絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2024年4月24日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2024-04-27 18:20:24 | 絵本わくわく塾

高科先生の三回目の授業は「行って帰ってくる物語」がテーマでした。

 

ここ(日常)と ここではないところ(非日常・特別な日・特別な時間)があります。

絵本は、ここ と ここではないところ を行き来することができます。

でも簡単には行き来できません。行き来するには行く必然が必要になります。

行って帰ってくるお話で『ナル二ア国物語』のように映画化になっている作品は沢山ありますが、

その中で『ホビットの冒険』J・R・R・トールキン作 1937年・・・瀬田貞二 訳 を紹介していただきました。

『ホビットの冒険』を翻訳されている瀬田貞二の『幼い子の文学』の中で、幼い子の喜ぶ話には、構造上のパターンがある。それは「行って帰ってくる話」と、あります。

子どもの頃の遊びで「はないちもんめ」がありますが、同じセリフのくり返しで行って帰ってくる面白さがあるのではないでしょうか。

 

本日は、そんな「行って帰ってくる物語」の絵本を紹介していただきました。

・『めっきらもっきら どおんどん』 長谷川摂子 文  ふりやなな  絵 1990年 福音館                                         

・『ねずみのひっこし』 あまんきみこ 文  岡田千晶 絵  2023年 福音館こどものとも

・『ひみつのえんそく きんいろのさばく』 くらささら  文  木内達朗 絵  2022年 福音館こどものとも

・『ながれぼしをひろいに』 筒井頼子 文  片山健  絵  1987年 福音館こどものとも

 

ここではないところ(非日常)に行くには行く必然があって、ほとんどのお話では子どもは一人で行きます。

そして、ここではないあちら側へ行ったら、必ず帰って来ないといけません。

ただ帰って来るだけでなく、少し成長をして帰ってきます。

 

子どもは集団ではなく一人で行動することで成長するのだと、高科先生はおっしゃっていました。

 

 

「ふゆのおわり はるのはじまり」がテーマで、課題が出ていました。

何を描くか?と考えた時に、春と言えば桜ですが、桜のような人が思いつきそうなことは書かない方がいいですよね。

何をテーマにするか考えるのも、課題で大事なことですよ。

オススメの絵本を紹介していただきました。

・『いいことってどんなこと』 神沢利子 文  片山健 絵   2001年  福音館書店

・『はなをくんくん』  ルース・クラウス 文  マーク・シーモント 絵 きじまはじめ 訳  1967年 福音館書店

・『やまのかぜ』      木葉井悦子   1993年  架空社

・『じいじのさくらやま』  松成真理子   2005年  白泉社

 

【課題】   5月29日(水)提出

「えっ?そんなのってあり?」 という話を書いてきてください。

絵本のテキストなので15場面で作ります。

 

 

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絵本とイラストが学べる教室「絵話塾」のガイダンス(説明会)4月の日程が決まりました!

 

4月   28日(日) 14:00〜 17:00〜

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よろしくお願いいたします。

興味のある方・受講を考えている方でしたら誰でも参加できます。

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受講に関して不安なことや迷っていることなど、どんな些細なこともお気軽にご相談ください。

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2024年4月17日(水)絵本わくわくコース・絵本編集者 土井章史さんの授業内容

2024-04-18 16:01:15 | 絵本わくわく塾

本日は絵本編集者の土井章史さんの授業です。

土井さんの授業は年に2回あります。

 

はじめに絵本についてのお話から。

ターゲットの主となる4~6歳は、キャラクターを理解して感情移入できる年齢なので、

ストーリー(おはなし)の世界に入っていけるようになります。

絵本を作るなら、5・6才の頃の自分の気持ちを、自分の中に持っていてほしい。

頭を使って答えを出そうとするとその人の価値観が入ってしまいます。

頭は使わずに体で理解してほしい。ただ絵本を楽しむという気持ちが大事です。

そして絵本は絵が上手い下手ではなく、面白い話が書けるかのほうが大事です。

絵が下手でも面白い人を惹きつけるような絵が良いですね。

絵本は子ども向きのエンターテインメントとして考えると良いですよ。

tupera tuperaの絵本は、エンターテインメントとして素晴らしいよね!

と 土井さんはおっしゃっていました。

 

それでは、みなさんのダミー本を見ていきましょう。

土井さん自ら、その場でコメントもつけていきながら読んでくださいます。

まずは、人前で見せるラフは見やすく!

