近ごろ、ど忘れが重なり落ち込むことがよくある。ある日、8歳の孫が「ばあちゃん、百ます計算をしよう」と言った。早速「しようか」と始めた。縦横に並んだ、一桁の数字をたしていく。「よーい、どん」の合図で孫が始める。計算している時の目の輝き、もう一心不乱だ。終わった時、「やった」と言った。その時の満面の笑み。2分5秒だった。次は私だ。「よーい、どん」の合図に胸の鼓動の高まりを感じる。久しぶりの緊張感だ。孫のタイムに1分も遅れてゴール。孫に拍手を送った。七十路の脳細胞の衰えを感じながら又、挑戦してみたい。
出水市上鯖渕 橋口礼子(72) 2006.3.31日掲載
出水市上鯖渕 橋口礼子(72) 2006.3.31日掲載