬称略)

【優秀作】28日 「真心」道田道範=鹿児島県出水市
【佳作】8日「霧の記憶」柏木正樹=宮崎市 
    7日「80代は」口町円子=鹿児島県霧島市
    10日「教え子の行為」竹本伸二=熊本市東区

 「真心」は、母親の介護に、心身ともに疲労困憊している毎日。反応の全くない母親の様子に、感謝の言葉など期待していなかったが、感謝の念を姉には伝えていたことが分かり、真心が通じたと勇気づけられたという内容です。人の意識の動きの不思議さについて考えさせられました。私たちの生命現象は一般に意識の活動としてとらえますが、筆者の毎日の会後は、人の命の不思議さに対面させられていると考えると、他人事のような言い方になりますが、介護も別の意味合いをもってきて、励まされるかもしれません。
 「霧の記憶」は美しい文章です。蜘蛛の巣に輝く朝霧の水滴に、少年時代の父母の記憶を重ね合わせた内容です。牛馬のごとく、という慣用句がありますが、早朝から草刈りに出ていて、待っていると朝霧の中から帰ってきての食事。安堵感がある記憶です。父母の年齢に近づくと、父母の労苦が分かるといいますが、このような懐かしく美しい連想は読む人の気持ちを和めてくれます。
 「80代は」は、ワサビり効いた文章です。誰でもが大みそから「紅白」を見る義理はありませんから、自信をもってください。歌が好きなので「紅白」が楽しみだったが、最近は理解不可能な番組に。歩み寄る気持ちで見てみたが、やはり駄目。犬猫のテレビは和ませてくれるのだが。これからは自分流を貫こう。80代の再出発と言おうか、自己の確率です。頑張って下さい。
 「教え子の行為」は、高校教師時代の教え子が、70歳の頃訪ねてきて、危ない個所に手すりを付けてくれた。「今はいらんでしょうが」という心配りと共に。それから20年、これほど助かることはなく、毎日感謝している。教え子の行為が好意であったようです。ここではいわゆる子弟の間柄ですが、人と人との善意の触れ合いは、それが他人事でもうれしくなります。
 この他に、夫婦で別室でテレビを見ている生活が内容の、楠田美穂さんの「TV別居」と、赤ん坊が心を慰めてくれるという、内平友美さんの「心のサプリ」が記憶に残りました。
  鹿児島大学名誉教授 石田忠彦

2,018年 熊本県はがき随筆

2019-02-22 21:46:32 | 受賞作品
 年間賞に今福さん(八代市)

 「はがき随筆」の2018年熊本年間賞に、熊本県八代市の今福和歌子さん(69)の作品「安田さんと情報」(12月6日)が選ばれた。昨年1年間に熊本の読者から寄せられた作品のうち、1~3月の冬季季間賞と準賞、更に4月~12月の月間賞、佳作計16作品を対象に、熊本県文化協会理事、和田正隆さんが選考した。

情報の真偽見極め訴え

 昨年1年間に熊本県関係では延べ240人の随筆が寄せられました。
 日ごろの営みのなかで発見する小さな幸せ、心温まる思い出、あるいは人間の生き方を問う厳しい意見、いろいろでした。ただ昨年は政治や行政への不信が募る一年だったようにも思います。
 そこで年間賞にはあえてハードな作品を選びました。今福和歌子さんの「安田さんの情報」。フェイクニュースやSNSでの偽情報、人をだまして喜ぶという卑劣な風潮がはびこる情けない世の中になってしまいました。「みんなもっとしっかりしろ」。今福さんはそう訴えています。
 政治問題をとらえたものはほかにもいくつかありました。ユーモアあふれる日常のスケッチもたくさんありました。年間賞としていずれも捨て難い随筆でした。
 熊本に縁の深い夏目漱石は小説のほかに随筆、書簡、メモなどたくさん残しています。そこからはいかめしい小説からは想像もつかない彼の思いもよらぬ素性がうかがえます。実にワガママオジサンです。びっくりです。皆さんの記録も将来「おじいちゃんおばあちゃんてこんな人だったのだ」と孫、ひ孫さんたちが新発見すること請け合いです。今年も傑作をお寄せください。
熊本県文化協会理事 和田正隆

