いささか旧聞に属するが、2月15日付産経新聞一面に「歴史戦第9部
兵士たちの証言」として、南京攻略戦に参加し、昭和12年12月13日
の南京陥落後に南京城に入場した当時獣医務曹長(現98歳)の証言
が出ていた。
見出しには
東京裁判「6週間で20万人虐殺」
入場した元曹長「あるはずない」
とあった。
本文には
「中国は『30万人虐殺』を喧伝するが、77年前、南京で将兵らが見た
実像は大きく異なる。歴史戦第9部では数少ない元兵士らの証言を紡い
でいく」とある。
話がややこしくなるが、作家の百田直樹氏も「南京大虐殺はなかった」
と発言している。
ちなみに東京裁判の起訴状では、殺害された一般人と捕虜の数は
「20万以上」となっていたが、判決では「10万人以上」となって
いる。
産経は、<30万人>の大虐殺などなかったということが言いたいら
しい。では、10万人はあったのか。3万人はなかったのか。1万人は
なかったのか。
なるほど中国側の言う「30万人」の南京大虐殺は、なかったに違い
ないが・・・・・・。
ここで問題になっているのは「南京事件」(中国側は「南京大虐殺」
と言っている。)である。
「南京事件」については、事実を多面的に検討、検証した秦郁彦
『南京事件』がまとまっている。(現在は増補版が出ている)。
「山川の日本史」(2008年発行)では、昭和12年の盧溝橋事件後、
「日本はつぎつぎに大軍を投入し、年末には国民政府の首都南京を
占領した(注)」
「(注)南京陥落の前後、日本軍は市内外で略奪・暴行を繰り返し
たうえ、多数の中国人一般住民(婦女子を含む)および捕虜を殺害
した(南京事件)。南京の状況は、外務省ルートを通じて、はやく
から陸軍中央部にも伝わっていた」
と記載されている。
現在の学会の成果かしらん。
産経新聞も、「何もなかった」というような、当時の兵士の証言を
採り上げるだけでなく、多面的な検証をすべきではないかしらん。
でないと、朝日新聞の「吉田証言」と(まったく同じとは言わない
が)似たようなことになりかねない。
もっとも78年前のことだから、当時20~35歳の兵士は、現在生存
していれば、98~113歳となっている。ほとんど亡くなったといえ
るだろう。
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記者会見にしても、受け取り方の多少の違いはあるにせよ、その一部ではなく、すべてに当たることが大切なのでしょうか。
南京事件にかかわる記述を拝見しました。特段、この
事件だけに限った話しではないのですが、現代に生き
る私たちにあっては、「歴史」については常に謙虚であ
ることが求められる、左様に強く感じたことでした。
一寸話しが飛んでしまいますが、先般の日本の皇太子の誕生日の談話は、新聞各紙によってそのまとめ方に差があったようですが、悪くなかったと感じました。
突然にお邪魔しまして失礼いたしました。