人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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ザルツブルク音楽祭旅行記(7) 「ラ・ボエーム」   ワグネルOB定演のお知らせ etc.

2012-09-24 05:00:00 | 音楽

[今週もまた木曜に臨時増刊をアップします。]
8月1日(水) 「ラ・ボエーム」のプレミアPremiere(プルミエール)。「初日」であ
る。「初日」は万人に「初日」なので、どのような演出か、みな興味津々である。
今年のザルツブルク音楽祭では「ラ・ボエーム」と「カルメン」が大人気で、そのチ
ケットはまことに入手困難だったようだ。


<キャスト>
ロドルフォ P.ベチャワ
ミミ A.ネトレプコ
マルチェッロ M.カヴァレッティ
ムゼッタ N.マチャイゼ
ショナール A.アルドゥイーニ
コッリーネ C.コロンバラ


指揮 D.ガッティ
演出 D.ミキエレット
演奏 ウィーン・フィル
ウィーン国立歌劇場合唱団

本公演については8月19日の深夜(8/20)NHKのBSプレミアムで録画放送さ
れたので、ご覧になった方もおありだろう。

「時代設定」と「読み替え演出」についていえば、時代は現代的だったが、おかし
な読み替えもなく、素直な演出はなかなかよかった。
原作では屋根裏部屋に住んでいるが、今回は出入り口が上にあって、そこから
下に降りてくるような設定だった。(地下室かしらん?)

今、ネトレプコが出演するオペラのチケットは即日完売だという。10年ほど前か
ら有名になり、人気に火が付いたようだ。同じツアーにザルツブルク音楽祭でネ
トレプコの「椿姫」を(生で)観た方がおられたが、声といい大胆な演技といい、
それはすばらしかったようだ。ネトレプコはロシア出身、1971年生まれだから今
年41歳になる。出産後、少し太ったようだ。今回、初めて生を聴いた印象は、な
るほどすばらしかった。声の響きが見事だ。やや重く、暗めの声--私にはマリ
ア・カラスを彷彿(ほうふつ)とさせた。

(参考)ザルツブルク音楽祭2005「椿姫」→こちら。(カーテンコールの大歓声!)

次に、P.ベチャワ。ベチャワPiotr Beczalaは、1966年生、今年46歳になるポ
ーランド人。チューリッヒ歌劇場のレギュラーからスタートし、メトロポリタンでも歌
っている。マントヴァ公爵、アルフレード・ジェルモン、オッターヴィオ、ロドルフォ
等々。ティーレマン/ウィーン・フィルのベートーヴェン全集「第九」ではソリスト4
人の一人である。
ベチャワは、ジョニー・ディップ風のスタイルで登場。アリア「冷たい手」では最高
音の f(フォルテ。音的にはcからbにおける) から実に見事な、「これこれっ」とい
いたくなるような、ブレスに支えられたdim. (減衰)を聴かせてくれた。リリック
ではある(--「ローエングリン」で聴いたK.F.フォークトより重くない。)が、さす
が会場の奥まで伸びる声である。

カラヤン盤のパヴァロッティにはdim.がなく、張りっぱなしである。
ベチャワは、ここに限らず、いい歌を聴かせてくれた。
ことわざに曰く「歌はdim.にあり」。

 *なお、報道等によれば、8月4日の2回目公演前にベチャワに声のトラブル
  が発生、本番は舞台の袖でカウフマンが譜面を見ながら歌い、ベチャワは
  演技だけという非常事態となったようだ。ビ(ヴィ)リャソンといいベチャワと
  いい、ネトレプコと共演すると声のトラブルに??

そしてN.マチャイゼのムゼッタ(「私が街をあるけば」)も勝るとも劣らずひきつ
けられ、大変な拍手だった。(マチャイゼ、うまいぜ!)マチャイゼは1983年生、
グルジア出身のコロラトゥーラである。まだ今年29歳だが、これからの活躍が
楽しみだ。



ガッティとウィーン・フィル;「初日」の盛り上がりに、いやでも演奏に熱が入る。

ガッティは、ステージに目をやり、ほとんど譜面(台)を見ないかのような指揮ぶ
り。ガッティ/ウィーン・フィルのエスプレッシーボがすばらしい。生の響きに感動。

歌手、合唱団とオーケストラからなる音楽を見事にコントロールしていた。録音
には、すべては--とくに ppp と音の伸びなどは入りきらないだろう。ミミも亡
くなり、後奏の最後の和音、フィーネにしびれた。


ザルツブルク音楽祭のHP(ステージ写真)もご参照→こちら


以下、当日の写真と説明


18:27 ホテルロビー 日本人のツアーバスが着いたようだ。ロビーは日本語
でにぎわっている。

自室階からエレベーターでロビーに降りる際、見知らぬ同乗者(東洋系のご婦
人)から英語で「ゼロ(0)フロント?」と訊かれた。(このホテルではロビーが「0
階」になっている。)「イエス」と答えたものの、日本人かしらんと後ろから日本
語で「日本人の方ですか?」とお声掛けしたら、(日本語で)「あら、よかった~」。

