勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

リスボンに誘われて / Night Train to Lisbon

2014年09月23日 | 洋画(その他)
ふとしたきっかけで手に入れた古書。内容に魅了されたライムントは、その著者の事を知るために、古書の舞台となっているリスボンに衝動的に旅立ってしまう。リスボンで、著者のことを知るにつれ、ライムントは自分探しをしていることに気がつく。

サラザール独裁政権下の出来事と、現在を上手く絡ませて描いている。頻繁に、過去と現代を行き来しているが、ストーリー・映像に違和感はなく、スムーズに物語に入り込むことが出来る。

いやぁ、それにしても、いい年をした大人が、衝動的にスイスからリスボンまで行ってしまいますかね?「それを言っちゃぁオシマイよ」とも言えますが。でも、ライムントが手に入れた本は、そんな衝動を巻き起こすほど、情熱的で心を震わせるような内容だったんでしょうね。

上記にも記しましたが、ある意味、ライムントの自分探しの旅になっています。そして、ライムントが、当時のアマデウの仲間から話を聞いていく度に、ライムントは自分自身のことが判っていき、最後は・・・。いや、最後はそれ以上書かないことにします(笑)。

ところで、映画の原題は『Night Train to Lisbon』で、原作と同じタイトル。何で、わざわざ邦題をそれと違うようにしたんですかね?

ライムントが、冷静に聞き込み(?)を進めていくのですが、その下には、情熱的なライムントが隠れているような気がしました。中々、良い映画だと思います。

タイトル リスボンに誘われて / 原題 Night Train to Lisbon
日本公開年 2014年
製作年 2013年
製作国 ドイツ・スイス・ポルトガル
監督 ビレ・アウグスト
原作 パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』
出演 ジェレミー・アイアンズ(ライムント・グレゴリウス)、メラニー・ロラン(エステファニア)、ジャック・ヒューストン(アマデウ・デ・プラド/本の著者)、マルティナ・ゲデック(マリアナ/女医)、トム・コートネイ(年老いたジョアン)、マルコ・ダルメイダ(ジョアン)、アウグスト・ディール(ジョルジェ)、ブルーノ・ガンツ(年老いたジョルジェ)、レナ・オリン(年老いたエステファニア)、クリストファー・リー(バルトロメウ神父)、フィリッピ・ヴァルガス(若きバルトロメウ神父)、シャーロット・ランプリング(アドリアーナ/アマデウの妹)、ベアトリス・バタルダ(若きアドリアーナ)、アドリアーヌ・ルース(メンデス/アマデウに救われたPIDE指揮官)、サラ・ビュールマン(カタリナ・メンデス/ライムントに救われる女性、メンデスの孫)

[2014/09/23]鑑賞・投稿

ケープタウン / Zulu

2014年09月01日 | 洋画(その他)
フランス推理小説大賞を受賞した『ZULU』が原作の渋いサスペンス映画です。舞台が南アフリカと言う事で、かつてのアパルトヘイトの残滓が見え隠れします。明るい内容ではないですねぇ。最後も、スッキリとはしませんでしたしね。

オーランド・ブルームが、ヤサグレたブライアン・エプキン刑事を演じています。イメケンは、どんな役を演じても様になりますねぇ。

他方、アパルトヘイトの嫌な記憶を心の奥底に閉じ込め、民族融和の精神で仕事に打ち込むエプキン刑事の上司、アリ・ソケーラ警部をフォレスト・ウィテカーが演じています。エプキンには女性の影が付きまとうのに対し、ソケーラにはその欠片も見えません。いや、女性を目の当たりにして不思議な行動を示すのですが、その原因は、映画の中で確かめてください。

それにしても、結末は『そう来ますか』と言うか、『そういう結末も有るよね』と言う結末。この手のサスペンスは、ハッピーエンドじゃないよね。渋いサスペンス映画にふさわしい、結末だと思いました。

いい作品です。

タイトル ケープタウン / 原題 Zulu
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/フランス・南アフリカ
監督 ジェローム・サル
原作 キャリル・フェリー
出演 オーランド・ブルーム(ブライアン・エプキン)、フォレスト・ウィテカー(アリ・ソケーラ)、コンラッド・ケンプ(ダン・フレッチャー)、ジョエル・カエンベ(ジーナ)

