絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2025年1月29日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2025-02-05 18:21:44 | 絵本わくわく塾

高科正信先生の3回目の授業は「伝える絵本ー愛するということー」が、テーマでした。

はじめに、絵話塾卒業生の みやもとかずあきさんが節分の絵本『あおくんふくちゃん』を出版されましたので、絵本の紹介をしていただきました。

初回の授業で、スポット受講されていた生徒さんが、絵本作家デビューされます!

とても嬉しいですね!!

みやもとさんは、絵本作家を目指して30年、絵話塾では「絵本わくわくコース」「絵本レベルアップコース」を受講され、その後も高科先生の授業を、スポット受講して頑張っておられました。

絵本作家デビュー、おめでとうございます!!!

 

本日の授業のテーマは「伝える絵本」

伝える絵本は、今生きている作者が、これから生きていく読者に、バトンを渡すようなもの。

バトンにもいろいろあります。

・知識のバトン

・知恵のバトン

・魂のバトン

・人を愛するバトン

このようなバトンが、絵本なのではないかと、高科先生はおっしゃっていました。

読者にバトンを渡す(伝える)絵本を紹介していただきました。

 

・『お話を運んだ馬』 I.Bシンガー/作  工藤幸雄/訳  (岩波書店) 2000年

 

・『ねずみ女房』  ルーマー・ゴッデン/作  ウイリアム・ベン・デュポア/絵  石井桃子/訳(福音館書店) 1977年

 籠に捕らわれたキジバトをねずみが助ける話。

 キジバトを籠から逃がしてしまうと、ねずみはキジバトに会えなくなってしまいます。

 最愛のものを助けるために、大切な物を失ってしまったねずみ。

 でも悲しいだけではなく、「飛ぶ」ということを知ることができたと、前向きに終わっています。

絵本には、同じ動物ではなく、違う種類の動物との愛情や結婚の話があります。

「異種婚姻譚」 というそうですが、種を超えた愛の形は、成就しない絵本が多いそうです。

 

・『おおきな木』 シェル・シルヴェスタイン  本田錦一郎/訳  (篠崎書林) 1976年

 2010年以降は、あすなろ書房から村上春樹/訳で出版されています。

原題は『The Giving Tree』与える木 です。

おおきな木は、主人公に見返りを求めず、自身の使える部分を与えていきます。

大きな愛を感じることのできる一冊です。

 

・『がまくんとかえるくん』  アーノルド・ローベル  三木卓/訳  (文化出版) 1987年

 お互いのことを思い合う 友愛を描いた絵本です。

 

・『しろいうさぎとくろいうさぎ』 

  ガース・ウイリアムズ/文絵   まつおかきょうこ/訳 (福音館書店) 1965年

『しろいうさぎとくろいうさぎ』は、多くの方が知る有名な絵本ですね。

 

休憩を挟んで、文章の書き方の話をしてくださいました。

【読む人が分かるように書き換える】

・情景の描写・・・視覚的に映像が浮かぶような

・心理の描写・・・心や感情の動き

この描写が分かるようにするには、言葉の数を増やさないといけないです。

「嬉しかった」と表現するにも、いつ? 何が?など、他の言葉で表現する。

ちゃんと伝えるためには、もっと言葉が必要です。

言葉を出やすくするには、本を沢山読みましょう。

何が書かれているか? どう書かれているか?を注意して読んでみてください。

 

【主語と述語をはっきりさせる】

「ぞうは鼻が長い」という例文で考えました。

主語は、どこになるのでしょう?

「ぞう」なのか「鼻」なのか悩みます。

少し文章を変えると、もっと分かりやすくなります。

高科先生の「文章たっぷりコース」では、文章の書き方をたっぷり教わりますのでオススメですよ。

 

次回の課題は、「昔話の再話・創作を考えて書く」

昔話の大筋は変えず、細かい部分の描写をアレンジして書いてください。

新しい昔話でも良い。

・場面は区切らず、語り口で書きます。

・原稿用紙5枚以上

・対象年齢を考えて漢字をつかう

・分かち書きはしなくていい

*3月12日(水)提出

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【絵本とイラストの塾、絵話塾の説明会(ガイダンス)日程】

