今春、孫娘は学業を終え、親元を遠く離れた地で就業した。新型コロナウイルスの感染拡大により、輪をかけて会いにくくなっているので「じいちゃん、ばあちゃん。元気ですか」と時に電話してきてくれる。
大概、LINE(ライン)を使い、顔を見ながらのビデオ通話。おかげで私ら老夫婦は、従前にない長電話をしている。
話してくれる内容は、半年になる自炊での工夫やリモートワーク中心の仕事など。「同期の人と交流できない」「帰省は難しい」とも言う。こちらは「必要なものはないか」。そして、互いに「コロナに感染しないように」と注意を促して終わる。
そうした中、大きな封書を郵便受けに見つけた。孫娘からだった。「きぼう新聞」と記された紙類が入っていた。
「新聞発行」の動機が短くつづられていた。「いつも気にかけてもらってありがとうございます。何かお礼がしたいと考えていたところ、新聞のことを思い出しました。やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんと私をつなぐのはこれかなと……」
他人には分るまいが、私たち夫婦にはよく分かる文章だ。私は、孫娘が3歳になる少し前から20歳の誕生日まで17年3カ月、月間「孫新聞」を出した。だが、3年前に211号で休刊。最後は「コロナが終息したらお会いしましょう」と結んだ。
初めての「新聞」にしては、休日の過ごし方など短い文によくまとめている。妻は「おじいちゃんのDNAを継いでいる」と繰り返し読んでいる。
岩国市 片山清勝(80) 中国新聞ひといき欄掲載
岩国エッセイサロンより
地域外の方のお読みいただき光栄です。
留学、就活、コロナと長く孫に会っていません。
成長した孫にコロナが終息したら早く会いたい、、そんな気持ちで投稿しました。
お孫さんの成長、バアバも楽しみです。