[2014/09/01]鑑賞・投稿

NO / NO

2014年08月31日 | 洋画(その他)
実話に基づく作品。

1988年、南米チリのアウグスト・ピノチェト将軍の大統領任期の8年延長の賛否を問う国民投票をめぐり、反対派が広告の手法を用いて賛成派に対決していった物語。

1988年なので、ちょうどベルリンの壁崩壊の頃。ベルリンの壁崩壊はすごくニュースになりましたが、チリの国民投票が行われたということは残念ですが記憶にありません。チリの事は、そのくらい日本には馴染みがないんですねぇ。でも、時期的に同じということで、2010年から2012年に起こったアラブの春もそうですが、こう言う民主化活動というものは、全世界当時多発的に起こるんですね。

この作品自体は、2012年の作品なんですが、1988年当時の雰囲気を出すためか、ビンテージカメラを用いて撮影されたそうで、最近のデジタル映像とは違う、柔らかい(別の言い方をすれば、少し輪郭がぼやけた)映像になっています。

内容は、思ったのとはちょっと違いました。もっと、広告で反対運動が盛り上がって行くことが描かれていくのかと思っていたんですが。確かに、広告手法で運動を進めていく描写はありましたが、むしろまじめに運動を追求している感じ。お祭り騒ぎを描くのかと思っていたんですがね。だからか、若干、リズムが単調。レネが運動に参加して、進めていくまでは冗長。賛成派の巻き返しが始まっても、デモ弾圧の場面はありましたが映像は抑制的。もっと、賛成派・反対派入り乱れての広告合戦を期待していました。もっとも、あんまり事実とかけ離れてもアレですけどね。

想像とは違ったとは言え、中々、興味深い内容の映画でした。これは、アラブの春巻き起こった2012年に作成されたことは、偶然の一致じゃないですよね?

タイトル NO / 原題 NO
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2012年/チリ・アメリカ・メキシコ
監督 パブロ・ラライン
出演 ガエル・ガルシア・ベルナル(レネ・サアベドラ)、アルフレド・カストロ(ルチョ・グスマン/レネの上司)、ルイス・ニェッコ(ホセ・トマ・ウルティア/野党指導者)、アントニア・セヘルス(ベロニカ/レネの妻)、マルシアル・タグレ(アルベルト/野党運動家)、ネストル・カンティリャナ(フェルナンド/野党運動家)、ハイメ・バデル(フェルナンデス/大臣)

[2014/08/31]鑑賞・投稿

複製された男 / Enemy

2014年07月20日 | 洋画(その他)
ジェイク・ギレンホールが、自分に瓜二つの人間に出会ったことから運命が変わってしまう男の姿を描く。

ッて言うかねぇ、何だかなぁ。

途中まで、サスペンスばりばりで、いい感じだったんですが、ラストショットがあれですかorz。

もっとちゃんと、結末は付けられなかったんですかねぇ。

ノーベル賞受賞者の作品を原作にすると、こんな感じに、難解(あるいは、意味不明)なんでしょうか?

映像そのものは、すこしセピア風のすごく雰囲気のある映像。それが一層サスペンス色を増すんですが・・・。

タイトル 複製された男 / 原題 Enemy
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/カナダ・スペイン
監督 ドゥニ・ビルヌーブ
原作 ジョゼ・サラマーゴ
出演 ジェイク・ギレンホール(アダム/アンソニー)、メラニー・ロラン(メアリー)、サラ・ガドン(ヘレン)、イザベラ・ロッセリーニ(キャロライン)、ジョシュア・ピース(学校の先生)、ティム・ポスト(アンソニーの管理人)、ケダー・ブラウン(警備員)、ダリル・ディン(ビデオ屋の店員)、ミシャ・ハイステッド(暗室の女性)、メーガン・マン(暗室の女性)、アレクシス・ウイガ(暗室の女性)

[2014/07/20]鑑賞・投稿

アイム・ソー・エキサイテッド! / Los amantes pasajeros

2014年01月25日 | 洋画(その他)
緊急事態が発生した航空機内のシチュエーションコメディ。

いやぁ、コメディなのはコメディなんだけど、日本人にはキッツいブラックユーモアと、R15+と言う内容。もっとハジけた笑いを期待していたんだけど、中々、そういう訳には行かない様です。

物語の進行も、いい加減というか、大雑把というか。若干ネタバレになってしまうのですが、この物語の舞台はビジネスクラスなんですが、エコノミークラスは?と言うと、何故かいつの間にか『クスリを盛られて』寝てしまっている。その間に、この航空機に緊急事態が発生したと言う事なんですが、劇中描かれて居なかった気が?そんな細かいことは言わずに、物語はドンドン進んでいくんですが(苦笑)。

