絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2024年12月22日(日)絵本レベルアップクラス・松田素子さんの授業内容

2024-12-27 16:00:14 | 絵本レベルアップ

本日は「絵本レベルアップコース」2回目の授業です。

講師は松田素子さん。

今ギャラリーVieで中野真典さんの作品展を開催しています(12月25日まで)。松田さんと中野さんの出会いは、東京で中野さんの個展を見に行った時、りんごの作品を見て、これは絵本になるかも、と思い『リンゴちゃん』の絵本ができました。このように1枚の絵でも物語性のある魅力的な絵は、絵本になる可能性があります。

また、絵本を書店で購入する時は、どれがいいか迷って買いますね。だけど買って家で読み返すと、何でこの本を買ったんだろうと後悔することがあると思います。この後悔が大事で、失敗することで自分の眼が肥えてきます。失敗や後悔から学ぶことは沢山あります。

絵本を制作するときは、物語も絵も順序立てて考える人もいますが、日々の生活の中でアイデアが浮かぶことがあります。ただこのアイデアは作品ではなくあくまで素材。食材と同じでお皿に食材を載せても料理にはなりません。いくら良いアイデアが浮かんでも、それをどのように料理をするかで絵本が完成します。

 

きたやまようこさんのお話

きたやまさんは、小さいときから動物が大好きでした。「大きな犬と暮らすことにあこがれていた」そうで、大人になって初て飼かった犬は、体重30キロほどに成長するシベリアンハスキーで名前は「チェス」。1985年ごろ、子犬のときに、きたやまさんの家に来きました。きたやまさんは1年間仕事を休み、「育犬休暇」をとって育てました。

1988年にきたやまさんが描いた「ゆうたくんちのいばりいぬ」シリーズの1作目「ゆうたはともだち」は「おれ いぬ。おまえ にんげん。」で始まります。「これはチェスが『言った』言葉。チェスがいなかったら、生まれなかった本だと思います」と、きたやまさんは話しています。

 

片山健さんのお話

かたやまさんは、気になる言葉があれば、「箱」に入れています。

役に立つとか制作のヒントになるかは関係なく、とりあえず「箱」にいれています。 時間を経て、箱の中に入れている言葉を取り出して、その言葉から絵本『木はなんにもいわない』が誕生しました、

このように自分だけの「特別な箱」に気になる言葉をメモして入れておくと、それがのちのちアイデアの原点になって絵本が生まれることがあるので、皆さんも試してみてはどうですか。   

絵本は図書館で借りて読む人も多いかもしれませんが、絵本を学んでいる人は、できたら書店に足を運んで買ってほしいですね。 なかには「絵本って高いでしょ!」という方もいます。小説等は3、4回読む人は、そう多くないと思いますが、自分が好きな絵本は、何回も繰り返して読みますね。例えば1冊1,600円の絵本を5回読めば1冊アタリ320円。考え方で決して高くはありません。

絵本は読み込むことで、新たな発見が必ずあります。読み方にもコツがあり、最初は文章と絵を見ながら2、3回読んで、次に文章はとばして絵だけを見ていきます。

絵本は絵で語ることが多いので、新たな発見があります。 一度試してください。

ではまた来年、風邪には気をつけてくださいね。


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2024年12月14日(土)イラストレベルアップコース・yamyam先生の授業内容

2024-12-23 14:57:16 | イラストレベルアップコース

今日はイラストレベルアップコース、イラストレーターyamyam先生の授業です。

 

今回の授業は、課題「雑誌の扉絵」の講評です。

 

課題内容は、12月を想定したA4サイズの雑誌の扉絵です。どんな雑誌にするかはそれぞれ生徒の皆さんにお任せです。

タイトルが入ることを想定し、文字が入った上でページがまとまっていること、必ず季節感を出したイラストにすること、というのがポイントです。

 

それでは早速、発表です。

 

・学習向け雑誌を想定し、かっちりよりもファンタジーに寄せ、自分の羽根 をクリスマスモチーフでキラキラと飾り付け、自分を飾ることで、ご自愛を感じてもらえるようなイラストにした。