感じたことつづり続ける
 「月間賞受賞にもびっくり仰天しましたが、更にびっくりで、ほんとうにうれしいです」。初の年間賞受賞に喜びもひとしおだ。
 シリアで武装勢力に拘束されたフリージャーナリスト、安田純平さんを巡る批判に疑問を抱いたものの反論できず、悶々としていた。ある時「日本には日本の歴史、風土があり、それはジャーナリストの視点にも影響する。米国や欧州発の情報だけでなく、日本人ジャーナリストの目を通した情報も必要だ」と考えつき、作品を書き上げた。
 小学校教員を定年退職後、2014年2月に始めて投稿して5年になる。「年を重ねたから見えてくるものもあります。今後も感じたことを綴っていきたい」【三森輝久】

はがき随筆1月度

2019-02-15 19:05:44 | 受賞作品
月間賞に岡田さん(熊本)
佳作は鍬本さん(熊本)、山下さん(鹿児島)、矢野さん(宮崎)


はがき随筆1月度。受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)
 
 【月間賞】1日「いっちょん好かん」岡田政雄=熊本市北区
 【佳作】10日「ほっこり」鍬本恵子=熊本県八代市
  ▽ 31日「銭湯」山下秀雄=鹿児島県出水市
  ▽ 31日「準備万端」矢野博子さん=宮崎県日南市

 平成31年元旦のはがき随筆は岡田政雄さんの「いっちょん好かん」でスタートしました。お正月らしい明るく気持ちのいい内容です。病院の待合室では皆、伏し目がちになってしまいますが、この病院の雰囲気の良さには驚きました。おばあさんのことばに反応した看護師さんのセリフ。それを聞いたお医者さんのおおらかさ。何と素晴らしい病院でしょう。この病院のドアを開けただけで病気は治ってしまいそうです。朗らかさこそ病院の一番の役目なのかも知れません。病院での一こまを見事な文章にされた新春の第一作にふさわしい作品です。
 鍬本恵子さんの「ほっこり」。作者がバスから降りようとした時に先にバスを降りられた方が「どうぞ」と傘を差しかけて下った。「まぁ、すみません」と傘の中へいれてもらい濡れずにすんだ。誰とも知らない人の親切が身にしみる。雨の日の作者の胸にぽっとともった小さな灯りが美しい作品になりました。
 山下秀雄さんの「銭湯」。高校生の頃の銭湯での場面を書かれています。銭湯の洗い場で隣の人から飛んでくる湯しぶきにいやな思いをしていた。ところが背中に阿弥陀様が描かれているおじさんに「そう思っているおめえもな、さっきからこっちの方に飛ばしてんだぞ」と言われた。今までイライラしていたのに、自分のことは気づかなかった。翌日は傷つけられたと思っていた友人にも素直になれた。若き日のほろ苦い体験を銭湯の場面とからめて爽やかな一文にされました。
 矢野博子さんの「準備万端」は「延命治療は望まないから」とお母さま。子供各々へ宛てた手紙もあるので一緒に読んでいると「こんなの書いたの忘れてた」。この一言で一転してほほえましい作品になりました。
 みやざきエッセイスト・クラブ会員 戸田淳子

はがき随筆12月度

2019-01-11 19:42:56 | 受賞作品
 月間賞に今福さん(熊本)
佳作は貞原さん(宮崎)、田尻さん(熊本)、秋峯さん(鹿児島)

はがき随筆の12月度受賞者は次の皆さんでした。


 【月間賞】6日「安田さんと情報」今福和歌子=熊本県八代市
 【佳作】5日「ポチからタマに」貞原信義=宮崎市
 ▽11日「今年の漢字」田尻五助=熊本市中央区
 ▽13日「ツワブキの花」=鹿児島県霧島市