文章はひらがなかカタカナの分かち書きが基本です。

ラフはお話が重要で、絵は何度でも描き直せるように雑でいいです。

 

・子どもは心と体が直結している→頭で考えず体全部で感じて考える。

・絵で分かるところは文章を削る。→分かりやすさは面白さにつながる。

・何でもありになってしまうので、なるべく夢オチや魔法はさける。現実の世界で突き進んが方が面白い。

・絵本の文章は、親が子どもに読み聞かせる言葉で考えましょう。

 大人言葉は使わない方がいいです。読み聞かせをすると、しっくりする言葉が見つかります。

 絵本を沢山読んで、絵本の言葉(読み聞かせの言葉)を体に入れて体で理解してください。

大人になるとファンタジーの世界と思うことも、5、6歳までの子どもにとったら現実世界。

5、6歳までは土の世界(現実の世界)で、7歳以上は空の世界(ファンタジー)に入っていく。

大きくなったら何になりたい?と訊くと、「ぼくは消防車になる!」と答えたりするように、幼い子どもは、あり得ないことでも現実になると思っています。

そんな子どもにとって、現実世界で面白いと思わせることが大事なのでしょうね。

 

「ラフの段階では絵は雑でいいのですが、絵本にする絵は急がず、描く喜びを感じてゆったりした気分で描いてほしいです」と 土井さんはおっしゃっていました。

編集者の視点でみなさんの作品を分析していただき、貴重な時間になりました。

 

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4月 20日(土) 11:00〜 14:00〜

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2024年4月11日(水)tupera tupera 亀山達矢さんの授業内容

2024-04-13 18:47:28 | 絵本わくわく塾

本日は、tupera tupera 亀山達矢さんの今期最後の授業です。

 ワークショップの前に最近されたお仕事を紹介していただきました。

今年は2年ぶりの絵本制作をされているそうです。

楽しみですね!

では、本日のワークショップの説明を、

瀬戸内国際芸術祭2022のイベントとして、丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館の近くにある通町商店街で、

MIMOCA×tupera tupera 「スゴ!すごろくプロジェクト」巨大すごろくが行われました。

本日の授業は、絵話塾では毎年恒例になっている「すごろく」のワークショップです。

毎年、この授業を楽しみに、スポット受講されている生徒さんもいます。

まず、20センチ×20センチの色画用紙に、それぞれ考えたマスを作っていきます。

あと大事な自分のコマも作ります。

完成したら発表。

机いっぱいにマスを並べて、コマはスタートに集合。

なかなかの見応えですね。

 

準備はいいかな? では始めましょう!

 

亀山さんも3枚のマスを制作、1位から3位の方には、亀山さんが制作したマスをいただけます。

出来立てホヤホヤの原画をいただけるなんて、皆さん真剣勝負です!

またゴール手前で、最下位の人と順位を入れ替えるという、どんでん返しのマスもあるので、最後まで順位は分かりません。

今回はブービー賞もあるというので、3位までに入れなかった方は、ブービー賞のチャンスもあります。

賞品には、非売品の物もあるので、とっても贅沢です。

最後の授業ですごろくをしたのは、ワイワイ楽しみながらコマを作って、みんなで楽しさを分かち合う、みんなが繋がって前に進む。

絵本作りは遊びみたいなもので、どうなっていくか分からないことを、手を動かしながら楽しく物作りをしていく。

一人では出来なくて、いろんな方の協力があって完成していく。

今回のすごろくも絵本作りに通じるものがある。と、亀山先生はおっしゃっていました。

 

最後の授業に大盛り上がりのワークショップを、ありがとうございました。

 

最後にお知らせです!

万博記念公園にある ニフレル で 「あなたも愉快な生き物だ展!」にて、誰もが生きものに変身し、ニフレルの生きものの一員になれる展示イベントが、2025年1月13日まで開催されています!

ぜひ、愉快な生き物になってニフレルで楽しみましょう!

 

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  29日(月・祝)14:00〜 17:00〜

 

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2024年3月13日(水)絵本わくわくコース・WAKKUN先生の授業内容

2024-03-20 14:34:12 | 絵本わくわく塾

本日の絵本わくわくコースは、WAKKUN先生3回目の授業です。

前回は墨で90センチ四方の和紙に気持ちを乗せて描きました。

今回も同じく墨を使いますが、描くのは細長い半紙です。

 

WAKKUN先生の授業では、今後「じゃばら本」の絵本を制作します。

今回の細長い和紙は、「じゃばら本」を制作することを、見据えて描いていきます。

太田朋先生のじゃばら本を見せていただき、説明をお聞きしました。

広げると絵が繋がって見えるようになると、じゃばらを活かせた作品でいいですね。

 

まず始めに、WAKKUN先生から見本を見せていただきます。

 

WAKKUN先生が描いた絵は、ジャンケンで勝った人にプレゼントしました。

 