・窓越しに見る色々なクリスマスをテーマにした。色は、自分の家の壁紙のブルーグリーンの色に赤い物を合わせても可愛かったので、その配色で描いた。

・自分のイラストに合う雑誌を探すのが大変だった。もう少しサウナ室内をクリスマスカラーに寄せても良かったかも。

・食べ物で12月が感じられるようにおでんの絵を描いた。もっとシズル感を出したかった。

   

生徒さんの作品

 

皆さんの発表のあとyamyam先生や生徒さんからコメントです。

 

・外国人にも感じるボーダーレスな人間の描き方や、おでかけのワクワク感があって楽しい雰囲気が伝わる。

・クリスマスのモチーフを描いていないのに、色だけでクリスマス感を感じるのはすごい。

・アナログで制作する際は、スキャンでの色の調整や、修正を考えた時のことを考えながら制作する必要性がある。

・実際にはありえない構図でも良いので、リアリティーよりも絵として面白い構図を試してみても良いかも。

 

yamyam先生「自分のイラストがこの雑誌に載りたいなと思ったら、その雑誌に使われている挿絵だけではなく写真やデザインなど、その雑誌がどういう雰囲気で作りたいのかをとらえることが大切です。イラストだけではなく、『イラストや写真』と『文字』とのバランスなども見てみましょう」

 

講評が終わったら、yamyam先生がお仕事で携わられたカステラをみんなで頂きました。

焼き印やパッケージがyamyam先生のイラストで彩られており、カステラのお仕事についてのお話を聞きながら授業が進みます。

 

さて、次回のyamyam先生の授業では「好きな色・配色で着彩」をします。自分が好きな配色の写真やデザインなどを参考にして、着彩していきます。好きな配色の参考資料を集めておいてくださいね。

ではまた来年お会いしましょう!チャオ!


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2024年12月7日(土)イラストレベルアップコース・おかやまたかとし先生の授業内容

2024-12-23 14:28:08 | イラストレベルアップコース

今日はイラストレベルアップコース、イラストレーターおかやまたかとし先生の授業です。

 

今回の授業は、「似顔絵」についてです。

 

おかやま先生は、コロナ禍前まで、似顔絵のお仕事をメインでされていて、イベントなどで似顔絵をされていました。

また現在は、個展やグループ展、インターネットから似顔絵を受注されています。

 

授業のはじめに、おかやま先生がどのように似顔絵を描かれているか、実際に描いて見せて頂きます。

今回、デモンストレーションして下さった似顔絵は、その場で描くものではなく、後日、お渡しするという似顔絵だったので、

・その場で描かない場合のモデルの方の写真撮影の方法

・どんな画材で描いているか

・どうやって色付けをしているか

・何に気を付けて描いているか

・どのくらいの時間で描いているか

目の前で生徒の皆さんから質問を受け付けながら描いて下さり、贅沢な時間が流れます。

 

さて、先生の実演のあとは、「顔をエリアに分けて考える」方法を教えてもらって実際に生徒の皆さんも似顔絵を描いていきます。

アドバイス風景

 

「顔をエリアに分ける」とは、顔を分割して考える方法です。

頭頂から眉間まではどのくらいの大きさか?眉間から鼻まではどのくらいの長さか?など、顔をざっくりエリアに区切ってとらえていきます。

エリア分けした後、目や鼻などをそのエリアにどう乗せていくかを考えます。

 

エリアに分けて考えると誇張もしやすくなり、エリアさえ合っていれば、どれだけ誇張してもその人らしくなります。

ただし、誇張しすぎても喜んで頂けないので、特徴を知った上で、他のパーツは省略するなど、考えて描くのがポイントです。

 

おかやま先生は、更にその方の持つ印象、例えば「笑顔が素敵だな」「ちょっと怒っているのかな」ということを意識されて描かれているそうです。

そこに、シルエット、パーツの距離、角度や形、更に誇張をするかどうかを決めていきます。

 

ずっと同じ人の似顔絵と向き合っていると、似ているのか分からなくなってくるので、他の方に意見を聞くのも良いですね。

同じ課題に取り組んで、すぐに意見を聞けるのは授業の醍醐味です。

 

