樹の話

先月末にRHSJのイベントで西立川にある東京都農林総合研究センターを訪れ，新樹種見学会が開催されました．

新樹種の定義というのは難しいようですが，日本植木協会の中で，平成4年(1992)5月「夢のある植物の開発と普及促進を図る」ことを目的に掲げた専門部会として「新樹種部会」を設立，新しい魅力を持ち，多様性に富んだ緑化造園素材として生産・供給に勤めている樹木品種・・・という理解でいいのかなと思っています．

今年は紅葉も一足早いようでしたが，新樹種が植えられている圃場は１ヶ月前のまだ葉が青々していたときよりも，それぞれの木々の特徴や個性が出ていてとても興味深いものでした．

中でもモミジバフウ‘ロタンディローバ’は，最高でした

葉は手のひらより大きく，丸葉です．

よく公園や街路樹で見かけるモミジバフウはモミジっぽく葉の先が尖っていますけれどね．

かわいいという言葉が見学者の口から次々に・・・

黄葉になるだけかと思ったら，実は濃い銅葉色にも．何かの間違いかと思うくらい，唐突に黒い葉が出現しています．

樹形は直立で高木ですが，庭のシンボルツリーとしても存在感があっていいなぁと思いました．



モミジバフウ(アメリカフウ)‘ロタンディローバ’

マンサク科フウ属

学名：Liquidamber styraciflua 'Rotundiloba'


ちなみに，面白いエピソードをひとつ．

市民の散歩道になっている東京都農林総合センターの圃場ですが，ある日，すごいクレームが飛び込んできたそうです．

やはりこんな葉が枯れ落ちるような時期だったと思われますが・・・

このような状態の樹を見て・・・

「樹木をペンキで塗るとは何事だ！」と．

あまりにも枝が黄色だったので誤解した人からのクレームだったんですね．

それにしても知らない人が見たらびっくりするくらい黄色いわ～

エンジュ‘ウィンターゴールド’

マメ科クララ属

学名：Sophora japonica 'Winter Gold'

サンゴミズキやウィローなどで赤や黄のカラフルな枝色をフ冬に楽しむという話はよく雑誌などで見ますが，エンジュにもこのような種類があるんですね．

勉強になりました