人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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台湾旅行(1) ワグネル110周年演奏会 新日本フィル定期演奏会

2011-12-05 05:00:00 | Weblog

「還暦」は十干十二支から来ている。十干十二支は紀元前の中国のものだ。私は
昭和「庚寅」の生まれだから「還暦」は昨年、平成22年「庚寅」だった。生まれた年
の干支(えと)に還った。
還暦は干支と結びついているから、満60歳で「還暦、おめでとうございます」とい
うのは本来おかしい。前にも書いたかしらん。

それはともかく還暦となると、誰しも還暦記念にいろいろやろうということになって
くる。人によってはエッセイ集を出版したり、独唱会を開催したり。私の場合は、
大山登山だったり、ロイヤル・コンセルトヘボウだったりした。

もう半年以上前になるだろうか、学生時代の友人(--彼はまだ還暦ではない
が。)と話していたら還暦記念の一つに何か大きなことをやりたいネとなった。

というわけで、気の置けない、学生時代の友人4人で台湾旅行に行ってきた。
(台湾の国名は中華民国だが、この項ではひとまず「台湾」ということにしておこ
う。)

小泉信三さんの言葉に「スポーツが与える三つの宝」と称して、1.練習によって
不可能を可能にする体験、2.フェアプレーの精神、3.何を言っても誤解しない友
というものがある。学生時代の「何を言っても誤解しない友」との3泊4日の台湾
旅行であった。

これから何回かに分けて台湾レポートをお送りする。何回になるかしらん。長文
ご容赦願いたい。台湾は初めてだったが、本当にいいところだった。


11月18日(金) 前日に持ち物、荷物を総点検。結構時間がかかった。朝5時に
自宅を出発、たまプラーザ5時40分初の羽田行きリムジンバスに乗る(以下、随
時写真参照)。羽田空港国際線ターミナルに6時50分に到着。集合はLOOK 
JTBカウンター前7時40分である。7時前には友人の3人もやってきた。皆さん前
泊だ。早めの行動はさすがというところ。学生時代は5分前集合が徹底していた。
ちなみにJTBツアー名は「台北自遊自在」(朝食付き。早朝出発夜帰国。)である。

7時10分には早々に搭乗券を発券してもらい、荷物も預けた。飛行機は9時40分
初台北松山(ショウザン)空港行きのANA NH1185便だ。
台北には桃園空港というもう一つの国際空港があるが、台北中心部には松山空
港の方が近い。松山と桃園の関係は、都心へのアクセスの近さからいって羽田と
成田のような関係だ。
運よくか、松山空港には昨年から日本との国際線乗り入れが可能となったばかり
だ。

搭乗案内の9時15分までの2時間(!)、国際線ターミナルのCAFE CARDINAL
で談笑したり、写真を撮ったり、台湾の予習をしたりしたが時間が持たない。8時半
には手荷物検査から出国審査へと進んだ。そこから107番搭乗ゲートまで徒歩
10分。ブログ用に写真を撮りまくり、出国審査で注意された。出国審査では写真
撮影禁止が常識らしい。9時20分に搭乗。座席は36D。羽田は雨が降り出した。
現地はどうなのかしらん。予定どおり9時40分に出発、51分に無事Take Offと
なった。

10時30分に食事が出た(写真参照)。10時57分機内アナウンス--「12時45
分到着予定。現地は気温26℃。曇りでございます」。「12時45分」は日本時間で
あって、現地時間11時45分のことである。時差が1時間しかないから、かえって
ややこしい。

と、ここから現地時間表記になるが、12時8分landing、14分に到着した。12時
25分入国審査を終え、荷物を引き取り、両替を済ませる。4万円を現地通貨「元」
に替えてもらった。一般に1元=3円といわれているが、円高の恩恵で1元=2.6
円で換算された。むろんその方が元は多くなる。4万円が15.388元となった。
なお両替は空港内の銀行で済ませるのがレートが高く、お得である。7,000元を
食事、交通費などプール金としてAさん(--かりに友人をA、B、Cさんとしてお
こう。)に渡す。