皆さんが描いている間に、おかやま先生が回られて、1人1人にコメントやアドバイスを下さいます。

また、生徒さん同士でも和気あいあいとコメントし合ったりして、皆さん熱心に似顔絵に取り組まれ、賑やかな授業となりました。


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2024年12月21日(土)文章たっぷりコース第6期・第3回目の授業内容/高科正信先生

2024-12-22 21:30:32 | 文章たっぷりコース

前回の授業から3週間あきましたが、その間に高科先生はインフルエンザに罹られていたそうで、この日もまだ少し元気がなかったような気がします。
他に風邪で休まれている方もいて、皆さんもこの時期はお身体に気をつけてお過ごしくださいね。

ということで、授業は先生のお家の近くにあるアスファルト舗装された駐車場で、マンホールとの境から雑草が芽吹いているという話から始まりました。
「雑草」とは、人の意図にかかわらず自然に繁殖する植物や、景観を損ねる所に生える人に望まれない植物のことを指します。
彼らは自然環境へのさまざまな耐性を持ち、たくましくしぶとく種をつないでいく性質を持っています。
このように身近なものに目を留めて、文章を書く「部品(素材・ネタ)」として自分の「引き出し」の中に溜めておくのも良いでしょう。

そして、テキスト『「書く力」私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰・竹内政明 著/朝日新書) 第一章「構成の秘密」の続きは
・読者に展開を予想させないテクニック ─ 巧みなブリッジのかけ方②
・文章に必要な「部品」は探しにいくもの ─ 文章と文章をつなぐブリッジを見つける①
・時には強引に「つなぐ」う ─ 文章と文章をつなぐブリッジを見つける②  
でした。

文章の構成として「起承転結」がよく使われますが、短いものなら「序破急」でも良いとのこと。
書き出しを読んだだけで「ああ、この話ね」となる入り方はダメで、読み手が「なるほど、こう来たか!」と興味を惹きつけられる構成が望ましいそうです。

テキストの中では「使ってはいけない言葉のリスト」の例として「心の闇」が出てくるのですが、どのような言葉がそれに入るのかという質問があり、自分が嫌だと思う言葉や流行言葉、短縮語などは使わない方が良いとのことでした。
また、簡単な形容詞(嬉しい・楽しいなど)は、できるだけそうではない他の言葉に差し替えるようにとか、自分で気に入っている言葉や言い回しも、頻度に気をつけて使う(400字詰め原稿用紙に2〜3回程度まで)方が良い、と教えていただきました。

そして、参考資料で千早耿一郞の『悪文の構造 ――機能的な文章とは』(ちくま学芸文庫)』 から、
「機能的な文章とは」という箇所を見ていきました。
1979年に木耳選書から発行されたものが、最近文書化された本書では、「名文を書く」より「悪文を書かない」ことを目的として
読みやすい・分かりやすい文章が書けるように、例を挙げて解説しています。

曰く、「文章には、①事実や意思を伝達する働き と、②感情を表したり、相手の感性に訴える働き の2つがある」ということを
理路整然と説明していているのですが、次の授業でも続きを行うので、配付資料を忘れて来ないようにしてください。

ここでまた質問が。
いつか使おうと思って自分の引き出しの中に溜めておく「部品(素材・ネタ)」は、どのような形で残すのか、という問いには
後で(引き出しから)取り出して使う際に困らないように、出典を明らかにしておき、新聞の切り抜きなども紙名や日付は必ず明らかにしておくように、と答えておられました。

言葉を短くすることに関しては、言葉は生き物なので省略形が一般的になっているものもあります。
「それ」を使えば読者に伝わる・認知されるように、作品世界の中での使い方を工夫する必要もあります。
無くなっていく言葉も確かにある反面、残せるものは残した方がよいというのが、先生の見解です。

休憩後はまず、前回の課題「わたしがいちばん○○だったとき」をテーマにした生徒さんの作品を講評していきました。
いちばん長いものを書かれたSさんの作品は、時系列に沿った事実と感情を加不足なく書ききっておられて、お手本のようだと評されていました。

