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勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

天地明察

2012年09月16日 | 邦画
第7回本屋大賞を受賞した『天地明察』が原作。

確かに『天地明察』を原作にしているものの、内容はだいぶ違うかな。原作本が、安井算哲が数学・天文学に打ち込み、改暦を成すまでの鬼気迫る様子を描いているのに対し、映画では、確かに安井算哲が数学・天文学に打ち込んだ結果、改暦を成し遂げるという大筋では原作通りではあるものの、必要以上にコミカルに描いている様な印象。もう少し、真面目だったと思うんですけどねぇ。

松本幸四郎、中井貴一、市川猿之助、市川染五郎と言う錚々たる俳優陣の中、岡田准一、横山裕の二人は辛いなぁ。演技に深みが無いです。横山は、それ程出演シーンもなく、動きの少ない役どころだったのでまだいいかもしれませんが、岡田准一は主役ですからねぇ。松本幸四郎や中井貴一と一緒のシーンが多かっただけに、その演技力の差が如実にスクリーンに出てしまい、ちょっと残念。

逆に、岡田准一演じる安井算哲の妻えんを演じた宮崎あおいは、やっぱり凄い。まだまだ若いのに、あんなに凛とした武家の女が似合う人は、そう居ないと思います。宮崎あおいの演技力と、岡田准一の演技力のバランスが全然取れていないと言うことかな。でも、周囲の俳優陣の演技がすごいので、二人くらい演技がイマイチのが居ても、大丈夫だったのかもしれません。

先にも記しましたが、基本的には原作本『天地明察』に準じたストーリーですが、期待した感じとはだいぶ違います。そう言う意見が続出することを見越したのか、エンドロールに「天地明察を原作とするが、映画化に際して創作した部分もある」と言う意味合いの掲示が出ていました。それを言っちゃぁお終いなんだけどな。

原作を知ってると「えっ?!」と思うかもしれませんが、この作品を単体で見ると、映画としてはそれなりに楽しめます。まぁ、突っ込みどころは多いんですけどね。

タイトル 天地明察
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
原作 冲方丁『天地明察』
監督 滝田洋二郎
出演 岡田准一(安井算哲/後の渋川春海)、宮崎あおい(村瀬えん/後に、算哲の妻)、中井貴一(徳川(水戸)光圀)、松本幸四郎(保科正之)、佐藤隆太(村瀬義益)、市川猿之助(関孝和)、笹野高史(建部伝内)、岸部一徳(伊藤重孝)、渡辺大(安藤有益)、白井晃(山崎闇斎)、横山裕(本因坊道策)、市川染五郎(宮栖川友麿)、きたろう(安井算知)、尾藤イサオ(本因坊道悦)、染谷将太(徳川家綱)、笠原秀幸(土御門泰福)、真田広之(ナレーション)

[2012/09/16]鑑賞・投稿

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

2012年09月14日 | 邦画
ネタバレ有り。

TVシリーズ開始から15年。ついに完結です。

ハッキリ言って前作『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』は、岡村隆史が出たり、小泉今日子が出たり、まさにオールスターキャストだった割には、実際には同窓会の域を出ずにイマイチだったわけですが、本作では、その反省もあったのか、ほぼオールスターキャストではあるものの、ちゃんと物語を作りこんでおり、見られる内容になっています。

それにしても、なるほどねぇ。小泉孝太郎は、登場当初は確か技官だったような気もするし、正直端役だったはずなんですが、今作品では意外に重要なポジションを得ています。加えて、真下の良き後輩だったと思っていたんですがねぇ・・・。

小栗旬の鳥飼誠一が・・・。小栗旬自身も、インタビューで言っていますが、鳥飼は踊る大捜査線のダークサイドなんだそうです。なるほど!『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』で初登場の時も、良い人を演じようとしている割に、ダークな雰囲気も感じていたので、今作品での鳥飼の立ち位置は納得がいきました。まさか、そこまで考えて前回登場した?