こう言うシチュエーションコメディにありがちな事として、登場人物それぞれの秘密が、暴かれて行きます。って言うか、自ら語る形の人もいますが。その中身的には、ちょっとシリアスなものも無いことはないです。

好き嫌い分かれます。

タイトル アイム・ソー・エキサイテッド! / 原題 Los amantes pasajeros
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/スペイン
監督 ペドロ・アルモドバル
出演 アントニオ・デ・ラ・トーレ(アレックス/機長)、ウーゴ・シルバ(ベニート/副機長)、ハビエル・カマラ(ホセラ/チーフCA)、カルロス・アレセス(ファハス/CA)、ラウル・アレバロ(ウジョア/CA)、ミゲル・アンヘル・シルベストル(新郎)、ラヤ・マルティ(新婦)、セシリア・ロス(ノルマ/SM女王)、ホセ・マリア・ヤズピック(インファンテ/警備アドバイザー)、ギジェルモ・トレド(リカルド/俳優)、ブランカ・スアレス(ルティ/リカルドの元カノ)、パス・べガ(アルバ/リカルドと別れたばかりの女)、ホセ・ルイス・トリホ(マス/銀行家)、ロラ・ドゥエニャス(ブルーノ/未来が見える女)、アントニオ・バンデラス(レオン)、ペネロペ・クルス(ジェシー)

[2014/01/25]鑑賞・投稿

コン・ティキ / Kon-Tiki

2013年06月29日 | 洋画(その他)
実話に基づいています。1500年前と同じ筏で太平洋を東から西へ横断した事で知られるヘイエルダールの物語の映画化。

不勉強だったんですが、ヘイエルダールって、現代の人だし、コン・ティキ号の冒険も現代の事だったんですね。当然第二次大戦前の話かと思っていたんですが、実際は、第二次大戦後の話。しかも、ヘイエルダール自身は2002年まで生きていたんですねぇ。いやぁ、不勉強不勉強。思い込みって、良くないです。

冒険が成功したと知っている今でも、その冒険譚から思いつく言葉は『無謀』何ですが、そんな結末を知る由もない当時の人々が『無謀』と思うのは当然で、出版社や学術団体に資金援助を申し込んでも、当然のごとく拒否されています。そんな中、援助に応じたのはベルー政府。嘗て、コロンブスを援助したのがスペインだったみたいですね。

それと、結末が何とも劇的。ポリネシアの島の調査の時、文字通り生死を共にしたと言うべきリブとの別れ。いやぁ、劇的。

ただ、物語のほとんどが、ガラパゴス付近までの事になっていて、ガラパゴスを超え南赤道海流に乗ってからは、いきなりゴールのラロイア環礁でした。と言うことは、南赤道海流に乗ってしまったら、ああとは順調だった? 確かに南赤道海流に乗るまでが、結構大変だったわけですがね。もっと物語があるかと思ったので、ちょっと呆気なかったです。

タイトル コン・ティキ / 原題 Kon-Tiki
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2012年/イギリス・ノルウェー・デンマーク・ドイツ
監督 ヨアヒム・ローニング、エスペン・サンドベリ
出演 ポール・スヴェーレ・ヴァルハイム・ハーゲン(トール・ヘイエルダール)、アンダース・バースモー・クリスチャンセン(ヘルマン・ワツィンゲル)、ヤコブ・オフテブロ(トルステイン・ロービー)、トビアス・サンテルマン(クヌート・ハウグランド)、オッド・マグナス・ウィリアムソン(エリック・ヘッセルベルグ)、グスタフ・スカルスガルド(ベングト・ダニエルソン)、アグネス・キッテルセン(リブ・ヘイエルダール)

[2013/06/29]鑑賞・投稿

アイアン・スカイ / Iron Sky

2012年09月30日 | 洋画(その他)
制作のための予算確保に苦労していた所、ファンからの寄付が1億円も集まったと言う曰くつきの作品。

ナチの残党が、第二次大戦終了時に南米に逃げたという設定の映画に『ブラジルから来た少年』と言う作品がありますが、これは南米どころか、月の裏側までナチの残党は逃げてしまっています。そこで、独自に科学開発が行われているんですが、やっぱり、スティーブ・ジョブズの居ない月面では、iPhoneやiPadは実現していないんですね(笑)。でも、作中、月面ナチたちがスマホを指しながら、自分たちの作ったコンピュータよりも遥かに高性能だというのは、ある意味本当の話。アポロの頃のコンピュータよりも今のケータイ・スマホの方が遥かに計算能力が高いですからね。

