今日は、友人のUさんが入居された介護施設について、お話しをするお約束でした。
シニアー世代の方であれば、どなたでも、関心をお持ちの事でしょう。
出来るだけ詳しくお伝えし、皆様の参考になればと思いますが、そんな充実した内容にはなりそうにありません。
施設を見学させてもらったわけではなく、エントランスから友人の部屋に直行。
そして、おしゃべりに花を咲かせ、友人の元気な姿に安心し、帰宅したにすぎませんから。
語れる事は、私の第一印象と、友人が話してくれた事をかいつまんでご紹介するのみです。
友人のTさんが我が家までお迎えに来て下さり、彼女の車で、そのホームに出かけましたが。
実はUさんも、その車に同乗しておられました。
粗大ごみの整理をするために、自宅に戻っておられたのです。
自宅を売却し、その資金を、介護施設入居の準備金に充てる方が多い、とはよく聞く話ですが・・・・・・
そのような対応をなさらなくてもいいだけの、経済的余裕がおありなのでしょう。
さて、いよいよ、そのホームに到着です。
受付の女性が、車いすを持ってすぐ現れ、Uさんは慣れた動作で、車からその椅子に移動されました。
そして中へと、お邪魔した私達。
このホームは、大手の金融機関の子会社が経営しています
ですから、心から信頼を寄せ、安心して住める居場所だと私は思いました。
介護のみでなく、医療とも連携しています。
彼女のように病を患う人には、申し分のない施設との印象を受けました。
外観は、普通のマンションと全く変わらず、確か四階建ての低層建物でした。
中に入り、私は感嘆!
とても美しい優雅な空間が、わが目に飛び込んできました。
思わず、「素敵!」との声を発してしまった私です。
インテリアは、私好みではありませんでしたが、とても甘い優しさに満ちていて、とにかくきれい。
認知症を患った方々もいらっしゃる介護施設です。
その雰囲気は、このような施設には適切で、とても向いているように、私は思いました。
ホテルの様な廊下を抜けると、Uさんの部屋の前に到着。
中に入ると、お部屋は、彼女らしい、シックな落ち着いた雰囲気にまとめられていました。
決して広くはありません。
ホテルのツインベッドルーム程度の面積です。
そこに、彼女の家から運ばれたのでしょう。
私もよく知っている焼き桐の黒の箪笥が置かれ、その上に、ご主人様の遺影が飾られていました。
壁際には、書斎机とチェストが一体になったシステム家具が。
お部屋の雰囲気から、ホームに入所するにあたって、究極の断捨離をなさってこられたのが、とてもよくわかります。
但し、Uさんの場合、家はまだそのまままでいらっしゃいますから、断捨離という言葉は不適当かもしれませんが。
ここで彼女の素敵なお部屋の画像を掲載したいところですが・・・・・・
迷った末、辞める事にしました。
彼女の承諾を得ていませんし・・・・・・
心新たに再スタートされて間もない居室。
色々な思いが込められた場所でしょう。
勝手に公開しては、彼女がここに入居されるまでの、計り知れないご苦労と重い決断を、冒涜するように感じましたから。
思い出に小さな1枚だけ。
後ろのパッチワークは、彼女がお元気な頃の作品です。
Uさんは、とても明るくてさばさばした気性の方です。
ご主人様が亡くなられて、まだ一年にもなられませんが・・・・・・
泣き言のような事は、一切おっしゃいません。
言われたかもしれませんが、ユーモアのオブラートに包んだ語り口ですから、湿っぽく聞えません。
ですから私には、彼女がとても元気そうに見え、救われた気持ちになりました。
気持ちを整理し、思い出溢れる我が家を去られるまでの、彼女の心の苦悩と葛藤。
それは、筆舌に尽くし難いものであったでしょう事は、容易に想像が付きます。
彼女のことゆえ、ある時点で、心の切り替えを見事になさったのでしょう。
本当に敬服の至りで、私も彼女を見習えるものなら見習いたい、と心から思いました。
おしゃべりの途中で、冗談半分、本気半分では、と思える事をおっしゃり、思わず笑ってしまった私達です。
「七夕の短冊に願い事を書くように言われたの。
私なんて書いたと思う。
死ぬまでお金がなくなりませんように、って書いたのよ(笑)」
と、茶目けたっぷりな表情で。
