11月12日(土) 秋晴れ。10月下旬の暖かさだ。12:58中央林間、13:02相模
大野と乗り継いで、小田原の小田原男声合唱団定期演奏会に出かけた。H先輩
から頂戴したチケットで、今年は40回記念である。
小田原男声合唱団は昭和46(1971)年に発足、常任指揮者に福永(陽一郎)先
生を迎え、活発な活動をしてきた。私は福永先生が指揮したLP「多田武彦作品
集」を持っている。そこで『雨』(旧版)を歌っているのが小田原男声合唱団(48人)
である。今回、プログラム上のメンバーは56人だが、各ステージ50人弱のメンバ
ーがオンステ。会場の小田原市民会館大ホールは70%ほどの入りだった。
<プログラム>
1.デュオーパ作曲「MESSE SOLENNELLE荘厳ミサ」より
(指揮;杉山範雄)
2.多田武彦作曲「達治の旅情」-本年度委嘱曲-
(指揮;外山浩爾)
--休憩--
3.林光編曲「日本抒情歌曲集」より(指揮;牛丸紘一)
4.信長貴富作曲「わが詩友」-本年度委嘱曲-
(指揮;外山浩爾、ピアノ;中根希子)
緞帳(どんちょう)が上がり、団内指揮者犬丸紘一さんの指揮で『箱根八里』が歌
われた。オープニングにいつも歌うのかしらん。
1.デュオーパ作曲「MESSE SOLENNELLE荘厳ミサ」より(指揮;杉山範雄)
お若い杉山さんの指揮でデュオーパのミサ(Credoを除く)をじっくり聴いた。芸
大声楽科卒の杉山さんはヴォイス・トレーナーも兼務している。フレーズが長く、
legatoを要求される難しい曲。しっかりした腹式呼吸が要求される。プログラム
には、わが国で関学グリーが初演したという解説があった。譜面持ちではあった
が、よくチャレンジされたのではないかしらん。
2.多田武彦作曲「達治の旅情」-本年度委嘱曲-(指揮;外山浩爾)
小田原男声は、プログラムを読むまで知らなかったが、いくつか多田武彦の委
嘱作品を初演している。外山さんが足早に登場。指揮棒をもたず、キビキビした
指揮ぶり。
1.「いつしかにひさしわが旅」多田作品を数多く演奏してきた愛着からか、委嘱
作品にもかかわらずこなれた演奏だった。
2.「南の海」ソロがいい声、きっちりした歌い方。
3.「西国札所」関西弁の歌。Bassのパートソロがよかった。Bassが充実してい
る。
4.「天上大風」楽譜に書けない微妙なアゴーギクがあり、いい演奏。
5.「松子」テナーソロはリリックな甘い声。--多田作品に不可欠なものといって
いいかもしれない。
6.「国のはて」終曲らしい曲。ここでもBassが堂々とした歌を聴かせてくれた。
最後に外山さんから客席の多田さんが紹介され、大きな拍手が起きた。
3.林光編曲「日本抒情歌曲集」より(指揮;牛丸紘一)
休憩後の第3ステージ。紹介アナウンスが『日本抒情キャキョク集』となった。「早
春賦」、「叱られて」、「待ちぼうけ」、「椰子の実」、「浜辺の歌」の順。「待ちぼうけ」
以外は「日本の歌100選」に選ばれている。
この種の歌は何人かの作曲家によって編曲されているが、林光による編曲はピ
アノ伴奏(といえるのかしらん。)が私には実におもしろかった。例えば「早春賦」で
はア・カペラ→ピアノ→ア・カペラ→ピアノ→合唱&ピアノ伴奏・・・・・・というように
進行する。
3曲目の「待ちぼうけ」でもピアノと合唱の掛け合いもおもしろかった。「浜辺の歌」
ではまたしてもBassの年配組(平均年齢72、3歳?)がいい声を聴かせてくれた。
4.信長貴富作曲「わが詩友」-本年度委嘱曲-
(指揮;外山浩爾、ピアノ;中根希子)
1.「砂の砦」(三好達治)、2.「詩人の友」(丸山薫)、3.「浅春偶語」(三好達治)、
4.「新しい時代に」(丸山薫)。三好達治と丸山薫は旧制三高以来の“詩友”だっ
た。(--知らなかった~。)2曲目はショスタコーヴィチ風(?)マーチ。全員よく