ナチの残党という事だけでも充分パロディですが、アメリカ合衆国の大統領がサラ・ペイリンを思わせる容姿と言動で有ることも、パロディと言う作品設定に深みを(?)もたせています。いやぁ、そこは本当に映画(しかもB級映画)の中だけにして欲しいです。時代設定が、2018年と意外に近いのが怖いです。

その他、国連もパロディにされています。ただ、その際フィンランドだけ、宇宙条約を順守している設定だったんですが、製作国だからだったんですね。自国を悪くは言わないか。あと、宇宙空間での戦闘で、日本船が特攻攻撃するのはお約束なんでしょうかね?某国の事に触れるのは止めておきます。でも、諸国からはそう思われているのかもしれませんね。

製作国にドイツが入っているんですが、良く許可されたと思いました。ドイツにおいて、ナチは一律忌避では無いと言うことなんでしょうね。内容がナチ礼賛ではないので、大丈夫だったという事なんでしょうね。

設定は荒唐無稽で、ある意味、いや、そのままストレートにB級映画ではあるものの、見てみると、1億円を集めたと言うこともわかります。なんか、バカバカしい話が好きそうな人たちを惹きつける魅力を感じました。後編あるいは前日譚の作成も決定しているらしいです。

タイトル アイアン・スカイ / 原題 Iron Sky
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/フィンランド・ドイツ・オーストラリア
監督 ティモ・ヴオレンソラ
出演 ユリア・ディーツェ(レナーテ・リヒター)、ゲッツ・オットー(クラウス・アドラー)、ウド・キア(ウォルフガング・コーツフライシュ/総統)、ティロ・プリュックナー(リヒター博士)、ペーター・サージェント(ヴィヴィアン・ワグナー)、ステファニー・ポール(アメリカ合衆国大統領)

[2012/09/30]鑑賞・投稿

ローマ法王の休日 / Habemus Papam

2012年07月22日 | 洋画(その他)
ローマ法王死去を受けて行われたコンクラーベで新しいローマ法王が選出された。しかし新法王は、就任の演説をすっぽかして、ローマの街へ逃げてしまう・・・。

原題の『Habemus Papam』とはラテン語のようで、「法王が決まった」見たいな意味らしいです。で、邦題の『ローマ法王の休日』は、大方の他人が想像するように「ローマの休日」からインスパイアされたタイトルのようです。確かに、ローマ法王の職務遂行に纏わる話なので、言い得て妙とも思いますが・・・。

冒頭のコンクラーベで、みんな「私が当選しないように」と祈っているんですが、これってそうなんですかね?法王になりたい人って、いないのかな?これは、聖職者の謙虚さを表現しているんでしょうか?

それとラストがね。「えっ!そういう終わり?」と思ったのは私だけではないはず。ああ言う終わりでいいんですかね? そこから始まる物語も有るのではないかと思いますが・・・。

プロモーションや、タイトルから受けるコミカルで楽しい内容というより、意外に真面目な内容なのではないでしょうか? 確かに所々コミカルですが、映画のトーンや結末を見る限り、必ずしもコミカル路線を狙った作品ではないと思いました。なんか、中途半端かな。

タイトル ローマ法王の休日 / 原題 Habemus Papam(WE HAVE A POPE)
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2011年/イタリア・フランス
監督 ナンニ・モレッティ
出演 ミシェル・ピッコリ(ローマ法王・メルヴィル)、イエルジー・スチュエル(ヴァチカン報道官)、レナート・スカルパ(グレゴリー枢機卿)マルゲリータ・ブイ(精神科医)

[2012/07/22]鑑賞・投稿

ミケランジェロの暗号 / Mein bester Feind

2011年09月12日 | 洋画(その他)
第2次大戦時のウィーンで、ユダヤ人画商一家が持つミケランジェロの絵画をめぐる、ナチスとユダヤ人画商の戦いを描いた作品。

