3月27日(日)、これまた遅まきながら、第54回東響川崎定期につい
て、他の評を一切読まないようにして、書いてみよう。
川崎に13時20分に到着、丸善で少々ウロウロした後、13時40分
に会場前に到着。お客さんがあふれているのにビックリ!会場入り
口に、「退団記念大谷康子先生」という大きな花束が飾られていた。
お客さんが多いのは、キタエンコ、成田さん、大谷さん、プログラム
の相乗効果かしらん。本年度5回の川崎定期最終回だ。
ロシアのキタエンコは3年前の6月に東響を振ったのが印象的だっ
た。メインは「ラフ2」だったが、すばらしい演奏に熱狂したのを覚え
ている。(→こちら)
<プログラム>
1.チャイコフスキー 歌劇「エフゲニ・オネーギン」~ポロネーズ
2.チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35*
3.ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調 作品47
指揮;ドミトリー・キタエンコ(75)
ヴァイオリン;成田達輝(24)*
コンサートマスター;大谷康子
1.チャイコフスキー 歌劇「エフゲニ・オネーギン」~ポロネーズ(6分)
歌劇「エフゲニ・オネーギン」に登場する踊りの、いかにもチャイコフス
キーらしい音楽である。弦の配置は14型。--すなわち1stヴァイオ
リンから14、12、8、10、6という構成だ。演奏はメリハリがあり、すば
らしい。
プログラムには「ホルン4」と書かれていたが、本ステージでは5本で
はなかったかしらん。この日のオーボエには若手の荒木奏美さんが
入っている。
2.チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
以前書いたことと思うが、私がオーケストラの演奏会に通い始めた初
期、昭和52(1977)年3月4日(金)に東京厚生年金会館ホールで開
催された、岩城宏之/N響の特別演奏会があった。オールチャイコフ
スキープログラム--イタリア奇想曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲
第4番の3ステージで、ソリストは前橋汀子さん。チャイコフスキーの
ヴァイオリン協奏曲というと、いつも、この「39年前」の演奏会を思い
出す。
成田達輝さんは長身だ。弱冠24歳。2010年にロン=ティボー国際
コンクール第2位、2012年にエリザベート国際コンクール第2位およ
びイザイ賞を受賞している。今、最も注目の若手ヴァイオリニストの
一人である。服装は黒の上下(--上の前ボタンがないように見え
たが)。
このステージも弦は14型。成田さんは、勢い余って、わずかに飛び
跳ねる熱演。久しぶりにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を堪
能した。キタエンコは、アゴーギクに緩急自在のサポート。相澤さん
のフルートソロ、木管のアンサンブルもすばらしい。余談だが、第1
楽章で客席から深いいびきが聴こえた。
成田さんは大拍手に応えて、入退場を繰り返す。最後は、ヴァイオ
リンを持たずに現れ、コンマスの大谷さんに一言二言言って退場し
た。結局、お客様の期待するアンコールはなし。前日サントリーHの
公演ではアンコールを弾いたが、この日は、終わってから、ヴァイオ
リンの調子が悪くなった・・・・・・カナ。
3.ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 ニ短調 作品47(47分)
(1)Moderato-Alllegro non troppo
(2)Allegretto
(3)Largo
(4)Allegro non troppo
休憩後のメインステージ。オケも大人数に増え、弦は16型。
この曲には「曰く因縁」がある。1936年に発表した、歌劇『ムツェンス
ク群のマクベス夫人』が独裁者スターリンの逆鱗に触れ、粛清されか
かった(?)が、交響曲第5番で復活したというものだ。
(1)キタエンコは、3拍、4拍と予備拍を振って、開始した。何やら不吉
なことが起こらなければいいが・・・・・・という音楽。メロディーは(短
調だから)暗く、ネクラのショスタコーヴィチの真骨頂だ。フルートが
幻想的。開始後7分過ぎ、初めてピアノが登場。その後に、小太鼓
と木琴が出てくる(小太鼓、木琴はどちらも細身の女性)。
キタエンコはどちらかというと右手中心の堂々とした指揮。パフォー
マンスもなく、オケと一緒に音楽をしているかのようだ。後半でピアニ
ストがいなくなったと思いきや、チェレスタに移動している。
(2)低弦の開始。ヴァイオリンソロは無論大谷さんだ。管楽器--とく
に木管は好調。アンサンブルがすばらしい。勇壮なホルンもgood。
おもしろい楽章だが、お隣のご婦人(赤の他人)は眠っている。
(3)2ndヴァイオリンの開始~弦楽器主体の楽章で、p、ppのある種
の透明感のある響きだ。ppで、私の後ろからガターンという音がし
た。これもLiveの内だろうか。
ピアニストがピアノとチェレスタを静かに往復する。出番のない金管
楽器などは両手を前に組んで、静かにしている。まるでお通夜のよ
う。--「見て楽しむ管弦楽」かな?
オーボエ(荒木さん)、クラリネット(吉野さん)、フルート(相澤さん)
も大活躍。
(4)10分ばかりの激しい楽章。管楽器の強奏、ティンパニの強打とと
もに「大行進」が始まる。「これこれっ」というほど、ものすごいキレだ。
木琴の連打も登場。途中で弦のppとなるが、このあたり、fに向けト
ライアングルが待ち構えている(と、ここも「見て楽しむ」)。最後の最
後でクライマックスの「勝利」がやってくる。トライアングルやティンパ
ニも強打した。
キタエンコは、ブラボーと大拍手の中、まず大谷さんを立たせ、フルー
ト(相澤さん)、オーボエ(荒木さん)、クラリネット(吉野さん)、ファゴッ
ト(福士さん)などと順に立たせていった。
キタエンコは毎回いい演奏をする。
スターリンも満足?それにしても暗いですね~(笑)。
最後に、キタエンコはニコニコの大谷さんの手をひいて退場。大谷さ
んがスタンディングオベーションの中、再び現れ、一礼後手を振りな
がら退場し、お開きとなった。
大谷さん、「21年間」まことにお疲れ様でした!
プログラム
13:39 ミューザ川崎
13:41
13:42 今日はお客様がいっぱい!
13:43
13:43
13:49 座席より
14:58 喫茶コーナーも今日は混雑。
15:02
16:16 終演後、演奏者をチェックする人たち
16:17 終演後
17:21 帰路、あざみ野2丁目、この日の桜通り
開花はもう少し?
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