声を出した。外山さんが指揮すると自然に声が出るのだろう。
3曲目は一転してフランス的な響きの曲。「友よ われら二十年も詩(うた)を書い
て 已(すで)にわれらの生涯も こんなに年をとってしまった」と歌う。この詩を書
いたのは40歳前後だったのかしらん。4曲目はア・カペラからスタートし、途中か
らピアノ伴奏が入る。無伴奏の部分で少し音が下がったカナ。最後は息の長い
クレッシェンドにブラボーが飛び出した。ここでも外山さんから作曲者の信長さん
が紹介された。
拍手の中、外山さんがすぐに再登場。アンコールは第30回記念の委嘱作品多田
武彦作曲『西湘の風雅』より「酒匂川」である。大木惇夫の詩に涙が出そうな甘い
「多田節」だった。
交代で杉山さんが登場。こちらは第35回委嘱作品、同じく多田武彦作曲『冱寒(ご
かん)小景』より「山峡の良夜」。一転して北原白秋の詩らしい厳しいしっとりした音
楽だった。
そして犬丸さんのアンコールは被災地にエールを送りたいと「故郷」の全員合唱と
なった。今年は「故郷」が一種の流行だ。そして最後に、「暗~い~地球に~」と阪
田寛夫作詩、佐々木伸尚作曲「夜のうた」。--徐々に暗転、幕ととなった。
2階席から1階に降りたら、ロビーで「いざ起て戦人よ」、「最上川舟歌」、・・・・・・とエ
ンドレスの勢い。大いに盛り上がっていた。
それにしても二つの委嘱作品を暗譜で演奏するというチャレンジには大きな拍手
を送りたい。
左丸山薫、右三好達治
JR小田原駅の小田原提灯
いつも気になるお店「ういろう」 (まだ入ったことはない)
小田原城菊花展を開催中だった
小田原男声の事務局 井上楽器店
小田原城学橋
明治天皇行幸所の碑
歴史見聞館 昔は城内小学校の校舎だった
母は一時城内小学校に通っていた
小田原城銅門
城内から見た小田原市民会館
第1ステージ
第2ステージ
第3ステージ
第4ステージ
ロビーストーム
* * * *
<台湾旅行>
11月17日(木)~24日(木)のフレッシュアップ休暇を利用して、気の置けない、
学生時代の友人3人と台湾旅行に行ってきた。円高を利用した「還暦旅行」であ
る。詳しくはまたの機会に。
<昭和記念公園 イチョウ>
11月23日(水・祝) 勤労感謝の日。日本の長い伝統では「新嘗祭」の日である。
それとは関係ないが、ウォーキングを兼ねて、夫婦で昭和記念公園にイチョウを
見に出かけた。イチョウのトンネルはなるほど見事で、大変な人出。ゆっくりでは
あるが、紅葉を見ながら2時間ほど歩いた。
一眼レフのカメラと三脚を持った人(多くは60~70歳のオジ[イ]サン)が多かっ
た。見どころはプロ、アマのカメラマンが集まるのですぐ分かる。昭和記念公園
の「紅葉まつり」は27日(日)まで開催された。
イチョウのトンネル うんどう広場西側
池の周りにはカメラマンが並ぶ
園内の紅葉(モミジ) 真っ赤だな~♪
お時間のある方はスライドショーをご覧ください。
(西立川口~日本庭園~あけぼの口)
<西本幸雄さん>
11月25日(金) 西本幸雄元プロ野球監督が心不全で亡くなった。西本さんは
大学時代に父とクラスメイトだった。西本さんは野球、父はサッカーとおなじ「体
育会」の同志だった。
私は初めそんな関係を知らなかったが、西本さんの頑固で正直なところが好き
だった。昭和40年代後半、大の巨人ファンだった父が、クラス会でそうとはいわ
ずに「巨人は強い?」ときいたら、西本さんは「勝てるわけないよ」と答えたとい
う。
宝塚市にお住まいで、私たち4人家族が逆瀬川に住んでいた時によくお見かけ
し、お辞儀をしそうになったことがあった。
鉄拳制裁も辞さず、信念を持って選手を育てた西本さん。今ごろ天国で父と
「おうっ、久しぶりやな~」と言っているかもしれない。