ぶっちゃけ、“警察行政人事院”なる荒唐無稽な設定もあり、突っ込みどころは多々あるんですが、前作があまりにもあまりにもだったので、FINALバイアスがあったととは否定しませんが、今作は見れました。

一言言っておきたいのが、フジテレビのTVCMは酷い!あのシーンを、ああ言う様に編集してTVCMに使うのか。酷すぎる。

「これで最後かぁ。」と感慨深い所もあります。しかし、出演者全員が、設定上昇格し、しかも、過去の登場人物の甥を出すようになってしまっては、これ以上物語を続けるのは難しいなと言うのが正直な所。そういう意味で、今回でFINALと言うのは本音でしょうね。

タイトル 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
監督 本広克行
出演 織田裕二(青島俊作)、深津絵里(恩田すみれ)、ユースケ・サンタマリア(真下正義)、柳葉敏郎(室井慎次)、小栗旬(鳥飼誠一)、小泉孝太郎(小池茂)、香取慎吾(久瀬智則)、大杉漣(横山邦一)、津嘉山正種(池神静夫)、大和田伸也(安住武史)、内田有紀(篠原夏美)、伊藤淳史(和久伸次郎)、甲本雅裕(緒方薫)、川野直輝(栗山孝治)、滝藤賢一(王明才)、遠山俊也(森下孝治)、佐戸井けん太(魚住二郎)、小林すすむ(中西修)、北村総一朗(神田総一朗)、斉藤暁(秋山春海)、小野武彦(袴田健吾)、ムロツヨシ(倉橋大輔)、小松彩夏(女性警察官)、水野美紀(真下雪乃)、筧利夫(新城賢太郎)、真矢みき(沖田仁美)

[2012/09/14]鑑賞・投稿

BRAVE HEARTS 海猿

2012年07月14日 | 邦画
大輔が特殊救難隊に異動になって、海猿が帰って来ました。今回の舞台は、航空機事故。東京湾上で、必死の救難活動に当たります。

実はねぇ、わたし的には、前回の『THE LAST MESSAGE 海猿』は、若干ユルくて微妙な感じもあったんですが、今回の『BRAVE HEARTS 海猿』は、『LIMIT OF LOVE 海猿』の時のような、熱い想いを感じることが出来ました。

『THE LAST MESSAGE 海猿』以降、環菜の出番って、あんまりないんですよねぇ。そこが不満といえば不満。まぁ、結婚してしまって落ち着いてしまうと、家庭にはあまりドラマがないのかもしれませんが、それでも、『海猿 ウミザル』や『LIMIT OF LOVE 海猿』での出番と比べると、激減している気が・・・。ちょっと残念。

本番の航空機事故の前座として、コンテナ船の海難事故があるんですが、前座なので手を抜きました?CG感アリアリ。まぁ、本当にコンテナ船を転覆させるわけには行かないですが、若干、微妙。そして、本番の航空機事故。こちらも、当然CGです。『LIMIT OF LOVE 海猿』が、実際のフェリーを使うなどしてリアルのこだわっていたので、本番の航空機事故がCG感アリアリなのは、コクピットのSEに「シンク・レート!」とか、「フゥープ、フゥープ!プル・アップ!」などの警告音があってリアルだっただけに、ちょっと残念。

『LIMIT OF LOVE 海猿』や『THE LAST MESSAGE 海猿』では、事故現場に閉じ込められてしまった大輔を描く感じで物語は進みましたが、今作では違います。そういう意味で、事故現場と大輔たちの救難活動の描写を両立させなければならないので、難しい作りになったと思います。結果的に、ちょっと詰め込みすぎた感じはしますねぇ。詰め込まれているので、次々と場面展開があるのですが、それが故に緊張感を生み出すという副産物もあったような気もするので、結果オーライ?