45分に出口へ行くと「LOOK JTB」というプレートを掲げた現地ガイドのオジサ
ンが迎えてくれた。「こんにちは。両替は済ませましたか」。このツアーではどうも
われわれ4人だけらしい。案内によって7人乗りの乗用車で、一路、本日午後の
目的地九フン(きゅうふん。人偏に分)へ向かう。半日のオプショナルツアー(「ちょ
こっと九フン」4,300円)である。

オジサンはきれいな日本語(=標準語)を使う。「ようこそ台湾へいらっしゃいまし
た。私は木偏の可と書いて『コ』といいます。人偏だと『何』になりますよネ。名前は
『文雄』。フミオで構いません」、「私は大腸がんの手術をしてやせてしまいました
が、それまでは下ぶくれの顔でした」、「いくつに見えますか」(さあ?)、「70(歳)
過ぎです」(え~、お若い。)

「日本にはパチンコがありますネ、台湾はパチンコ、競馬はありません。賭け事は
禁止です。日本で覚せい剤は認められませんネ。台湾では覚せい剤を売ってい
ます。ビンロウという椰子の実です。トラックの運転手、労働者などが噛みます。
ガムのように噛んで吐き出します。頭がスッキリします」(へ~、ビックリ!)

高速道路も使い、北東へ走ること50分、午後1時40分に九フンに到着。九フンは
ガイドの文雄さんの説明等によると今から100年前は小さな山村で、9世帯しか
住んでおらず、いつも買い出しで9セット買っていくところから九フンと呼ばれてい
たという。その後、金鉱が発見されて大賑わいとなったが、金脈が衰えるとまた寂
しくなった。

現在の九フンは映画『悲情城市』(1989年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞)
の現場になったことから観光地として繁栄している、まことにノスタルジックな街
である(写真参照)。

文雄さんの案内で九フンを散策。商店街が続く。途中、中国茶の専門店に立ち寄
る。私は17年物のプーアール茶を買った。1500元だから4000円くらいだろうか。
プーアール茶は健康にいいらしい。--血液循環をよくする、コレステロールを下
げる、脂肪を分解し、ダイエット効果がある、といわれている。

「有名な」阿妹茶樓ではお茶&お菓子で一服。
友人いわく
「『千と千尋の神隠し』の舞台としても有名ですよネ」
「それ観ていないんだけど・・・・・・」(私)
「えっ、観ていないんですか。宮崎駿の。宮崎駿、知りません?」
「ああ、『けものみち』ネ。西村晃、名取裕子」(私)
「いや~、それは松本清張。それもいうなら『もののけ姫』」(大爆笑)
阿妹茶樓は『千と千尋の神隠し』で湯婆婆の屋敷のモデルとなった。(先に書いた
ように『千と千尋の神隠し』はまだ観ていない。)

九フンを約1時間半にわたって楽しんだ後、文雄さんの紹介で台北市内のパイナ
ップルケーキ屋さんへ立ち寄る。私は1箱買った。(後日、帰宅後に食したが、大
変おいしかった。台湾の金賞を受賞したものだ。)文雄さんには「紹介料」が入る
ようだ。

台北市内には、18日、19日のベルリン・フィルの演奏会案内が目に付いた。

午後4時20分、3泊するホテル圓山大飯店に入った。超高級ホテルで、文雄さん
によると現地の人はなかなか泊まれないという。今回の旅行ではかなり早めに頼
んだので、ジュニアスイートルームに無料でグレードアップできた。この部屋の実
際の値段は一泊4万円はするようだ。文雄さんから、明日はロビー集合8時50分、
陳さんがにお迎えに来ますと。