 あけましておめでとうございます。亥年にちなんでこんな言葉を見つけました。「亥(猪)を抱いてその臭気を忘る」。自分の欠点や醜さは自分ではなかなか気付かない。という意味。気をつけねば。皆さんの新年のモットーにはいかがですか?
 今福和歌子さんはシリアで捕えられたジャーナリストの安田純平さんを取り上げ「自己責任」について考えています。保身のため他人をおとしめるという情けない風潮が蔓延する今の日本。これでいいのだろうか、と疑問を投げかけます。偽情報を与えられていた大戦中を思います。正しい判断は真の情報から。安田さんの行動、そして無事に帰国は本当に良かったですね。
 貞原信義さんのユーモアあふれるお話。ご主人の健康を案じて歩け歩けと急き立てる奥様。これから歩きますよ。ポチも一緒よ、と言われつい「ワン」と返事。ホントに? でもそこが貞原さんの真骨頂。2㌔を歩き切ると、知らぬ間に猫背になってしまって「ニャーン」なんて。思いつきませんね。ご夫婦の日ごろの愉快で明るい会話や駆け引きがほうふつとしてきます。
 田尻五助さんは恒例の今年(平成30年)の漢字に興味津々。自分では改竄の「竄」が一番ふさわしい、いかに今の政治が国民を欺いているか、と。実際は「災」でした。しかし「災」も味方によっては国民に災いが降りかかったと考えれば納得できなくもないですよね。
 秋峯いくよさん。庭いっぱいに咲き乱れるツワブキの花から母に思いを馳せるという内容です。この花が好きだった母は戦争未亡人になっても強く働き抜いた。いつも他人を立てて控えめだった。実はこの花の花言葉は「謙譲」「困難に負けない」だとか。まさに母親そのものであると心を振るわせます。温かい随筆です。
 ほかに宮崎の品矢洋子さん、金丸洋子さんが印象的でした。
 熊本文化協会理事 和田正隆

月間賞に岡田さん

2018-12-29 16:35:55 | 受賞作品
月間賞に岡田さん(熊本)
佳作は前田さん(宮崎)
武田さん(鹿児島)
古城さん(熊本)


 はがき随筆11月度の受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)
 
 【月間賞】9日「病院の玄関」岡田政雄=熊本市北区
 【佳作】7日「メール」前田隆男=宮崎県延岡市
  ▽30日「ほほ笑む月下美人」武田静瞭=鹿児島県西之表市
  ▽28日「生産性」古城正巳=熊本県合志市

 「病院の玄関」は、身につまされる内容です。誰でもそれなりに、自分のためにも他人のためにも、精いっぱい生きて来たはずなのに、老齢になり、身体が不自由になった途端に、まるで邪魔な存在のようにとり扱われるのは、哀しいですね。病院の一隅で見かけた光景に、人生の悲哀を感じとった筆者の優しい感受が、優れた文章を生みました。
 「メール」は、奥さまに先立たれ、さびしさのあまり娘さんたちに愚痴を言ったら励ましのメールが来た。それ以来メールはなくてはならないものになり、最近では、お孫さんたちも加わっての、グループメールになってしまった。その近況を亡き奥さまに知らせたという結びが、読む者をホットさせてくれます。
 「ほほ笑む月下美人」は、美しい文章です。庭の隅でひっそりと咲こうとしていた月下美人の蕾を、寂しかろうと室内で咲かせて、その香りとともに楽しんでいるという内容です。花の名前の美しさ、その香り、ご夫婦の思いやり、それに応えてほほ笑んでくれた月下美人、それらが文章を美しくしています。
 「生産性」は、政治家への風刺の奥に鋭い批判精神が潜んでいる文章です。散歩の途中で見かける牛小屋では、老牛には餌が後回しになっている。某衆議院議員の「生産性がない」発言があったが、ここの牛飼いも、某議員と同じ考えであろうか、とすると年金暮らしの後期高齢者の自分も「生産性がない」と思われているのだろうか、という疑問が書かれています。弱者の与えられている武器は、政治や政治家に対する批評精神を、文章化することだと思います。
 11月は好随筆が多く選ぶのに迷いました.【佳作】の対象にした作品を列記してみます。【宮崎】の杉田茂延さん「彼岸の神秘」▽福島洋一さん「大根たち」【鹿児島】的場豊子さんの「クッサレイオ」▽中鶴裕子さんの「布ぞうり」【熊本】畑田ももえさん「孫とハーモニカ」▽西洋史さん「全員野球内閣?」。感想抜きで申し訳ありません。
 鹿児島大学名誉教授 石田忠彦

月間賞に田上さん

2018-12-25 21:20:30 | 受賞作品
 はがき随筆10月度。受賞者は次の皆さんでした。

【月間賞】18日「歎異抄とは」田上蒼生子=宮崎市 
【佳作】18日「秋の日」北窓和代=熊本県阿蘇市
▽21日「むかしむかし話」小向井一成=鹿児島県さつま町
▽11日「生きる力」逢坂鶴子=宮崎県延岡市
 
