かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

香川で見た聖観音像

2013年02月27日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
昨日、今は東京国立博物館に保管されていますが、もとは香川に伝来していた観音菩薩立像を紹介しました。

でも、やっぱりお仏様は博物館で見るより、お寺で見る方がいいです、断然に。

しかも、お守りしている方のお話を伺いながら拝観するとなおよいです。

実は、先月香川に行った時、お寺でご住職のお話を伺いながら二体のお仏様を拝ませていただきました。

しかも、どちらも聖観音像です。

ひとつは願興寺(がんこうじ)、もうひとつは正花寺(しょうけじ)

最初に訪れたのは願興寺。


『日本の美術』No.456 より

この像は、(興福寺の阿修羅像と同じ)脱活乾漆造(だつかつかんしつぞう)という技法で作られたもの。

この技法で作られた仏像は都があった奈良や京都には多く伝来していますが、それ以外の地域ではごく珍しく、今のところ知られているのはこの像を含め四体のみ。

しかも、ご住職のお話ですと廃仏毀釈に遭って願興寺にお出でになったといいますから、もしかすると今に伝わらなかった可能性があります。

お話を伺いながら「運命って微妙なものだなぁ」としみじみ思いました。

次は正花寺。


『日本の美術』No.456 より

唐招提寺の衆宝王菩薩立像によく似ているこの像、実は世に知られたのは、第二次世界大戦後。

その「発見」は、関係者を驚かせたそうです。

この像と唐招提寺の像はよく並べて展覧会に出展されるそうですが、ご住職によれば、その時伝衆宝王菩薩立像はこんな言葉を聖観音像にかけているそうです。

 「久しぶりでんな。あちこち、よう出張してはるようでんな。ウチは他にいろいろいいお方がおますので、なかなか注目されずに寂しいわ。」

こんな事を伺いながらお仏様を拝むと、本当に心が和み、そして落ち着きます。


コメント
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