2025年度 秋から始まる講座です。ぜひご参加、お待ちしています。

・2月8日(土)11:00〜

・  9日(日)15:00〜

・  11日(火祝)11:00〜 

・  15日(土)11:00〜

・  16日(日)11:00〜

・  22日(土)11:00〜

・  23日(日)11:00〜

入塾を考えている方は絵話塾までご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

興味のある方・受講を考えている方でしたら誰でも参加できます。

ガイダンスの参加者は、各回5名まで。

受講に関して不安なことや迷っていることなど、どんな些細なこともお気軽にご相談ください。

  ……………………………………………………………………………………………………
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ギャラリーVie 絵話塾 担当・村上政行
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2024年12月4日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2024-12-12 15:08:04 | 絵本わくわく塾

本日は、高科先生の2回目の授業です。

始めに、はやしますみ先生の新刊のお話がありました。

先日出版された、はやしますみさんの『クマダさんのどんぐりコーヒー』(アリス館)は、はやしますみ先生が15年ほど前、絵話塾に通っていた時、高科正信先生の課題で書いたお話を絵本にされたそうです。

高科先生は、絵話塾の修了作品展を毎年見ていて、良いなと思う作品は、背景をしっかり描いていて、クスッと笑える場面があるもの。と、おっしゃっていました。

今回のテーマは「生きる絵本〜くすりと笑うこと〜」

くすりと笑える絵本を紹介していただきました。

・『みんなくいしんぼう』 長新太 (福音館書店)1978年

長新太さんの絵本は、面白いだけでなく、読み手にとっては、軽い力になれる絵本なのだと思います。

 

・『ともだちは緑のにおい』 工藤直子/文 長新太/絵 (理論社) 1988年

ライオン・かたつむり・ろば の友情物語です。

その中の『てつがくのライオン』と『えいえん』を紹介されました。

工藤直子さんは、生き物の目の高さでお話を作っていて、難しいテーマも分かりやすくお話を作られています。

 

・『つきよ』 長新太  (教育画劇) 1986年

とても静かな、でもなんだかおかしいお話。

 

長新太さんは、ほんの少し生きる力を分けることが出来る作家です。と、高科先生はおっしゃっていました。

 

その他に紹介した絵本

・『ほんやのおじさん』 

  ねじめ正一/文  南伸坊/絵  (福音館書店・こどものとも) 2011年

・『あたごの浦』 

  脇和子/再話  脇明子/再話  大道あや/絵  (福音館書店) 1993年

・『ふうふうぽんぽんぽん』  水谷章三/文  杉浦範茂/絵  (童心社) 2000年

 

次回は「伝える絵本~愛するということ~」がテーマです。

 

後半は、原稿用紙の書き方の説明がありました。

皆さんの課題を見て、原稿用紙の書き方が分かっていない方が多かったです。

題名は2行目、作者名は4行目、書き始めは6行目です。

絵本のテキストを書く場合は、絵本にはめくる行為があるので、ページが変わる時に、何行か空けて書くといいですね。

高科先生の書いた原稿を見ながら説明をしていただいたので、参考になり分かりやすかったです。

課題を書くときは、下書き→書き直し→清書というように、3回は書き直してほしいです。

 

では、次回の課題です。

3つの言葉をつなぎ合わせて題名を考えます。

○○は△△の✕✕ といった感じです。

例えば『ともだちは海のにおい』 

今回は対象年齢が自由です。枚数も自由です。

絵本のテキストではなく、短いお話を書いてください。

提出は、1月22日(水)

 

 


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2024年11月27日(水)絵本わくわくコース・太田朋先生の授業内容

2024-11-28 16:51:29 | 絵本わくわく塾

本日は太田朋先生の初回の授業です。

太田朋先生の作品は、シンプルな線で描かれたイラストに温かなことばが添えられています。

先月、ギャラリーvieで作品展されていましたので、皆さんは先に作品とお会いしていましたね。

作品の雰囲気と同じで、穏やかで親しみやすい太田朋先生です。

 

