絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年10月18日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2023-10-19 17:16:46 | 絵本わくわく塾

児童文学作家の高科正信先生の初回の授業は「絵本をひらく・そのハードル」がテーマでした。

高科先生の授業は毎回テーマを決めて、そのテーマに合った絵本を紹介されます。

 

初めに高科先生からお知らせがあります。

福音館書店の月刊絵本こどものとも12月号で、『プレゼントはひとつ』高科正信 文 コマツシンヤ 絵 が出版されます。

コマツシンヤさんは漫画家でもあるので、描写が細かくて圧巻です。

コマツシンヤさんのイラストで、どんどん絵本の世界に入り込んで楽しめそうです。

ぜひ、お手に取ってご覧くださいね。

 

「絵本作家になりたい。絵本について学びたいと思う方は、これからたくさんの本を読んでください」と高科先生は、初めにお話しされました。

 

絵本とは?という問いについて考えてみました。

・絵があって文章がある

・幼い子どもが読む

・ページをめくって読む

・読み聞かせるもの

・親子で読める

 

映画評論家の川本三郎は「絵本というのは、今ここではない場所へ、読者を連れて行ってくれるものだ」と伝えていたそうです。

 

初回は「絵本をひらく」がテーマですので、

絵本作家が影響を受けた絵本を、初めに紹介します。

 

1967年にアメリカから、レオ・レオニが『あおくんときいろちゃん』を出版しました。

孫のために色紙をちぎって作った絵本だったそう。

ベトナム戦争で、アメリカでは黒人や貧困民の若い男性が戦争にかり出されました。

『あおくんときいろちゃん』は、戦争が終わって傷ついて帰ってきた若者たちの中で「別々ではなく一緒に仲良くなろう」という思いを持つ人々から、支持を受け大ヒットしたそうです。

そして「僕と一緒に緑になろうよ」とプロポーズする若者が増えたとか。

 

美大生だった田島征三が『あおくんときいろちゃん』を読んで、「絵本はすごい!」と思い、初めての絵本『しばてん』を1971年に出版しました。

テーマが重くて泥絵の具で描いた絵は批判を受けていたが、幼稚園で読み聞かせたところ、幼児からは「太郎ちゃんがかわいそう」「私、太郎ちゃんと結婚する!」と言って、反響があったのだそう。

 

『あおくんときいろちゃん』『しばてん』を読んで影響を受けた長谷川集平が1976年に『はせがわくんきらいや』でデビューします。

作家には、これを書かないといけないというテーマがあります。

田島征三や長谷川集平のように、デビュー作で書く人もいれば、時間が経ってから書く人、書かないで心の中に留めておく人もいます。

 

1967年に出版された『あおくんときいろちゃん』が、絵本の自由さを表現し、その影響を受けた田島征三や長谷川集平たちが絵本のハードルを高くしました。

 

絵本のハードルは高いのかと感じるでしょうが、ハードルが低い絵本もたくさんあります。

『ごろごろにゃーん』    長新太   1984年(福音館書店)

『1まいのがようし』    長坂真護  2022年(あかね書房)

 

「いろんな絵本があります。絵本のハードルはそんなに高くないので、どんどん書いてほしい」

「読み手は、好きに読む権利があります。自分に一番近づけて読むので、読み手によって感じるものが違います。作者は、出版したら自分の手から離れてしまうと思ってください」

と、高科先生はおっしゃっていました。

本日紹介した絵本

 

今日は初回ですので、原稿用紙の書き方を説明していただきました。

・題名は二行目の三マスあける

・作者名は四行目の下

・書き出しは六行目の一マスあける

 

【課題】

絵本のテキストを書く

1~15の見開きの文章です。

テーマ「せんをひく」で、お話を考えてください。

文章だけですので、絵を描く人は別にいると考え、第三者が読んで分かるように書いてください。

 

11月29日(水)提出

 

次回は「ここ」の絵本がテーマです。

 


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2023年10月8日(日)絵本ゆっくりコース・太田朋先生の授業内容

2023-10-12 14:48:51 | 絵本ゆっくり塾

本日は太田朋先生の初回の授業です。

本日の授業は「しりとり絵本」のアイデア出しをしました。

今までの生徒さんの作品を参考に見せていただきました。

広げたら一つのイラストになっていたり、面白いアイデアで制作された作品もありました。

 

土台の紙は、コピー用紙を八つ折りにして、真ん中の部分に切り込みを入れます。

パタパタと折れば、8ページのミニ絵本が完成します。

 

