連休後半の2日目、5月4日(金)、断続的に強い雨が降る中、3年ぶりに六連(東
京六大学合唱連盟演奏会)にでかけた。
この日は「午後2時開演、東京文化会館」と思っていたが、出かける前にチケット
を確認したら、「午後4時30分開演、五反田のゆうぽうとホール」だった。危ない、
危ない。何事も確認につぐ確認が大切である。
わが指定席は2階の最前列(--2階は階段の高さが高くて怖い。)左隣にワグ
ネルOBの先輩方が並んでいた。
<プログラム>
エール交歓
1.法政アリオン 「手づくり諺(ことわざ)」四つのポップ・ソング
作詩;瀧口修三 作曲;武満徹 指揮;田中信昭
2.慶應ワグネル 「雪明りの路」
作詩;伊藤整 作曲;多田武彦 指揮;辻博之
3.早稲田グリー 「ワセグリ夜もヒッパレ~観たい!聴きたい!歌いたい!~」
編曲;藤巻洋 指揮;久島知希 ピアノ;中本文 ベース;森田悠介 ドラム;今井義頼
ダンストレーナー;平塚美和子
--休憩--
4.立教グリー 「わたしはカメレオン」
作詩;谷川俊太郎 三好達治他 作曲;木下牧子 指揮;高(高はハシゴの高)坂徹
5.東大コールアカデミー 「ビクトリア宗教曲集」
作曲;T.L. de Victoria 指揮;有村祐輔
6.明治グリー 「南島小景Ⅱ」--2012年委嘱作品--
作曲;瑞慶覧尚子 指揮;三好草平
合同ステージ 「Nコンアラカルト」
1.はじめに・・・・・・ 2.青春賦 3.なぎさの地球 4.YELL 5.聞こえる
指揮;清水敬一 ピアノ;前田勝則
(私的コメント 独断と偏見 お許しを)
エール交歓 ( )内の人数はプログラムメンバー
(1)法政アリオンコール(10人)
学指揮が進み出る(拍手)。指揮を始めると、合唱の中へ入り、一緒に歌っ
た。「e」が気になった。
(2)慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(39人)
なかなか力まずに歌っていた。
(3)早稲田大学グリークラブ(70人)
「空もとどろに」の恣意的なクレッシェンドはどうかしらん?いずれの大学であ
れ、エールはシンプルにオーソドックスがベストなり。
(4)立教グリークラブ(39人)
人数もまずまず、なかなか安定感があった。唯一、英語の歌詞。
(5)東京大学音楽部合唱団コールアカデミー(18人)
透明感ある発声を目指していると。歌詞(北原白秋)は漢語多く、一番難しい。
(6)明治大学グリークラブ(26人)
ちょっと一本調子的だったかな?
1.法政アリオン 「手づくり諺(ことわざ)」四つのポップ・ソング
合唱10人に引き続き、田中先生がマイク片手に登場--「えー、61回目です
ね。こんなにたくさん来ていただいて有難うございます。今年はこの人数。曲目を
選ぶのに苦労しましたが、ちょうどいい曲がありました。キングズ・シンガーズ
(六声)が歌ったもの。私は東京初演を聴いたことがあるんだけれど。プログラム
に田中信昭指揮とありますが・・・・・・プログラムに載せていただいたから出てきた
けれど、私は振りません(笑)。私も聴いてみたいんです」とすたすた客席へ降り
て行かれた。
ほとんどの人が初めて聴く曲だろう。歌詩は英語、不協和音も入る難しい曲。
アリオンらしいカナ?1曲目から4曲目まで続けて歌った。2曲目のソロはいい
声だった。10人でよく歌った。終わると再び田中先生が登場、左手を掲げ、学生
へ敬意を表した。
2.慶應ワグネル 「雪明りの路」
辻さんはワグネル「初登板」。現役との「お見合い」かしらん。辻さんは、函館ラ
サールから芸大声楽科を卒業、アシスタントとしてオペラ指揮と舞台制作を学ぶ、
とある。小樽のご出身らしい。170cm、70kgくらいかしらん。ワグネルは、最前
列をベタとして3段に並んだ。