本日の授業は「しりとり絵本」のアイデア出しをしました。

まずは、今までの生徒さんの作品を参考に見せていただきました。

単語でつなげていくのではなく、絵本のように物語になっている作品もあったり、広げたら動物園の案内地図になっているアイデア作品もありました。

土台の紙は、コピー用紙を八つ折りにして、真ん中の部分に切り込みを入れます。

パタパタと折れば、8ページのミニ絵本が完成します。

 

土台が完成したら「しりとり絵本」のアイデア出しを始めましょう。

好きなこと・日頃、気になっていることからイメージを膨らませていくといいですよ。

どんなことば、どんなイラストで繋げていくかを考えて、そのテーマに合う画材を決めます。

見開きに2つ以上の言葉を入れ、ページ割り、構図(言葉や絵の入る位置)も考えてください。

しりとりの最初と最後の文字を大きめに書いたり、色を付けると分かりやすいですね。

ノートやスケッチブックにアイデアを出して、太田先生と相談しながら進めていきました。

 

次回は「しりとり絵本」を発表した後、プラ版画のワークショップをします。

プラ版画にしたいイラストを、ハガキサイズで描いてきてください。

プラ版画は反転するので、出来上がりを反転させたイラストにしてくださいね。

文字を入れる場合は、要注意です!

よろしくお願いいたします。


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2024年11月13日(水)絵本わくわくコース・tupera tupera 亀山達矢さんの授業内容

2024-11-14 18:03:23 | 絵本わくわく塾

本日の授業は、tupera tupera ・亀山達矢さんです。

初回の授業ですので、お仕事と絵本が出版されるまでの苦労やアイデアなど、いろんな話をお聞きしました。

tupera tupera は、亀山達矢さんと中川敦子さん二人によるユニット名です。

今年で活動22年で、絵本は50冊出版されています!

始めは布雑貨を主に制作して、雑貨屋さんで販売していたそうです。

その頃の雑貨作りは、自分が作った物を誰かが使ってくれていることが、とにかく嬉しかったそうです。

 

 絵本以外にも沢山のお仕事をされています。

今までのお仕事では、舞台美術・商業施設などの広告用ポスターなどのビジュアル・テレビ番組や映画のキャラクター・教科書・CDジャケットなど、幅広く活躍されています。

授業では、パソコンで画像を見ながら説明されますので、とても分かりやすいですね。

 

前半は、「装丁 CDジャケット」「ロゴマーク」「パッケージ」「プロダクト」「空間ディレクション」「テレビ番組 映画 舞台美術」「アートワーク」「イラストレーション」「ワークショップ」「展覧会」などの活動を説明していただきました。

ロゴマーク・パッケージ・プロダクトなど、どんな意味があってこのデザインになったのか、というお話を聞いてると、使って終わりではない遊び心があって、とても楽しかったです。

 

後半は絵本制作のお話です。

出版した絵本は、約50冊だそう。

tupera tuperaの活動を始めた頃に作っていた雑貨の中には、ストーリー性を感じるものが多いので、

「絵本は作らないのですか?絵本を作ったらいいのに!」という声が多く、

ちょうどその頃は、雑貨屋で洋書を部屋のインテリアとして扱っているお店も増えて、

部屋に飾れる絵本なら作れるかもと思い、絵本作りにも興味が出てきたのだそうです。

そして五味太郎さんとの出会いも大きかったそうです。

 

初めての絵本は『木がずらり』

2004年に自費出版で限定1000部制作され半年間で売り切れたそうです。

現在はブロンズ新社から販売されています。

 

その後『しましまじま』ブロンズ新社(2006年)『12の星のものがたり』ヴィレッジブックス(2007年)を出版。

制作に苦労した話をいろいろお聞きしました。

 

2008年にコクヨから出版した『かおノート』が大ヒットします!

