人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

亀井勝一郎『我が精神の遍歴』

2015-12-16 05:00:00 | 読書

若い人は亀井勝一郎(1907~1966)を知っているかしらん。
文芸評論家にして日本藝術院会員だった。昭和31年の「昭和史論争」
で有名だ。--遠山茂樹の『昭和史』(岩波新書)を「人間不在ではな
いか」と批判して、論争となった。
亀井勝一郎は、ガンのため、59歳で亡くなっている(--今から考えれ
ば若かった)。

先日、本棚の、亀井勝一郎著『我が精神の遍歴』(旺文社文庫版)に
目がとまった。こんな真面目そうな本を少しでも読んだかしらん、とパ
ラパラとページをめくる。昭和47年10月8日の購入とあるので、学生
時代に読んだものだろう。

ところが、開けてビックリ!玉手箱。ところどころに赤鉛筆で線が引い
てある。例えば、

 青春は純粋なりという通説がある。僕は自分の二十代をかえりみる
 とき、疑懼(ぎく)なしにこの言葉を思い出すことはできない。若さとい
 うものはどの程度に信頼しうるものなのか。(p45)

 あらゆる時代には、抵抗すべからざるもののようにみえる流行語が
 ある。流行語の特色は、必ずしも万人がそれを口にするところにあ
 るのではなく、本質的には思考を省略する点にある。(p46)

 社会生活とは裁断の生活である。内心のさまざまな思いを無慙(む
 ざん)に断ち切って、その裁断面においてつきあう諦念(ていねん)
 の生活だ。(p111)

なぜそこに線を引いたのか?はむろんまったく思い出せない(笑)。


亀井勝一郎『我が精神の遍歴』(旺文社文庫)

  -----------------------------------------

12/13(日)慶應ワグネル男声第140回定期の記事は現在作成中です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12/12 東響川崎定期No.53 | トップ | 12/13 慶應ワグネル男声合唱... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事