震災から5年後、芦屋市立美術館で開催したライブペインティングでは、

もしあの時、自分が死んでいたら、子どもたちに何を残せただろうかと考えてみると、

空の上から娘や息子を見た時「お父さん、ボク達大丈夫やで!元気に歩いていくからな!」と

言ってもらえたら嬉しいと思って、タテ2メートル、ヨコ10メートルもの大きな紙に

「てくてく 歩く ボクたちは これからも しっかりとね 福の種まけ ボクらの前に ボクらの後に」と描かれたそうです。 

「一番伝えたいものは、それぞれの心の核になるもの。頭で考えるものではなく、心の中で感じるものです」

WAKKUN先生も昔は、上手に描こうと思っていたけれど、友部正人さんやスズキコージさんとの出会いで、自分の描く絵や文字が、きれいに描こうとしていて表情がないことに気付き、「しょうもねー」と思ったそうです。

そこから自由に表現するようになったそうです。

WAKKUN先生は熱く語っていました。

 

では、皆さんも描いてみましょう。

 縦にするか横にするかは自由です。

描き始めはためらっていた方も、一筆描き始めるとすらすらと描かれています。

静かに丁寧に描くのもいいし、大胆に一気に描き上げてもいいですよ。

墨の濃い薄いも水で調整してくださいね。

完成したら発表します。

縦描き・横描き、いろんな作品が完成しました。

 

 

最近の思うことや出来事など、

人それぞれ思う(表現したいこと・表現の仕方)ことは違います。

これからも自分の世界を探って伝えることをしてほしいですね。

 

次回の授業では、ジャバラ本を見せていただきます。

大きさ・画材・テーマは自由。

集印帳をベースに作ってもいいし、一から作ってもいいです。

完成できなかった場合は、どんな風に仕上げていくかを発表してください。

 

 

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絵話塾21期生の生徒募集しています!

3月のガイダンス日程が決まりました。

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3月 23日(土)   11:00〜

  24日(日)   11:00〜

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2024年2月28日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2024-02-29 16:06:30 | 絵本わくわく塾

本日は、高科正信先生の3回目の授業です。

高科先生、パッチワークのオシャレなパンツを履かれていますね。

紳士物のスーツをパッチワークでリメイクして作られたパンツだそうです。

 

今年は2月というのに暖かい日が数日ありました。

まだ3月にもなっていないのに、高科先生の自宅付近では、鶯が鳴いたそうです。

それも、珍しく地上に降りてきた鶯の姿を、見ることができたとか。

この調子だと桜の開花も早いでしょうね。

 

前回の授業では、「リアリズムの手法」がテーマでした。

本日のテーマは、「ファンタジーの手法」です。

 

物語にはリアリズムとファンタジーの二種類があります。

リアリズムが現実世界なら、ファンタジーは空想世界です。

ファンタジーのお話は、ここではないところ(非日常)のお話です。

 

ファンタジーの物語で代表作は『ナルニア国ものがたり』C・S ルイス 1950年(岩波少年文庫)があります。

『ナルニア国ものがたり ライオンと魔女』では、洋服ダンスがファンタジーの世界へつづく扉になります。

 

絵本にはファンタジーでしか書けないことがらがありますが、

魔法が使えるや妖精が出てくるというような夢の世界は、ファンタジーだからOKと考えない方がいいです。

魔法が使える必要性や妖精と出会う場面には、現実以上にリアリズムが必要です。

 

本日は、あまんきみこさんの作品を紹介していただきました。

 

・『あまんきみこ童話集』の中から 「さよならのうた」  角川春樹事務所  2009年

 

・『きつねみちは、天のみち』   童心社   2016年

 

・『ふでばこのなかのキルル』   白泉社   2010年

 

 

授業の後半は、課題についてお話がありました。

 

課題は人に見てもらうので、清書原稿で提出しましょう。

上手ではなくて良いので、丁寧に書いてください。

 

絵本のテキストで、ここではない話(ファンタジー)を考えるときは、

頭を柔軟にした方が良いですよ。

 

例えば、

「ぞうを冷蔵庫に入れる」 どうやって入れますか?

3つの動作で考えてください。という問いに、

 

1,象の写真を撮る

2,プリントアウトする

3.冷蔵庫に入れる

 

このように、どうやったら冷蔵庫より大きい象を、冷蔵庫に入るかを考えますが、

 

1,冷蔵庫のドアを開ける

2,冷蔵庫に象を入れる

3,冷蔵庫のドアを閉める

 

このように、既に象の入る冷蔵庫はあると考えるといいのです。

あり得ない話を、リアルに書くとファンタジーの話になります。

 

 

最後に形容詞についてのお話がありました。

 

「かわいい」 「かわいそう」 「たのしい」 という形容詞は、なるべく使わない方がいいです。

思いや考え方は人それぞれ違うので、「かわいい」だけの表現でなく、どう思うのか。

「まあるい目が愛らしい」などの、ことばの言い方をさがしてください。

 

ついつい「かわいい」と言ってしまいますが、言い方をさがしてみると、言葉の表現が豊かになりますね。

 

 

【課題】 4月10日(水)提出

 

ふゆのおわり はるのはじめ で、絵本のテキストを書いてください。

1~15場面  ひらがなで書く

 


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