人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

城山三郎『落日燃ゆ』

2008-07-01 21:06:35 | 読書
6月29日(日)、テレビで「城山三郎」をやっていた。城山三郎は昨年3月に79歳で
亡くなった小説家である。番組は城山三郎ゆかりの人々に対するインタヴューで構
成されていた。

30数年前、出版社(おそらく新潮社であろう。)の編集者の話では、城山に「今度
の本のタイトルは『落日燃ゆ』でどうですか」ときいたところ、城山はしばし沈黙
し「ぼくには(そのタイトルの)意味が分からない」と答えたという。編集者は黙
ってしまった。それから2、3日たって、城山から「あの件だけれど、家内にきいた
ら『落日燃ゆ』でいいって。今までで一番いいんじゃない?といわれたよ」という
電話があった。主婦の感覚はまことに恐ろしい。そして、100万部を超えるベスト
セラーが誕生したのである。

私が単行本の『落日燃ゆ』(現在、新潮文庫)を読んだのは学生時代のことであ
る。主人公の広田弘毅は戦後A級戦犯として絞首刑になった人物である。その時は
自分も主人公広田弘毅のように生きたいと思ったものだが、それから30年以上た
ち、現実にはとてもその域には近づくことができない。(毎日、馬鹿なおじんギャ
グを言っている自分に幻滅。)
戦争を知らない人(私も体験していないが。)、とくに若い人に読んでもらいたい
本である。

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