絵話塾だより

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2025年1月18日(土)文章たっぷりコース第6期・第4回目の授業内容/高科正信先生

2025-01-30 21:29:11 | 文章たっぷりコース

2025年が明けて初めての授業は、体調を崩してお休みされる人もおらず、
高科先生もお正月をのんびり過ごされたようで、皆が元気で教室に集まることができて、良い滑り出しとなりました。

まず、テキスト『「書く力」私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰・竹内政明 著/朝日新書) 
第一章「構成の秘密」の続きを交代で読んでいきました。
・池上式、文章構成力向上法 かっこいいブリッジのかけ方①
・「部品」を集める感覚で、知識をストックする かっこいいブリッジのかけ方②
・職業病も悪くない かっこいいブリッジのかけ方③
・思考に奥行きをもたせるトレーニング法 かっこいいブリッジのかけ方④
・最後をちょっと緩める 結論と読者をつなぐブリッジのかけ方

池上氏によれば、かっこいいブリッジをかける練習方法として
新聞のコラムの冒頭を読んで、先の展開を予想してみることを薦めておられます。
最後まで読んで、予想が当たったら勝ち、外れたら負け、というゲームだそうです。

ストックしている「部品」(エピソード・知識)は、いつ使える時が来るのか・来ないのか分かりません。
けれどもその「部品」がたくさんあれば、より読者の興味を引く構成の文章を書くことができます。
予想だにしなかったような場面で役に立つので、「部品」はせっせと集めておくのが良いそうです。

字幕付きの洋画を見ていると、俳優が喋っている台詞と字幕が違うことがあります。
翻訳者が、文字数の制約がある中で台詞のニュアンスを伝えていることに気づくのも、
(知識のある)文筆家の職業病でもあり、楽しみでもあるそうです。

一般の人が文章を書く際のトレーニングとして、竹内氏は極悪人の弁護をする立場になったら
自分ならどうするか、という思考実験をやってみることを薦めておられます。
あえて逆を唱えて、世の中の常識をとらえ直すと、物事を多角的にとらえることができるようになるとか。

小説でもエッセイでも、メインのストーリーを書き終えた後に
ほんの少しだけ蛇足を入れると、それが余韻を生んで、読者の心にいっそう沁みるようになります。
中村明の『文章作法辞典』(講談社学術文庫)では、その辺りを吉行淳之介の言葉を引用して
「ギュッと締めて、フワッと放す」と説明しています。

難しいかもしれませんが、このようなことを実践してみると、より良い文章が書けるようになるそうです。

その後は、前回の課題「わたしは○○です」〜自分を何かに置き換えて、
何かになってみてそのものの視点で書く〜についてのお話でした。

皆さんが提出した文章の中では、お地蔵さんになったりクモになったり、外国人の女性になったり、
楽しい作品が揃ったようです。

参考作品として、長新太の『ぼくはイスです』(亜紀書房)を読み聞かせてくださいました。
いつも何かに腰掛けられているイスが、部屋を飛び出していろんなところに行き、
さまざまなものに腰掛けていくお話です。
お話がどんどんエスカレートしていくのが、楽しいですね。

 

その他に、くどうなおこの詩集『のはらうた1』(童話屋)から、
かぜみつお の「し」をかくひ、かまきりりゅうじ の「おれはかまきり」、
みのむしせつこ の「かぜにゆられて」の3編を見ていきました。
作者は子どもの頃から、ごくあたりまえに「何かになってみる」ことをやっていたそうです。
有名な「てつがくのライオン」も、ライオンが哲学をやってみたら…という仮定の詩です。
子ども向けのような簡単な言葉でも、受け取り方によって深い意味が込められていると考えることもできます。

どんなものでも、文章を書く際は、その人にしか書けないエピソードを書くと、おもしろいものになります。

さて、今回の課題は「冬の光」です。
冬を思わせる内容なら、実際の光でも、何かに光を喩えても、何かを通して見た光でもかまいません。
光はローソクの炎でも、クリスマスのイルミネーションでも、ルミナリエでも、どんな光についても。
創作でも、エッセイでも、自由に書いてください。
ただしこの日習った書き出しと終わり方、途中のブリッジのかけ方に注意することだけは忘れずに。

課題については、文章教室なので締め切りは設けていますが、間に合う・間に合わない より
書ききる・書き終える ことを重要視してください。
遅れても大丈夫です!

では、課題「冬の光」よろしくお願いいたします。


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