土台が完成したら「しりとり絵本」のアイデア出しを始めましょう。

まず、好きなテーマを決めて考える。

どんなことば、どんなイラストで繋げていくかを考えて、そのテーマに合う画材を決めます。

見開きに2つ以上の言葉を入れ、言葉や絵の入る位置、構図も考えてください。

しりとりの最初と最後の文字を大きめに書いたり、色を付けると分かりやすいですね。

ノートやスケッチブックにアイデアを出して、太田先生と相談しながら進めていきました。

 

アイデアがまとまった方の作品を見せていただき、「お~、すごい」と歓声が上がっていました。

 

次回の授業で発表しますにで、沢山のアイデアを出して「しりとり絵本」を完成させてくださいね。

 

次回は「しりとり絵本」を発表した後、プラ版画のワークショップをします。

プラ版画にしたいイラストを、ハガキサイズで描いてきてください。

細かすぎないシンプルなイラストがいいですよ。

楽しみですね。

 


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2023年10月7日(土)イラストじっくりコース・安齋肇先生の授業内容

2023-10-08 17:56:09 | イラストじっくり塾

本日は、安齋肇先生の初回の授業でした。

「人生で最高の食事」というテーマで、絵を描いてみました。

そろそろ完成のようなので、発表していきましょう。

発表する時に、今までどんな絵を描いていた? これからどうなりたい?という質問をしながら、

安齋先生から、アドバイスや次回までの課題をそれぞれにいただきました。

 

あまり絵を描いたことがない方や、学生時代以来に久しぶりに描くといった、新しくチャレンジしていくぞ!という方も多かったです。

こらから絵を描いていきたい方には、たくさんの絵(目標100枚)を見て、一枚模写する課題が出ていました。

 

「人生で最高の食事」というテーマで描いた絵は、

・お好み焼き ・枝豆 ・カップラーメン ・海鮮丼 ・鯛茶漬け ・ゆで卵 ・卵かけご飯 ・餃子などがありました。

 

 

イラストレーターとして仕事をしたい方、絵本を描きたい方、絵を久しぶりに描く方など、目的は様々ですが、皆さんが純粋な動機で絵話塾に来ていて、

不揃いから同じ方向に進んでいくから楽しいんだよ。

これから絵を描いていく方は、低いハードルでもいいので、一つずつ越えていけばいいよ。と安齋先生はおっしゃっていました。

 

1年間、楽しみながらハードルを越えていきましょうね。

 

次回の授業までに、それぞれに出された課題と、100を目標に何かチャレンジしてください。

・展覧会を100件観る ・映画を100観る ・デッサンを100枚描く ・4コマ漫画を100描くなど、なんでもいいですよ。

約3ヶ月ありますので、毎日続けたら出来るし、休みの日に頑張ってみるのもいいでしょう。

楽しみにしています。

 

 

 

 

 


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2023年10月4日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業内容

2023-10-05 14:44:36 | 絵本わくわく塾

本日は、はやしますみ先生の初回の授業です。

「私もみんなと同じように、絵話塾に通っていて5期生だったんですよ」

絵話塾に通っていた時のお話しをお聞きしました。

「全ての授業に出席して、課題は全部仕上げる、そして一番前に座る」を目標に一年頑張ったそうです。

 

はやし先生のデビューのきっかけはコンペです。

絵話塾の修了展で展示した絵本『ねーねーのしっぽ』を、ピンポイントギャラリーが主催の絵本コンペに応募して優秀賞を受賞されました。

ピンポイントギャラリーで展覧会をし、そのあと絵本が出版されるのですが、当時のお話もお聞きしました。

絵話塾卒業生のはやし先生から、実際にお話が聞けるいい機会ですね。

はやし先生の授業は4回あって、残り3回の授業でダミー本を発表します。

最後の授業でダミー本を完成するまでが目標です。

 

『たんぼレストラン』を読み聞かせていただきました。

生き物図鑑のような『たんぼレストラン』は、ダミーを作る前に実際にゲンゴロウやタガメを飼って観察したり、生き物に触れてスケッチを沢山描いたそうです。

絵本の土台をしっかり作ってから、ダミーを考えるとおっしゃっていました。

『たんぼレストラン』は、アイデア出しから出版まで5年かかり、ダミー本も20冊くらいはあるそうです。

皆さん、想像していたよりも、絵本を出版するのが大変なのかが、分かったようでした。

 

『ねこぼん』は、郡上八幡の盆踊りの取材にも行って、いろんな発見があったようでした。

初めは文章を横書きで書いていたのですが、会話文を活かすのに縦書きに変えることになって、

縦書きに合う絵を描き直したというエピソードをお聞きしました。

 