『かおノート2』が出版されるころ、2010年に学研から『やさいさん』『くだものさん』続けて『ぼうしをとったら』『かぜビューン』が出版されます。

読み聞かせでは、みんなで「スッポ~ン」と掛け合いが出来て盛り上がります。

 

2012年に『しろくまのパンツ』ブロンズ新社、2013年に『パンダ銭湯』絵本館から出版されました。

大ヒット作の『しろくまのパンツ』や『パンダ銭湯』が誕生したエピソードをお聞きしました。

『しろくまのパンツ』10周年の記念に『ねずみさんのパンツ』も出版されました。

 

どの絵本も発想が面白くて、生活の中で発見したことが絵本に発展していっています。

 出版された沢山の絵本には、いろんなアイデアが盛り込まれています。

妥協をしないで絵本作りをされてきたのだなと、とても感じました。

『tupera tuperaのアイデアポケット』ミシマ社 には、たくさんのアイデアが盛りだくさんです。

ぜひ、お手にとってご覧くださいね。

 

「日頃、手を動かして楽しいことをして着地したら、絵本になった。というのが、面白い絵本になります。絵本は遊びの提案を形にしたもの」と、亀山さんはおっしゃっていました。

 

最後に『うんこしりとり』のうんこを作っていただきました。

3分間で完成! 影がいい具合に入っていて、立体的に見えますね。

 

授業が終わってからも、サインを描いてくださり、ありがとうございました。

次回の授業は、どんなことをするのでしょう。お楽しみに!


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2024年10月23日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2024-10-26 15:36:20 | 絵本わくわく塾

本日は児童文学作家の高科正信先生の授業です。

 

初回の授業でしたので、高科先生の普段の生活のお話を少しお聞きしました。

高科先生の一日は、朝が早いです。

4時に起きて、朝ご飯とお昼のお弁当を作ってから、6時頃から釣りへ出かけます。

魚が釣れたら、塩麹漬けやみりん醤油漬けなどして、保存されるそうです。

いつも授業の初めには、最近の出来事や先生のお薦め映画や本などの紹介もしてくださるので、楽しみにしていてくださいね。

 

今年は「絵本のメッセージ」についてのお話をしていただけるそうです。

そして第1回目の授業テーマは 「生きる絵本」 経験値を得ること 

 

「この絵本を知っていますか?」

 

ほとんどの方が手を上げました。

『はじめてのおつかい』 筒井頼子 作  林明子 絵  (福音館書店) 1976年

 

「では、このポスターに書いてある猫はどこにいましたか?」

この質問に答えれる人は誰もいません。

 

この絵本は、手の込んだ作者の主張が入った絵本です。

横長の見開きも有効的に作られています。大人目線の上からの構図から、子ども目線の下からの構図に切り替わる描き方も、子どもの感情に入りやすくてとても良いですよね。

 

『はじめてのおつかい』の後に出版された、

『あさえとちいさいいもうと』 筒井頼子 作  林明子 絵  (福音館書店)1979年

妹思いの姉の心情がよく伝わる絵本ですね。

 

『はじめてのおつかい』は、ほとんどの方が知っていましたが、『あさえとちいさいいもうと』 は、知らない人が多かったです。

『はじめてのおつかい』を読んだなら、『あさえとちいさいいもうと』 も読んでほしい。と、高科先生はおっしゃっていました。

絵本作家になりないのなら、たくさんの絵本を読んでくださいね。

 

その他にも絵本を紹介していただきました

・『トリとボク』    長新太    (あかね書房) 1985年

・『ろくべいまってろよ』灰谷健次郎・文  長 新太・絵  (文研出版) 1975年

・『ピーターのてがみ』 エズラ・ジャック・キーツ 木島始・訳(偕成社) 1974年

子どもは成長していく中で、様々な困難にぶつかったり、一人の寂しい時間を受け入れて、経験値を上げていきます。

絵本は、大人では見落としてしまいそうな驚きや喜びを伝えてくれるのです。

 

最後に課題についての説明です。

子どもから連想するもの(言葉)を出していきました。

・天真爛漫 ・笑顔 ・お母さん ・純粋 ・絵本 ・泣く ・自由 ・生意気 ・幼い

・遊び ・成長 ・好き嫌いが多い ・ごねる ・風 ・奇声を上げる ・いやいや ・土など

 

たくさん出していただきましたが、その中から二つ選んで、二つの言葉を付けた題名の絵本のテキストを書いてください。

・15場面 ・読者は子どもなので、ひらがなで書く ・400字詰めの原稿用紙に縦書きで描く

*締め切り  11月27日(水)提出

 

次回も「生きる絵本」がテーマです。

 


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