6時からタクシーで夕食に出かけた。タクシーは東京の場合、初乗りが2km710円
だ。一方、台北では初乗り1.25km70元(約180円)と安い。市内中心部までは日
本円にして400円たらずで行ける。
夕食はAさんの友人の紹介で「朝桂」さんという台湾料理中心の店である。盛りだ
くさんのお料理を注文し、むろん多少サービスしていただいたのだろう、その値段
の安さに驚いた。こちらはツアー客を入れていないらしい。地元の人でにぎわって
いた。台湾は共働きで外食文化のようだ。

帰りは初めて台湾の地下鉄に乗った。路線が色別になっており、販売機も迷いよ
うがないほど大変分かりやすかった。しかし、圓山駅から徒歩でホテルへ戻ろうと
したら道に迷い、大人4人泣きそうになってしまった。やっとの思いでタクシーを拾
い、ホテルに着いたのは10時も過ぎていた。長い一日が終わった。
(次回に続く。)


写真は台湾旅行で撮った860枚の一部である。



たまプラーザの朝5時35分


リムジンバスは30人ほどの乗客 ビジネスマンが多い


LOOK JTBのカウンター





チェックインの機械(ANA) 簡単にできる






ここで荷物を預ける




CAFE CARDINAL 
国際線ターミナルは国内線(BIG BIRD)ほどにぎやかではない


手荷物検査


107番搭乗口へ


搭乗を待つ人々


台北の天気が気になる このところ雨が多いようだ


機内食 ポークがなかなかおいしかった


松山空港到着 漢字で「入境」とある




無事に荷物も出てきた 黄色いハンカチが私の荷物


松山空港前 写真は出迎えてくれたガイドのコさん


車内で台湾の大きさ、人口などを説明してもらった
台湾の人口は2300万人 
台北には1割強の260万人がいます 実際には300万人いるといわれています
車は右側通行--左ハンドルである


ビンロウ(椰子の実)のお店 市内にいくつもあった



高速料金所
台湾の高速代は10km40元(約100円)
基隆(キールン)から高雄(カオシュン)まで400kmで400元(約1000円)と
いう安さ


この車で九フンに到着


これから九フンの商店街へ 
左に見えるのはセブンイレブン セブンイレブンはいたるところにあった

以下九フンの商店街




いろ~んな匂いがする



























海(太平洋・東シナ海)が見える
海岸周辺の「もや」がすばらしい


お茶の専門店 中国茶と茶器がたくさん


丸く大きいのが、私が買った17年物のプーアール茶
健康にいいようだ








かの有名な阿妹茶樓 女性は知らない人


上の看板に「悲情城市」とある ただし右横書き





阿妹茶樓内


同上 お客さんは日本人が多い


左側は茶菓子


お茶を入れてもらって一服



実にまろやかな味









大分の高校生が修学旅行で来ていた



九フンの郵便局 「郵局 POST」とある



高速道路(帰路)走行中





市内を走るタクシー すべて黄色である



台北市内のパイナップリケーキ屋さん 



圓山大飯店(ホテル)へ到着 正面は受付カウンター


ジュニアスイートルーム







紹介いただいたお店「朝桂」


お店の洪さん 大変お世話になった






大根餅


しじみのしょう油漬け


しらすとほうれん草のスープ 絶品!


台湾はフルーツが豊富


杏仁豆腐 これもデリーシャス!




地下鉄(MRT)路線図  現在地は 「忠孝敦化」駅
地下鉄は正式には「台北捷運」という


乗車券を購入中 忠孝敦化駅~圓山駅25元


これが乗車券のプラスチックコイン データが入っているようだ





午後9時過ぎの車内(金曜日)


圓山駅出口 矢印の穴にさっきのコインを入れる

(この項は必要に応じて補筆、写真を挿入します。よろしければまたあらためてご
覧ください。)


        *        *        *        *



11月30日(水) 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー創立110周年記念演奏会
(於横浜みなとみらいホール)