 田上さんの作品。「歎異抄をひらく」は新聞の書籍広告欄で時々目にする本ですが、「歎異抄」という書名が表す内容が難しそうで、つい敬遠したくなる本の一つです。田上さんは99歳にしてこの本を買われた。その心意気に驚きました。人生は今や100歳時代といわれていますが、日々体調を整えながら元気に歳を重ねていくことは大変なことです。その「歎異抄をひらく」の内容を自分の胸に落とし込み、分かりやすい文章にされた力には脱帽です。
 今月は田上さんを含めて90歳代の方5人の投稿がありました。うれしい限りです。
 北窓さんの「秋の日」。「風とクリが遊び空と地にまろび落ちる。ころっ、どかっ、ごろ。」の出だしが小気味いい。伝えたいことを的確な言葉で綴り、テンポよく進んでゆく秋物語り。読者も書き手の弾んだ文章に誘われて、クリの林にいるような愉しさを覚えます。
 小向井さんの作品。最近は各地に残る祭りや風習を復活させようという動きがあり、とてもいいことだと思います。小向井さんもそのお一人。ふるさとの民話を紙芝居にして伝えておられる。作者の温かい人柄の伝わるほっこりとした作品です。
 逢坂さんの「生きる力」。ご主人亡き後、息子さんを育て今もなお、お一人で雑貨店を営む91歳の作者。随筆と雑貨店が生きる力になっていると。月々に寄せられる随筆には教えられることばかりです。
 鍬本恵子さんの「生れ変われるなら」、中村薫さんの「スキップ」、鳥取部京子さん「金は神の恵み」も印象に残りました。
 これから寒くなります。皆さま、お元気でお過ごしください。
みやざきエッセイストクラブ会員
戸田淳子

はがき随筆 9月度

2018-11-12 16:56:50 | 受賞作品
 はがき随筆の9月度受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)
 【月間賞】11日「月と西郷星と」伊地知咲子=鹿児島県鹿屋市
【佳作】13日「猛暑の老年太り」中村弘之=熊本市東区
 ▽ 20日「君の名は」=福島洋一=宮崎市
 ▽ 27日「悩み多き年ごろ」梅村薫=鹿児島県姶良市

 4月に女子高生の随筆がありました。心の秘めている言葉がある。「再び帰らぬ時ならばこの時に命を燃やさん」。ひのひと言に支えられ今の私があると。素敵ですね。私の心に残る言葉は「山本有三の「心に太陽を……くちびるに歌を持て……」です。皆さんはいかがですか。こんなお話もぜひ。
 伊地知咲子さんはちょうど火星の大接近の際(7月31日)空を見上げて感じたことをメルヘンぽく表現して面白いです。昨今の不穏な自然災害あるいは世界情勢の不安感をそれとなく匂わせてあり、星からの慰めのサインが届いて何となくほっとした。ほほに温かい風を感じます。ちなみに西南の役で西郷どんが自害した際赤い火星が現れ、あれは西郷星だと大騒ぎになったといわれています。
 中村弘之さん。老年太りを逆手に取って健康信仰を皮肉って愉快です。貯金も減る年金も減る、せめて体重だけは減らさないように。大賛成ですね。
 福島洋一さんも愉快なお話を寄せていただきました。平板な日常にちょっとしたユーモアあふれるワンシーンです。犬の「あんこ」は自分を人間だと思っているが、人見知りする性格。本当は福島さんを好きだけど、はずかしくてどうも愛想よくできない。こんな想像までしてしまいます。お三人とも短い中にうまく起承転結ができて感心しました。
 梅村薫さんは久々の高校生投稿者です。希望をもって高校に入ったが息苦しくてつらい。生徒同士の確執、理不尽な社会に対する大人の嘆き。そんな渦潮の中で翻弄される自分にウンザリ。でも若いから必死に生きようと強く語っています。プラスの何かを見つけようよ。がんばれ!
 梅村さんと同じ姶良市の宇都晃一さんはもしかしたら梅村さんのお爺様?孫娘を励ましています。ほかに小向井一成さんの「まごとじいの話」、有村貴代子さんの「歯」が印象に残りました。
 熊本県文化懇話会理事 和田正隆