<高嶋ちさ子 チャリティーコンサート>
11月26日(土) 青山学院ガウチャーメモリアリホールで開催された高嶋ちさ子
チャリティーコンサートを聴いた。青山卒の叔母に誘われたもので、高嶋さんは
青山の初等部、中等部の卒業生だ。
高嶋さんは現在デビュー15周年記念「高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト『女
神たちの饗宴』」で全国88か所(すごいですね~!)をツアーしている最中だそ
うだ。
最初に山北宣久院長の挨拶があった。いかにもChristian schoolの先生らし
い挨拶だった。
コンサートは、高嶋さんのトーク・進行によって、ピアノ(安宅薫さん)とのデュオ
あり、12人のアンサンブルあり、曲によっては振付あり。観客の参加コーナーも
ありと盛りだくさんの2時間15分(休憩を除く)。1曲を除いてすべて暗譜!だ。
メンバーの自己紹介があった。みな堂々と自己紹介している。「12人のヴァイ
オリスト」が発足して6年になるが、「初期メンバー」は3、4人のようだ。相当に
厳しい練習かな。実にトレーニングされていた。
個人的にはオープニングのパッヘルベル「カノン」(ヴァイオリン;高嶋ちさ子、ピ
アノ;安宅薫)に感動が押し寄せた。寺田虎彦は天才は忘れたころにやってくる
といったが、感動は突然やってくる、といえるだろう。
ピアノ伴奏の安宅さんがお上手だった。
ぜひ一度は「高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト」の生を聴かれることをおす
すめします。(一度でいいカナ?)
キャンパスのイチョウ 12:45撮影
12:51 自由席のため会場を待つ長い列
なかなか音響もいいホールだった
16:37 イルミネーション(漢字では電飾)
<大熊一郎先生墓参会>
11月27日(日)晴れ ゼミの恩師大熊一郎先生が亡くなられたのは昭和61
(1986)年12月1日である。(恥ずかしくて、あまり大きな声ではいえないが、正
確にはお墓に行って分かった。)本当に久しぶりに大熊先生の墓参会に参加した。
ゼミOBによる墓参会は毎年12月1日直前の日曜日に行われる。
今年の参加者は先生のお嬢さんを含めて43名。昨年より4名多いという。先生が
亡くなられて25年になるが、お墓参りの人が減るどころかむしろ増えていることに
お寺(大仙寺)も驚いているそうだ。これもまさしく先生の「徳」によるものだろう。
先輩方のお話に先生を思い出し、泣きそうになってしまった。例年参加されている
丸山徹先生は今年もご夫妻で参加された。わが同期では5人が参加。今回は比
較的参加者の多いS50年卒だった。
OB会代表はじめ幹事さん、お世話になり、有難うございました。(このブログはご
覧になってないカナ。)
志木市の大仙寺 曹洞宗のお寺だ
大仙寺本堂
お墓参り風景 数メートル先、正面が大熊家のお墓
懇親会場 「鯉清」
お酒好きだった先生に似て、みなさんお酒に強い(?)
懇親会費4000円 うな重まで出て食べきれないほどだった
(リーズナブル!)
<佐藤愛子>
佐藤愛子は母と同じ大正12(1923)年生まれ。関西出身で「ぶっちゃけ」(ざっく
ばらん、フランクリー)でおもしろい。
その最新刊『これでおしまい--我が老後』を読んだ。『オール讀物』に平成2
(1990)年から連載していた随筆「我が老後」は昨平成22(2011)年11月号で
「おしまい」となった。これは21年8月号から22年11月号までをまとめたものだ。
佐藤愛子を読んでいると思わず声を上げて笑ってしまう。
佐藤愛子『これでおしまい』(文藝春秋) 11月10日刊
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