学生時代、大熊ゼミでミルトン・フリードマンの「CAPITALISM AND FREEDOM」を輪
読した。無論原書(英書)であるが、英語自体はさほど難しくなかった。
冒頭(序章)の一説はいまだに忘れられない。熊谷尚夫・西山千明・白井孝昌共訳
でご紹介しよう。
ケネディ大統領はよく引用される就任演説の一説で言った。「あなた方のため
に国は何をしてくれるのかを問わないで、国のためにあなた方は何をなしうるか
を問うてほしい」と。(【注】この一説は、いまのオバマ大統領と同様よく引用
されるケネディの言葉だった。)
・・・(略)・・・この言明の前半も後半も、自由社会における自由人の理想の名に値
するような国民とその政府との関係を表現していない。「あなた方のために国は
何をしてくれるのか」という温情主義的な句は、政府が保護者で国民は被後見人
であることを意味し、自分の運命には自分自身が責任をとるという自由人の信念
と相容れない見解である。
「国のためにあなた方は何をなしうるか」という有機体説的な句は、政府が主人
もしくは神であり、国民はしもべもしくは奉仕者であることを意味する。自由人
にとって国とはそれを構成する個人の集まりであって、個人以上の何ものかでは
ない。
あくまで私見であるが、日本人にとっては「自由」という言葉・概念ほど難しいも
のはないだろう。
福澤諭吉は言う。
自由と我儘(わがまま)との界(さかい)は、他人の妨げをなすとなさざると
の間にあり。(『学問のすすめ』第一編)
本書は昭和50(1975)年11月20日の初版であるが、同年12月17日に購入している。
その前年、入社試験に本書の一節が英文和訳として出題されたのだが、私がその英
語に関してほぼ満点をとったことはいうまでもない。
なお、『資本主義と自由』は、現在日経BPクラシックスとして村井章子訳で出版さ
れている。(2520円)
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