オーストリアで制作されたドイツ語の映画です。久しぶりにドイツ語を聞きましたが、英語と(ほぼ)同じ言葉は別として、それ以外は全く判りませんでした。当然ですが。

正直、見ていくうちにオチは予想がついて、実際にそのとおりの結末になるのですが、それでも、そこに至るまでの話が面白い。魅せられます。そういう意味で、ハラハラドキドキのサスペンスが基本なんですが、所々、ユーモアと言うか、シニカルな描写の所があり、劇場内で若干の笑も起きていました。

さて、なぜミケランジェロの絵画なのか?と言う事なんですが、実は、ミケランジェロはユダヤ人にシンパシーを感じていたとも言われており、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画にも密かにユダヤ人を描いています。日本人には解らないところなんですが、キリスト教の教会にユダヤ人の姿を描くというのは、ある意味、教会に対しての反抗であるそうです。そう言う背景を持つ画家の絵画なので、ユダヤ人画商が持っているというのも、物語の背景としては意味があるらしいです。

『ミケランジェロの暗号』と言う邦題ですが、あまりいい邦題では無いですね。これだとミケランジェロの絵画に何らかの暗号めいたことが描かれており、それをめぐる話のような印象を受けますが、中身は全く違います。『Mein bester Feind』と言う原題は、“私の最高の敵”と言う様な意味なので、こちらの方が映画の内容に合っています。まぁ、邦題に若干の難はありますが、見応えのある中々面白い映画です。

タイトル ミケランジェロの暗号 / 原題 Mein bester Feind
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2010年/オーストリア
監督 ウォルフガング・ムルンバーガー
出演 モーリッツ・ブライブトロイ(ヴィクトル・カウフマン)、ゲオルク・フリードリッヒ(ルディ・スメカル)、ウルズラ・シュトラウス(レナ)、マルト・ケラー(ハンナ・カウフマン)、ウド・ザメル(ヤコブ・カウフマン)、ウーヴェ・ボーム(ウィドリチェック親衛隊大佐)、ライナー・ボック(ラウター親衛隊大尉)、クリストフ・ルーザー(ウェーバー親衛隊軍曹)、セルゲ・ファルク(ノルドナー親衛隊大佐)

[2011/09/12]鑑賞・投稿

アイガー北壁 / Nordwand

2010年03月27日 | 洋画(その他)
事実に基づく映画です。

1936年夏。ドイツは既にナチス施政下で、ベルリンオリンピック直前の時期。ドイツの優位性を示すため、ナチスはドイツ人によるアイガー北壁の初登頂を望んでいた。これは、それに際して発生した、登山家達の悲劇。ドイツ=オーストリア=スイス合作。全編、ドイツ語です。ネタバレ有りです。

結構衝撃でした。どの辺りが衝撃で有ったかと言うと、その結末。この手の映画って、過酷な運命に晒されながらも、最後は上手く行きましたって言う感じの話が多いのですが、そうでは有りません。いやぁ、特にトニーの最後は、悲しいですね。って言うか、パンフレットとか、HPとかは、何となく生還の雰囲気を醸していますが、そうでは有りません。HPに至っては、「感動の大作」などとも書かれていますが、あれを感動というのだろうか?

トニーとアンディーがアタックを開始してからは、手に汗にぎると言うか、暗転する彼らの運命にどんどん引き込まれて行ってしまうんですが、そこに到るまでの、トニー達とルイーゼの関係が、一応一通りの説明はされているんですが、ちょっともどかしい感じがしました。かと言って、あんまり説明的に描くのもどうかとも言いますが。

時代背景的には、1935年3月に再軍備宣言、1936年3月にラインラント進駐と、ドイツはどんどんと戦争への道を突き進んでいる時期です。後の世界のことを考えながら見ると、中々興味深いです。

結構衝撃の映画です。あまり、感動とかのエモーショナルな描き方はされていません。その意味では、ドイツっぽいと言えば、ドイツっぽいのかも。

タイトル アイガー北壁 / 原題 Nordwand
日本公開年 2010年
製作年/製作国 2008年/ドイツ=オーストリア=スイス
監督・脚本 フィリップ・シュテルツェル
出演 ベンノ・フュルマン(トニー・クルツ)、フロリアン・ルーカス(アンドレアス・ヒンターシュトイサー)、ヨハンナ・ヴォカレク(ルイーゼ・フェルトナー)、ウルリッヒ・トゥクール(ヘンリー・アーラウ)、ジーモン・シュヴァルツ(ヴィリー・アンゲラー)、ゲオルク・フリードリ(エディ・ライナー)

[2010/03/27]鑑賞・投稿