18:30同じツアーの皆さんが三々五々集まりだした。皆さん、プレミアとあって
最高にドレスアップしている。
ある女性は、「日本では絶対に着られない」ドレスを着ておられた。
私もこの日ばかりは蝶ネクタイ。(添乗員さんが目を丸くしていた(笑)。)

18:45大型ハイヤー2台に分乗し、祝祭大劇場へ出発。シュターツ橋を渡り、
右折しグリースガッセ(通り)から左回り(反時計回り)で会場へ。会場に近づく
にしたがって車の大渋滞が始まった。この日は交通整理がたくさん出ている。
会場前のホフシュタールガッセには入れず、馬洗い池で右折したところに停車。
あわただしく降りる。会場前はなるほどプレミア、大変な熱気だった。



19:07 馬洗い池を右折した祝祭劇場北西側



19:10



手前に「こちらですよ~」と添乗員さんの手が見える。 19:10



写真右下は先頭に立つ添乗員さん













開演15分前 祝祭大劇場入口付近は 入場者と見物人、カメラマンで大混雑

正装した入場者はカメラマンにポーズをとる。カメラマンは「ブンダバー、ブンダ
バー」と叫んでいる。



19:15 同じく入口付近 VIPが続々到着








19:20 会場ロビー









19:22 祝祭大劇場2階より



19:24 自分の座席(2階)より ウィーン・フィルが開演前の練習中。

左隣の、同じツアーの女性がオペラグラスをのぞきながら、コンマスはライナー・
ホーネックさんですね。アントン・シュトラーカー、エッグハルト・ザイフェルト、フー
ベト・クロイザマーさんが入っています、と教えてくれた。



自席は、見やすい、大変いい席だった。(2階2列目)
Rang Mitte Links
Reihe 2  Sits 15


19:31 開演間近の2階席


字幕は左上にドイツ語、右上に英語が表示される。

会場が暗転、ガッティは登場後一礼するやただちに、オケが座るか座らないか
のうちに演奏に入った。




20:40 休憩中 TVのインタビューアーが有名人(?)をつかまえてインタビュー
していた。






20:50 ジェスチャーでこれちょうだい 「ビッテ」と  3.70ユーロ


















まもなく後半開始 オーストリアの民族衣装を着ている女性もいる。


(演奏中は撮影できません。オペラに熱中。)





22:08 終演後のカーテンコール 中央にネトレプコ(Sop)、ベチャワ(Ten)、
マチャイゼ(Sop)  興奮状態でブラボーを叫び、手も痛くなった。












22:12





当日のプログラム



終演後



22:26 終演後、レストラン アルト・ザルツブルクへ

JTBさんが手配してくれた特別ディナーに会話が盛り上がる。
オペラ鑑賞後、あの演出はどういう意味だろうとワイワイ言うのも楽しい(--
橘曙覧ではないが。)ものである。

私が「慶應で男声合唱を少し・・・・・・」といったら、お隣のご婦人が「ワグネルで
すか?」と。この方はワグネル女声合唱団OG(H15年卒?)のお母様だった。
世の中狭い、ですね~。





本場の塩パン 日本では食べられない!?














時間は8/2 0:21

ホテルへの帰り(戻り)は2日の1時。就寝は1時30分だった。


        *        *        *        *


<お知らせ>
慶應義塾ワグネル・ソサィエティーOB合唱団定期演奏会2012
11月11日(日) 14:00開演 練馬文化センターホール
(西武池袋線・都営大江戸線 練馬駅前)


1.「東北六県・心の民謡」(指揮;蒲池隆、澤口雅昭)
2.「七つのスペイン民謡」
  (指揮;須田和宏、ピアノ;永澤友衣、パーカッション;井上詩織)
3.「六つの子守唄」(OG合唱団 賛助出演)(指揮;樋本英一、ピアノ;中村友美)
4.男声合唱組曲「沙羅」~木下保先生 没後30年を偲んで~
  (指揮;須田和宏、ピアノ;前田勝則)

(お問い合わせ)
電話;047-478-7628(桑田)
または
E-MAIL;tamura-yuuji@nifty.com  (ワグネル友の会事務局 田村)


後藤友香理レクチャーコンサート Vol.2
9月30日(日)14時開演 ムジク・ビアフォーヌ(駒場東大前駅徒歩5分)

リスト 愛の夢~3つのノクターン~
ベートーヴェン ピアノソナタ第14番 「月光」
シューマン 森の情景

http://yukarigoto.web.fc2.com/


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