そして、絵本を作っていく上で重要な点を教えていただきました。

絵本のストーリーが進む方向によって、縦書きか横書きかが決まります。

絵本のダミーを考えるときは、描きたい場面をまず考えてから、話を膨らませるといいですよ。

 

はやし先生の授業は「直し力」を鍛える授業です。

・絵本のダミーを1年間かけて作る。直すのがメインと思ってほしい。

・基本は15場面ですが、作りたい話を見つけて磨いてください。

・初めからきっちり描き込むと、捨てられなくなるので、ダミーはラフでいいです。

はやし先生は、ダミーを描くときクレヨンで描くそうです。コピー用紙に白色を前面に塗ってから、黒やグレーで絵を描いていくのですが、描き直す時はティシュで拭き取ることが出来るのだそうです。

本日はたくさんのダミー本を見せていただきましたが、クレヨンを重ね塗りしているので、一枚の厚みにビックリしました。手に取ってじっくりと見ることができて良かったです。

 

後半の授業では、「絵のかたまり」 の説明をお聞きしました。 

絵本には「絵のかたまり」と「動き」を意識する(に気をつける)。

黒い紙をランダムに手でちぎって「絵のかたまり」を作ってみましょう。

何かの形が見えてきたら、白いペンで描き込みますが、なるべく手数を少なくして表現しましょう。初めのインスピレーションを光らせて考えて見てくださいね。

絵本の絵は、写実的に描くよりフォルムで形を表し、かたまりを意識して描く方が、楽しい画面として描くことが出来ます。

  

 

次回はダミーの発表と、動きのワークショップをします。

絵本のダミー(モノクロ)と、動きのある絵本を持ってきてください。

ずっと見ていて飽きない絵は、何があるのか?を探ってみます。

 

この一年で、一つのものを作り込んでいく。

最初に作ろうと思ったものを最後まで仕上げる、「直す力」「やりとげる力」を身に付けてほしい。

とおっしゃっていました。

 


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2023年9月30日(土)イラストじっくりコース・たかいよしかず先生の授業内容

2023-10-02 16:05:27 | イラストじっくり塾

本日は、たかいよしかず先生の初回の授業です。

たかい先生の自己紹介から始まりました。

たかい先生はくろくまくん以外にも、マーブルチョコレートのキャラクターや『怪談レストラン』のイラストも描いています。

どうやって『怪談レストラン』のイラストを担当をすることになったのか、その貴重なお話をお聞きしました。

活動を始めた頃に自費出版で出版した『ネコダルマン ファンタステックワールド』が、松谷みよ子さんの目に止まり『怪談レストラン』のイラストを担当することになったそうです。

たかい先生は、思い切って自費出版した『ネコダルマン ファンタステックワールド』がきっかけで今に繋がっています。

皆さんも何がきっかけで仕事に繋がるか分からないので、出来ることにはチャレンジしてみましょう。

 

今日は、水張りの方法を実演して見せていただきました。

簡単にホッチキスで止める方法と、水張りテープを使う方法と2パターンで、見せていただきました。

 

水張りしておくと、着色をした時に紙がうねったりしないのでいいですよ。

ひと手間かけて良い作品を作ってくださいね。

 

後半は手を動かしましょう。

3つのお題から連想してイラストを描きます。

 

「ハンバーガー」「タコ」「おにぎり」 時間は約30分です。

 さぁ、描いてみましょう。

なかなか思い浮かばない方は、まず関連する言葉を書き出してみて、イラストに出来るかを考えてみるといいですよ。

ただ単にお題を描くのではなく、一捻りさせたイラストになっているといいですね。

 

 

イラストの仕事は、広告・書籍・キャラクター・商品デザイン・映像関係と幅広いです。

その中でもどんな仕事があるのかお聞きしました。

いろんな分野があって夢が広がりますね。

 

仕事もいろいろありますが、この人に依頼したいと思うのは、上手い・下手ではなく、合うか・合わないか、好きか・嫌いかで決まることが多いです。

自分の個性を大事にしていたら、その個性に合う仕事が来るようになるでしょう。

また、やる・やらないか ですが、苦手なことでもやると決めてチャレンジしていくと、誰かが見て助けてくれます。

 

そして、やりたいと思う気持ちを届けましょう。

まずはSNSなどで発信してみる。

思い続けるだけでなく、どうしたら近づけるか考えてください。

この人と仕事がしたい、と思うことが原動力になります。

 

たかい先生から、お仕事の話やアドバイスを沢山お聞いて、モチベーションが上がりました。

ありがとうございました!


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