「雪明りの路」は何回聴いても飽きない曲。大学1、2年目にはワグネル94回定
演(昭和44年)のLive LPを何回聴いたことだろう。その演奏、終曲では f の「一
しきり去った後を」からmpの「気づかれないように」にくると、きまって涙があふれ
てくるのだった。
今回の演奏は、正直いって、よかった。やや華麗な指揮ぶりだったが、出てくる
音楽はすなおに耳に入ってきた。緊張感はやや強かったかもしれないが、ソフト
な情感を大切にした、ロマンチックな演奏といえばいいカナ。辻さんの指示でしょ
う、明るめの母音を使って、大き目のデュナーミクとわずかなアゴーギク。アタッ
カでつないだアンサンブルもよかったのではないかしらん。終曲「のぞいてごらん
のぞいてごらん」の後の、フルトヴェングラー的全休符にグッと来た。(休符も音
楽です。)
この曲は、いろいろな演奏で何回も聴いているが、いずれとも違った、しかし特
に恣意的なところのない、いい演奏だった。予定調和的でなかったといってもい
いのだろうか。結果を見る(聴く?)限り、いい「お見合い」だったのでは。定演で
の再演はないのかしらん。
3.早稲田グリー 「ワセグリ夜もヒッパレ~観たい!聴きたい!歌いたい!~」
最近のテレビはエンタメ(エンターテインメント)系の番組が多く、いささかウン
ザリさせられる。お笑いタレントは出演料が安いせいもあるらしい。「N響アワー」
も終わってしまった。
それはともかく、ワセグルは「究極のエンターテインメント」を目指すとプログラ
ムにあったように、徹底したエンターテインメントを追及したステージだった。す
べて、何人かが前で踊るダンス付き。ドラムとベースの音が大きすぎて、合唱
の歌詞がほとんど聴こえなかったが、ダンスには客席からも盛大な拍手と歓声
が起こっていた。学生指揮者も、演奏が終わるや、してやったり、究極のドヤ顔
だった。
しかし、私は、今ではほとんどすたれてしまった、会社(--部内全員参加。
今でもあるのかな?)の一泊旅行で行われる宴会芸を思い出した。自分の息
子がオンステしていたとしたら、楽しんだのだろうか。なお、以前にも書いたが、
活字は小さくてもいいから曲名はプログラムに曲名を載せた方がいいのでは。
--休憩--
休憩時間に先輩方と談笑。ある方は「エンタメは(自分の)定期演奏会でやる
ならいくらやってもいいけれど、六連という場ではやらない方がいいね~」といっ
ておられた。それはまだ比較的穏やかなご意見だった。
明治グリーの外山浩爾先生が引退定演で「(これから)何をやってもいいと思
いますが、なにがしかのアカデミックな要素だけは残していただきたい」といっ
ておられたことを思い出した。この問題はあくまで六連(六大学)内の問題だが
・・・・・・。
4.立教グリー 「わたしはカメレオン」
立教OBにしてプロの高坂先生による木下(牧子)音楽。六連では木下牧子作
品を取り上げるのは初めてだという。この曲、歌ったことはないが、意外と感情移
入が難しい曲ではないかしらん。第一声、「わたしはカメレオン」のフレーズでな
かなかいい声を出した。第2曲「蝉」ではゆったりしたデュナミーク、ベース系の音
色がよくそろっていた。4.「きりん」の「涙が出るほどわかる。」では見事な rit.et
dim.を聴かせてくれた。
演奏終了後は、高坂先生が両手を広げ、全員できっちりそろっておじぎ。
5.東大コールアカデミー 「ビクトリア宗教曲集」
有村先生は芸大声楽科を卒業、英国留学で合唱・宗教音楽研究の道へ進まれ
た。16世紀後半の、ノン・ヴィブラート系の宗教曲--皆川達夫さんが専門であ
る音楽史の世界といっていいだろう。コールアカデミーは蝶ネクタイ、4人、10人、
4人と一列に並んだ。東大らしいアカデミックな宗教曲で、タリス・スコラーズのご