彼女の不安は、私は、とてもよく理解できました。
具体的にお話しを伺っているうちに・・・・・・
頭金は、前々回の記事で述べた額より、かなり少なくて済みますが、それでも一千万前後はかかります。
その上、これは大変!との印象で受け止めたは、毎月の費用です。
約三十万前後とのこと。
個人的な暮らしに必要な生活費数万を残し、残りはすべて施設への支払いになるのだそうです
遺族年金で入居となると、とても足りません。
毎月貯金がみるみる減っていく状況が目に見えるようです
経済ジャーナリストの荻原寛子さんは、老後のためにお金をためろ、お金をためろといい続けておられるとか。
今の時代、心豊かに老後を送るために、ある程度の貯蓄が不可欠なのかもしれませんね~
しかしですよ。
一昔前までは、どうでしたか。
老人ホームはありましたが、介護施設なんてありませんでした。
介護保険が出来て、日本社会の世相は一気に変わりましたね~
子が親を見るのが当然の時代でなくなり、他人に世話をしてもらうのが当たり前に。
急速に高齢化社会が進み、女性も働くのが当たり前の時代ですから止むを得ないことかもしれませんが・・・・・・
商魂たくましい業者が、介護保険を目当てに、一気にこのような施設を増やし始め、私達年寄りはいつの間にか、そのレールに載せられてしまった。
そのような感が否めません。
一昔前は、もう少し鷹揚に構えていても、何とか平穏に余生を過ごせたのではないかしら。
そう思うと、今の時代の風潮に、複雑な気持ちを抱かざるを得ない私です。
自立した暮らしを最後まで成し遂げる事が、私の今の願いです。
時代の風潮の波に乗せられ、介護施設に入居するのは、できれば避けたい、と。
個々が、そのような強い意志で生きる事が、日本の社会保障の窮地を救うことにもなることでしょうし。
そう思うと、頑張らなくては、との思いが一層沸いてきます。
しかし、友の入居する施設を拝見して、万が一の際は、この施設なら、身の丈に合っていて、私も、友のように平穏な日々が暮らせるのでは、と思いました。
「身の丈」と申し上げたのには、意味があります。
Uさんが、真剣な眼差しで、私達にしみじみ語られた事がありました。
差別とも取られかねず、誤解や批判を招きやすい表現のようにも思え、、書く事がためらわれましたが・・・・・・
とても清らかな精神の持ち主の彼女の言われること。
真実のお話しに違いない、と思いました。
恐らく色々と、施設を見学されたり、友人の苦労話を聞いたうえで出された結論でしょう。
「入所施設を選ぶ時、とても大切な事は、上でもなく下でもなく、自分の身の丈に合ったホームを選ぶ事よ」
と。
「暮らしてきた境遇が違い過ぎると、人間関係がこじれ、平穏な暮らしが出来なくなるそうよ。
似た価値観を共有できる、同じような雰囲気の人が集まるホームに入る事が、今後の幸せにつながることなの」
と、真剣に話されました。
ホームにも、人間関係の確執があるのかもしれませんね~
彼女は、その点、心から満足して暮らしていらっしゃるようで、本当に良かった。
帰り際に、彼女が書斎机の方を指し、私に向かってほほ笑みながら、何か語りかけたそうな素振りをなさいました。
そちらに目を向けると・・・・・・
何と先日、私がお送りしたアジサイの絵葉書が額縁に収まって、その机の上に飾られていました。
恥ずかしくて、恐縮の至りでしたが、彼女らしい気配りを感じ、
大変嬉しく思う共に、ささやかでも、彼女の暮らしのひと時を応援する手立てになってくれれば、と願った私です。
またときどきお邪魔させていただきますね、Uさん。
爽やかな麗しいお人柄を私の心の励みにし、陰ながら、いつも応援しています。
むろん、私のブログは知らない彼女。
独り言に過ぎませんけれど・・・・・・・
追記
自分の綴った文章に消化不良気味で、気持ちが投稿後、どうもすっきりしません。
今後、私の暮らしも介護保険のサービスの恩恵をたくさん授かる事でしょう。
しかし、それに甘え過ぎないように気を付けたい、と言いたかったのかもしれません。
介護保険を批判したつもりではありませんので、ご理解下さいね。
ご覧下さいまして有難うございました。
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