『革新幻想の戦後史』著者竹内洋は、文庫刊行時点のプロフィールに
よれば、昭和17年生まれ、京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研
究科博士課程単位取得満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授な
どを経て、現在、関西大学東京センター長、関西大学名誉教授、京都
大学名誉教授。
本書は、平成24(2012)年、第13回読売・吉野作造賞(→こちら)
を受賞した「論文」である。単なる批判の書ではない。
(参考)吉野作造賞→こちら。
単行本は、平成23(2011)年中央公論新社刊。文庫化にあたり上下
に分冊し、下巻には補論2を追加。
まさしく「戦後史」である。「進歩的文化人の戦後史」にするか、い
ささか迷ったかもしれないが、内容的にはそれより広い。
歴史は、数々の「事実」の積み重ねだが、さまざまな事実がスクラッ
プされている。
小林秀雄は、「歴史は上手に『思い出す』ことである」と言っている。
本書を読むと「当時」とか「あの時代」を思い出すと言えるのかもし
れない。
すべて歴史はおもしろい。
エッセイ的な物ではなく、あくまで論文である。
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