人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

宇野功芳『モーツァルトとブルックナー』(帰徳書房)

2009-05-10 05:25:18 | 読書
今年75歳になるウクレレ漫談の牧伸二の師匠は昭和50(1975)年に亡くなった漫談
家の牧野周一だった。(この人、昔は活動の弁士をしていた。徳川夢声の弟子だっ
た。)私は、飄々とした牧野周一の芸が好きだった。しばらくは知らなかったのだ
が、音楽評論家宇野功芳(こうほう)は牧野周一の長男である。(牧野周一の本名
は宇野である。)

宇野功芳が花の40台に書いた「名著」が『モーツァルトとブルックナー』である。
当時、宇野さんは田園都市線の青葉台に住んでおられたが、今は引越しされただろ
うか。それはともかく、宇野さんの「功績」といえば、ブルックナーと朝比奈隆を
広めたことではないだろうか。

ブルックナーは、長い、分かりにくい、退屈という印象を与える。しかし、何回か
生演奏を聴いているうちに、ブルックナーはベートーヴェンから始まってワーグナ
ーに至る流れの延長線にあるということを実感してきた。ブラームスへ行ってしま
うのではない。ブルックナー自身、ワーグナーに憧れていたようである。したがっ
て、ワーグナーがうまい指揮者はブルックナーもうまいことが多い。


最近、会社のSさんからハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウのブル9が入
ったDVDを頂戴した。なかなかよかった。今から30年以上前になるが、宇野さん
の『モーツァルトとブルックナー』では、ハイティンクは「軟弱の極み」、「愚純
のかたまり」とクソミソであった。しかし、ハイティンクは「進化」したのであろ
うか。



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