そこで、茨木のり子の詩集『おんなのことば 文庫』(童話屋) から「わたしが一番きれいだったとき」「女の子のマーチ」「汲む」の3作を読んでいきました。
「わたしが一番きれいだったとき」では、“ 平和 ” という言葉が一度も出てこないのに、戦後の時代に背筋をしゃんと伸ばしてこれから生きていこうとしている彼女の姿勢を描いています。
「女の子のマーチ」はなんとも威勢の良い作品で、谷川俊太郎の「男の子のマーチ」(性的表現が多い)とは一線を画し、先生は茨木さんに軍配を上げておられました。
「汲む」はこの詩集の代表的な作品で、最後に収められています。

文章クラスでは以前も詩人の言葉を取り上げたことがあったのですが、今期もまた紹介しようと思っておられるそうです。

最後に、今回は「冬のごちそう」をテーマで何か書く、という課題が出されました。タイトルはそのままでも、独自のものを付けても良いです。
自分にとっての「冬のごちそう」について。ごちそうの中身について具体的に書いたり、シチュエーションについて書いたり、
身近なものでもそうでなくても何でもかまわないので、自分にしか書けない「ごちそう」について書いてください。
枚数は自由ですが、できるだけ難しい言い回しは使わないで、一文が長くなりすぎないように考えてください。

また、自分のことを書くのに事実をそのまま書くとキツくなる場合は、オブラートに包んで表現に言い換える方が良いのか?という質問には
自分のことなので書いても良いけど、被害者意識丸出しのものではなく、反発できるように、跳ね返して笑えるように、読者の共感を得られるような書き方をした方が良いのではとのことでした。

他にも、自由に書くときでも自分でボリュームを設定して書く方が良いのか?という質問には、設定してから書く方が「締まる」のだそうです。
さまざまな文章を書いていると、そのうち自分でこんな感じならこれくらいのボリュームというのが分かってくる。書き終わって読み返したときに、書き足りなかったら書き足さないと行けないし、書きすぎていたら削らないといけない。
長いものを書く練習も必要で、それで筆の走り具合を習得して、長くなりすぎたら削るというのも良いでしょう。

「冬のごちそう」については、できるだけ読む人の目に情景が浮かぶように、その場の空気感(料理から立ち上る湯気とか)や匂いも表現できると良いでしょう。
提出は、次回1月18日(土)の4回目の授業の時です。よろしくお願いいたします。

 


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2024年12月21日(土)イラストじっくりコース・たかいよしかず先生の授業内容

2024-12-21 17:34:10 | イラストじっくり塾

本日は、たかいよしかず先生の初回の授業です。

たかい先生は公文のキャラクター『くろくまくん』、マーブルチョコレートの『マーブルわんちゃん』、西宮市キャラクター『みやたん』、『怪談レストラン』のイラストも描いています。

「えほん・ようかいむら」シリーズの絵本もYouTubeで配信されたり、スタンプラリーのイベントをしたり、とても人気があります。

「えほん・ようかいむら」のように、絵本はシリーズに出来る内容だと強いですね。

授業の前半は、たかい先生のお仕事の話や絵本の話をしていただきました。

 

後半はキャラクターの話と、実際に手を動かしてキャラクターを描いてみました。

 

キャラクターは2頭身のものが多く、顔の下半分にパーツを描くと愛らしくなります。

まずは、たかい先生のキャラクターで、「くろくまくん」と「お化けギャルソン」を描いてみました。

 

次に、目・鼻・口・体 のパーツを6パターンの中から選んで、それぞれのオリジナルキャラクターを描いてみます。

組み合わせながら、何のキャラクターなのかを設定して描くといいですね。

皆さん、楽しいキャラクターが描けたようですね。

 

次回の課題は、A3サイズの紙にキャラクターを描いてきてください。

キャラクターは、1つだけで考えるよりも、仲間を設定して考える方がアイデアが出やすいと思いますので、複数のキャラクターを考えてきてください。

キャラクターの名前や性格など、キャラクター設定もしっかり考えてきてくださいね。

 

今年最後の授業でした。

終わってからもそれぞれの描いたキャラクターを見たりして、話が弾んでいます。

冬休みがありますので、次回の授業は一か月後。

皆さん、良いお年をお迎えくださいね。

 

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