やまめの庭つくり

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樹木の受難

2011-03-07 | 造園
先週,植栽されてから約20年経った公共スペースの樹木調査をしていました.



20年前というとバブリーな時代でしょうか.

きっと予算をたくさんつけて贅沢に植栽したのでは・・・

樹木はたくさん植えられていました.

植栽の後は管理ですよね.当然樹木は生長するのですが,コブシやコナラ,ナンキンハゼ,シラカシなど大きくなるものがたくさん植えられていました.

けど,大きくありませんでした.

そこは山とは違って人の手が入るからある程度当たり前かも知れませんが,何となく納得いかない樹の形.

管理といってもじっくり出来るわけでもなく,大胆にバツッと枝を切断・・・

どうかすると必要のないところも手を入れて無駄に切ってしまうこともあるようです.



枝先を無惨に切られてしまったコブシ.



そのうち,このコナラのようになるのでしょう・・・・

よく「ふかしなおす」といいますが,それがこういう状態なのでしょう.

ただ,ふかし直して大量に枝が出てきたら残す枝を決めて樹形を作っていくものなのでは,と思うのですが,なかなか人と予算がつけられないのが現状なんですかねyellow13



ナンキンハゼもこんなに堅い・・・サルスベリにこういう仕立て方がありますね.




メタセコイア.電柱ではありません.

もはや何の樹なのかわからないですね.



ネムノキ.地盤が固すぎて根が下に行けず,横に這ってしまった結果.

バレリーナの開脚のようになり,幹を揺さぶると前後にぐらぐらします.



何となく元気がないなぁと思ったツバキ.



よく見ると根元がボロボロで傷だらけです.

芝の中に植えられているので,刈り払い機の歯がガスガスっと当たったために成長が阻害されているのだそうです.

これから3年,5年かけて自然樹形に戻っていくのを助けてあげたいと思いました.

特に何が出来るわけではないのですが・・・

植栽デザインをしているやまめとしては,これを教訓に密植は避け,土地の力をよく考えて長い間美しく愛でられるような将来を植物たちに与えてあげたいものだと思います.