昨年読んだ山口敬之『総理』は大変おもしろかった。
同じ著書の『暗闘』が1月下旬に発売され、購入(1/29)。案の定、読
みだしたら止まらない。あっという間に読了した。
本書には、所々に、新聞やテレビに出てこない情報が書かれている。
文章も読みやすい。
<目次>
第1章 安倍・トランプ会談の衝撃
第2章 トランプ陣営の正体
第3章 安倍・トランプ時代の日米関係
第4章 官邸と外務省の暗闘
第5章 日露交渉
最終章 安倍外交が目指すもの
立ち読み風に、おもしろい個所をピックアップしてみると、
第1章 安倍・トランプ会談の衝撃
・「世界初会談」の顛末
・安倍に白羽の矢を立てた
「会談の中で、主要国首脳の人となりや国際舞台での立ち居振る
舞いについて、安倍に繰り返し質問したという」。
第2章 トランプ陣営の正体
・トランプ陣営へのアプローチ
「日本側でトランプ陣営のキーマンに接触したのは、佐々江賢一郎
駐米大使である」。
木村太郎氏は、「選挙中、クリントンが勝つと思っていて、安倍首相
がクリントンにしか会わなかったのは外務省、駐米大使の責任だ」
というような趣旨のことをトランプ当選直後にBSフジで語っていたが、
どうもそう単純なことではないようだ。
第3章 安倍・トランプ時代の日米関係
・トランプ政権のアジア政策とは
「オバマ政権のアジア太平洋重視政策が軍事的な現状把握を誤」
って、「言葉ばかりで実行を伴わなかった」が、「トランプ政権はその
真逆を行く」。
まだトランプ政権の将来を予見するのは難しいが、対中国に対して
はかなり強く出るのカモシレナイ。国際法違反である(--ハーグ
常設仲裁裁判所判決)、中国の南沙諸島埋め立てに対して、どう
出るか?
第4章 官邸と外務省の暗闘
・外務省不信の根源にある拉致問題
・「騙し討ち」だった平壌宣言
「当時の外務省主流派の一人、田中均元外務審議官には、安倍は
何度も煮え湯を飲まされてきた」田中氏は米国にははっきり言うべ
きだ、と「時事放談」などでいつも言っているのだが、共産国に対し
ては事勿れの傾向がはたしてあるのかないのか。
・中国や韓国におもねって国益を毀損
日本人の美徳は相手の立場に立って考えることだが、外国、例え
ば、中国や北朝鮮の政府は必ずしもそうではないことを肝に銘じて
おいた方がいい・・・・・・かもしれない。
第5章 日露交渉
昨年12月の日露首脳会談の駆け引きがかなり詳しく記述されてい
る。
最終章 安倍外交が目指すもの
・「日米和解」に反発した中国
私には、安倍首相が、外務省任せではない(官僚不信?)、国際的な
「根回し」をかなりやっている印象があるが、はたして当たっているだ
ろうか。とくに、日米間は緊密に連携しているのでは?(--以上、ま
ったくの私見だが)。
私がどうこう言ったところで、私はオピニオンリーダーだった小泉信三
さんであるはずもなく、世界情勢にも影響が出るわけではないが、今
年はしばらく世界情勢、トランプ政権の出方を、「一庶民」としてウォッ
チしておく必要があるのかもしれない。
山口敬之『暗闘』(幻冬舎)
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週刊誌も見出しを見れば、中身は大体分かりますね(笑)。