2013年09月30日 毎日新聞「はがき随筆」掲載
かげろうがのぼる道、そのわきに麦わら帽子をかぶった男の子2人、手を挙げて立ち止まっている。私は車を止める。
手をつないで渡り終えた。すると、向き直って一緒にぺこっと頭を下げ、虫取り網を振りながら路地の奥へ駆けていった。上の子は年長さんくらい。
懐かしい麦わら帽子と虫取り網、子どものころ競い合ったセミ捕りの日を思い出す。
思いもしないぺこっの礼、なぜか無性にうれしかった。急いで窓を開け「こけるなよ」と声を掛け手を振る。頭を下げた子どものしぐさ、家でいいしつけをされていると思いながら見送った。
岩国市 会員 片山 清勝 岩国エッセイサロンより転載
かげろうがのぼる道、そのわきに麦わら帽子をかぶった男の子2人、手を挙げて立ち止まっている。私は車を止める。
手をつないで渡り終えた。すると、向き直って一緒にぺこっと頭を下げ、虫取り網を振りながら路地の奥へ駆けていった。上の子は年長さんくらい。
懐かしい麦わら帽子と虫取り網、子どものころ競い合ったセミ捕りの日を思い出す。
思いもしないぺこっの礼、なぜか無性にうれしかった。急いで窓を開け「こけるなよ」と声を掛け手を振る。頭を下げた子どものしぐさ、家でいいしつけをされていると思いながら見送った。
岩国市 会員 片山 清勝 岩国エッセイサロンより転載