とくピッチをきっちりそろえなければならず、難しそう。少人数ながら頑張っていた。
歌詩はすべてラテン語かしらん。個人的には終曲の「おお、栄光に輝く王国」に感
動を覚えた。
6.明治グリー 「南島小景Ⅱ」--2012年委嘱作品--
明治OB、30代前半のお若い指揮者だった。「ドミファソシド」の沖縄五音階の
世界である。ひと言ではなかなかいえないが、合唱らしい合唱というのかしらん、
26人ながら、緩急おりまぜた演奏で、アンサンブルもなかなかよかった。
合同ステージ 「Nコンアラカルト」
1.はじめに・・・・・・ 2.青春賦 3.なぎさの地球 4.YELL 5.聞こえる
清水先生(--合唱界には、清水先生が少なくとも二人おられるが、敬一さん
の方。もう一人の雅彦先生は4年前の合同を指揮された。)は、平成17(2005)
年に亡くなられた関屋晋さんの後継者といっていいのかしらん?晋友会の活動
も継続されているようだ。
7時7分合唱団の入場--出てくるわ、出てくるわ。7時9分、清水先生と前田
先生が入場と思ったら、清水先生が途中で下手に引き返した。譜面台に楽譜が
置かれていなかった。
演奏は合同とあって、200人規模の大合唱--マスとしての男声合唱が楽し
めた。清水さんは、場所によって1拍目以外はほとんど振らない、バーンスタ
インばりの指揮ぶり、スケールの大きな合唱だった。(個人的には5曲目の「歌
を歌をください」にハッとした。最後は息の長いハミングのdim.だった。)
アンコールは今年の課題曲「もう一度」が歌われた。終演後、清水先生は90度
のおじぎをされ、お開きとなった。(午後7時40分終演)
<ご参考>過去の六連関連記事は以下のとおり
第58回
第57回
帰りは、池上線大崎広小路駅から旗の台経由で帰った。これは便利!自宅まで
1時間かからなかった。
JR五反田駅より 国道1号線 都内はすいている?
2012/5/4 15:42
ゆうぽうとホール
会場入口
2階席より
* * * *
5月3日(木) 雨の中、プライベートで自由ヶ丘のレストラン ラ・ビュット・ボア
ゼへ。
自由ヶ丘駅前
駅前では大友康平のライヴがあったようだ
レストラン ラ・ビュット・ボワゼ入口
ラ・ビュット・ボワゼ内
その後、渋谷ヒカリエへ行こうと
東横線渋谷駅 渋谷ヒカリエはこちらへ
渋谷ヒカリエ 4/26オープン
渋谷ヒカリエ こちらへお回りくださ~い 入場制限中
は~い こちらが最後尾ですよ~
結局 渋谷ヒカリエは断念!
2週間前までは葉っぱがなかったケヤキの新緑
「タンホイザー」のフィナーレを思い出す?
5月4日(金) NHK TV。「カーネーション」総集編を観る。涙を禁じえず。
その後の「心を鍛える音楽道場~指揮者広上淳一と弟子たち~」がおもしろか
った!東京音大指揮科卒 鈴木衞(まもる)、喜古恵理香さんの今後に注目、
である。
5月5日(土) ヴィシソワーズに挑戦した。
<材料> ジャガイモ 玉ねぎ 長ネギ セロリ バター 牛乳
生クリーム ブイヨン
出来上がり!
5月6日(日) 25℃以上の暑さ。わが社新館移転のため、日曜出勤。開梱作
業に集中す。
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ワグネルとの「おみあい」成功と伺って嬉しいです。今度6月に会ったら伝えておこうっと。
ご同窓でしたか。ご存知とは!--知りませんでした。辻さんは佐藤正浩先生のご紹介だとか。
いろいろなつながりがあるものですね~。
日本ローリングストーンズファンクラブの会長です
これは本業で名刺をもらったことがあります
(今でもやっているらしい)
函館ラ・サール(略称函ラ)ってすごいでしょ
慶應も玄人はだしの方が多くてスドイけれど、函館ラサールもスゴイですね?。スゴイ×2かな?