<プログラム>
1.ワーグナー 歌劇「タンホイザー」より大行進曲(合唱付き)
2.ボロディン 歌劇「イーゴリ公」より だったん人の踊り(合唱付き)
--休憩--
3.マーラー 交響曲第1番「巨人」
指揮;飯守泰次郎 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ
~男声合唱団、~女声合唱団(合唱団にはOB、OGを含む)


いよいよメインのマーラー1番に、会場の雰囲気も最高潮に達する(休憩時にP席
にも観客が入ってきた。)中、指揮者の飯守さんが両手を上げて登場。ステージ中
央で大きな拍手に包まれる。飯守さんが指揮台に上がると一転して静寂に。飯守
さんがオーケストラに向かって指揮棒を構えようとした、その時、飯守さんが「こん
なことが起きるんですね~」といいながら、客席を振り返った。

「この曲はもう済みました」とスコアを持って下手へ歩き出す。第2ステージのスコ
アがそのまま置かれていたようだ。下手側の学生もあわてて舞台袖へ。その間
1分ほどだったろうか。スコアが見つからなければどうなっていただろう。飯守さ
んはあらためてマーラーのスコアを高く掲げながら再登場。なおいっそう大きな
拍手に包まれた。

さて演奏は各ステージともに、記念演奏会らしい熱演で盛り上がった。タンホイ
ザーはキビキビした速めのテンポ(合唱が遅れ気味の部分も。)が小気味よかっ
た。
飯守さんはいつも以上にか楷書風の見やすい指揮。アマのために一生懸命指
導してくださる先生に感謝である。
休憩時間には福岡正夫先生をお見かけした。福岡先生はお元気で、いつも会
場に足を運んでおられる。

私は1F-C10-13で聴いた。いつも思うことだが、このホールのこのあたり--
つまり中央より前寄りで聴くと、どうも音(とくに合唱)が聴こえにくい嫌いがある。
この次はもっと後ろか2階席で聴いてみることにしよう。東京文化会館かサントリ
ーホールで聴きたいところだった。

(午後9時5分終演)







12月2日(金) 2か月に一度の定期検診。肝臓の数値が下がっていた。プーア
ール茶の効果カナ?



12月3日(土) 新日本フィル定期演奏会第486回(於すみだトリフォニーホール)
<プログラム>
1.フランツ・シューベルト 交響曲第3番
--休憩--
2.フランツ・シュミット 交響曲第2番

寒波来襲かと思わせるほど寒く、万全の服装で錦糸町へ向かった。会場前にドト
ールで一服。そういえば木下保先生は練習前にいつも待ち合わせ場所である渋
谷の東急文化会館1階ユーハイムでコーヒーを飲んでおられた。

この日から演奏会--「魔の三連チャン」である。予習の暇もない。まとめるのが
一苦労である。

当日は、ウィーンゆかり、二人の「フランツ」によるプログラム。同じ交響曲でも一
方は25分、もう一方は50分と演奏時間に違いがある。シューベルトの3番は、第
1ヴァイオリン12~コントラバス4という小編成。バロック・ティンパニも登場。大変
メリハリのある、いい演奏だった。

フランツ・シュミットの2番は大曲、音符の数が多い難曲でなかなか演奏されるこ
とがない。アルミンクのプレトークでは、フランツ・シュミットは、マーラーなど後期
ロマン派と現代音楽の中間に位置するという説明があったが、なかなか聴きや
すい。対位法もあり、構成的にもおもしろい(3楽章制)音楽だった。弦は16型の
大編成。ステージ狭しと多くの団員が登場。

アルミンクは確信に満ちた指揮ぶりで、滞ることのない演奏を聴かせてくれた。
演奏後は、古部さん(オーボエ)、重松さん(クラリネット)、荒川さん(フルート)、
坪井さん(ファゴット)、井手さん(ホルン)・・・・・・といった順で紹介された。新日
本フィルはまったくうまい。





12/3 13:30


16:00


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