人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

平光清『審判失格』(ニッポン放送出版)

2009-05-23 05:20:33 | 読書
プロ野球の審判は過酷な職業である。平光(ひらこう)清は昭和40(1965)年から
平成4(1992)まで27年間プロ野球の審判員だった。平光さんは、後から知った
が、昭和13(1938)年生まれ、普通部から大学まで慶應である。

野球の審判員が下すのは「ジャッジ」である。あくまでその審判員の「判断」であ
る。それをとやかく言うのは、本来おかしい。往年の名審判円城寺さんなどは、気
の毒に選手に暴力を振るわれ、引退してしまった。平光さんも「瞬間湯沸かし器」
だったようで、選手から文句を言われると「このやろ~」となったらしい。私など
も、意外と熱くなるタイプなので、審判員になったらこちらが退場されてしまうだ
ろう。


以下に目次から抜粋しよう。目次だけでもおもしろさが分かっていただけそうであ
る。それにしても、事実は小説よりおもしろい。
・野球で必要なことは、すべて名監督から教わった
・監督たちの思い出を語る
・ジャッジを下すための実践的知恵
・「ミスジャッジ」--私はここにすべてを懺悔する


最後に、「あとがき」から。これが、またおもしろい。
  「煮ても焼いても好きにしてくれぃ!」という気持ちで書いたのが本書です。
 私の数々の失敗談や体験談を読んだ皆さんが、懐かしい当時のことを思い出した
 り、球界の方々がルールの判例集として使ってくれたらと思います。なお私のジ
 ャッジに不愉快な思いをした関係者にはここで改めてお詫び申し上げます。
  最後に出版を薦めてくださったニッポン放送の宮本幸一編成局長にお礼申し上
 げます。「平光さん、本を書いてほしいんだ、君の体験談を」と言われた時の驚
 きは大変なものでした。また恥を忍んで見せたスクラップブックを、「面白い!
 ぜひ本にして下さい」とおっしゃられた扶桑社の平田編集長。そのひとことが私
 に筆をとらせました。


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