金沢の観光スポットレポート(No.1775)
◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-8犀川神社、浅野川稲荷神社、宇多須神社
今回対象にした神社は金沢城兼六園研究会 塩谷忠士氏の「前田家歴代藩主を祀る神社」より15社、「加賀前田家と北野天満宮」資料の金沢二十五天神社(改補六用集)より12社。石川主要天満宮ほか4社、計31社を巡り、狛犬は参道または拝殿外のものを紹介します。
〇金沢二十五社巡拝とは
天神は神として祀られた菅原道真を指し、金沢では藩主前田家が天神を祖神として崇敬し天満宮を建立したことから、藩士だけでなく一般にもその信仰が広く浸透しました。
二十五天神巡拝は、観音33 番札所巡礼などと同趣のもので、一般の神社や寺院に祀られた天満宮を25選んで巡拝する風習で、25は天神の神忌25日に因むものです。巡拝は地理的に南の玉泉寺から始め、最後は北の田井天神で終わりました。この巡拝がいつ頃から始まったかは定かでありませんが、増補・改正六用集に掲載されているほか、天神850 年祭の 1752 年(宝暦2)に俳人水巻亭楚雀らが田井天神への奉納句や天神25 社を巡拝して詠んだ句を収めた俳書「北の梅」が残されています。明治維新の神仏分離により天神の異動があり、次第に巡拝は見られなくなり、特定の天神社に信仰が集中するようになりました。
22)犀川神社
天正2年(1574)前田利家公封国の時、奈良の春日大社から御祭神を勧請したのが始まりと言われています。金沢市中村町に鎮座する春日社(現在の中村神社)の別社で、以前は「宝久寺の春日」と呼ばれ、修験派山伏の觸頭生廉山宝久寺が奉仕していた。明和5年(1768)の洪水で流失した為、災害・災難等からの守護の願いを込めて、現在の地に改めて産土神として社殿を建立し今日に至っている。明治元年(1867)の神佛分離令により、明治2年に春日社と改め、同6年(1873)犀川神社と改称し。同12年(1879)本殿を造営し、同13年10月拝殿を改造した。
御祭神:天児屋根命 比咩大神 武甕槌命 経津主命
住所:金沢市中央通町16-1
狛犬建立:昭和15年(1940)、95X78Cm
金沢25天神社
■写真は犀川神社
23)浅野川稲荷神社
創立年代は明記を欠くが、富樫時代とも伝えられる。俗称として浅野川稲荷神社と云われる。
御祭神:宇迦之御魂神 大山咋神 崇徳天皇 菅原道真公 天照皇大神 豊受大神
住所:金沢市並木町2-2
狛犬建立:寛永元年(1848)、62X42Cm
金沢25天神社
■写真は浅野川稲荷神社
24)宇多須神社
通称毘沙門さんと云う。佐和田川(今の浅野川)の辺の小丘から出た古鏡の裏面に卯と辰との紋様があったので卯辰神とし、養老2年(718)多聞天社と称して創建された。また藩祖前田利家公を卯辰八幡宮と称して祀ってあり代々藩主の祈祷所として崇敬篤かった。明治2年高皇産霊社と改め、同5年卯辰社と改称、33年(1900)宇多須神社と改め、同35年(1902)県社に昇格。
御祭神:高皇産靈神 武甕槌男命 大國主神 市杵嶋姫命 大山祇命 八重言代主命 少彦名神 宇迦之御魂命 豐受大神 崇徳天皇
住所:金沢市東山1-30-8
狛犬建立:大正元年(1912)、福島伊之助作 44X65Cm
金沢25天神社
■写真は宇多須神社
(つづく)
□加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡りバックナンバー
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◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-9浅野神社、小坂神社、松尾神社
◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-7椿原天満宮、白髭神社、平岡野神社
◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-6安江八幡宮、豊田白山神社、長田菅原神社
◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-5 天満宮 射水市 、天満宮 黒部市 、八幡宮 雄山神社末社
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◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-3多太神社 祖霊社、葭島神社、加賀神社
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◇加賀前田家ゆかりの神社と狛犬巡り-1尾山神社、金谷神社、金澤神社