ラストで、吉岡が・・・と言う事になるんですが、あれで良いんですか?! う~ん、悲劇的な内容は海猿には似つかわしくないのかもしれませんが、ああ言う回避策は、原作がマンガだけに、ちょっとマンガすぎる気もします。でも、救難活動全般的に、感動してしまいましたけどね。あ、それと、ネタバレになるんであまり詳しく書きませんが、美香にそんな秘密があっとはねぇ(笑)。吉岡も驚くよ。

あと、何故か何かと大輔に厳しく当たる嶋。でも、なんで嶋が大輔に厳しいのか明らかにされないんですよねぇ。いつの間にか、大輔の熱さに感化されてしまって、和解したみたいになっちゃってるし。ああ言う描き方をするのであれば、嶋の“謎”も明らかにするべきではないかと思いました。

前作の『THE LAST MESSAGE 海猿』では最期と言っていたものの、今回の『BRAVE HEARTS 海猿』が制作。そして今回でラストとは、言ってないんですよねぇ。まぁ、特救隊に来てしまって、話がかなり辛くなるので、後はないのかもしれませんが・・・。

タイトル BRAVE HEARTS 海猿
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
監督 羽住英一郎
出演 伊藤英明(仙崎大輔)、加藤あい(仙崎環菜/大輔の妻)、佐藤隆太(吉岡哲也)、仲里依紗(矢部美香/吉岡の恋人・G-WINGのCA)、伊原剛志(嶋一彦)、時任三郎(下川)、三浦翔平(服部拓也)、平山浩行(村松貴史/G-WING206便機長)、大山連斗(仙崎大洋/大輔の息子)

[2012/07/14]鑑賞・投稿

宇宙兄弟

2012年05月05日 | 邦画
先日の『テルマエ・ロマエ』と同様、漫画が原作の映画。映画化に際しては、JAXAの全面協力の他、NASAの協力も得ています。

原作を読んだことが無いので、この映画が原作上でどのあたりに位置するのか全くわかりません。もちろん、原作はまだまだ終わっていませんし、雰囲気的にも全物語の途中的感じ満々ですが、これはこれで作品として成立しているかなぁと思います。原作も良いんでしょうが、脚本も良いんでしょうね。

JAXAが制作に全面協力しているので、実際の撮影も筑波の管制室とかJAXAの施設でかなり行われています。こう言う流れは、昨年からの“はやぶさ”関連映画から続いていますねぇ。それと、宇宙飛行士選抜試験の閉鎖環境試験ですが、これも実際あんな感じらしいです。もっとも“グリーンカード”が実在するのかどうかは不明ですが・・・。それ以外にも、漫画ということに逃げる事なく、科学的根拠に基づいた設定になっている雰囲気を感じました。多分それが、この作品を陳腐で荒唐無稽な、それこそ“マンガ”にしなかったポイントかと思います。

ラストでは、六太と日々人が同じミッションに行くという設定になっていますが、アメリカは第二次大戦の時にサリバン5兄弟を同じ巡洋艦に勤務させ、一度に全員戦死させてしまった経験があるので、アメリカではありえないでしょうね。では日本は?と言うと、そう言うポリシーを持つアメリカの宇宙船に乗るし、また、アメリカを手本に宇宙開発行なっているわけですから、はやり同様に日本人宇宙飛行士も兄弟で同じミッションに行く事は無いかと思います。

あ、それと、バズ・オルドリンが本人役で出ているんですが、結構セリフがありますね。これにはビックリ。って言うか、子供の頃から宇宙飛行士を目指しているんだったら、バズ・オルドリンの顔くらい覚えていろよと言う事を突っ込んでもいいんでしょうか?

最後に、選抜試験の最後の面接の件で一言。あれって多分「死ぬ気はない。何としても生きる。」と言うのが正解ではないかと思うんですよ。宇宙ミッションって、遠足ではないですが、帰ってくるまでがミッションと聞きます。なので、途中で死んでしまってはミッション放棄と同じなんです。もちろん、宇宙は死と隣合わせな非常に危険な任務な訳ですし、実際、遺書的なものはミッションに行く際に準備するらしいんですが、それでも「死ぬ覚悟」で行かれたのでは、ものすごく危機的状況に陥ってしまった時に早々に諦めてしまい、戻ってこなくなる(=死ぬ)かもしれません。アメリカの宇宙飛行士が昔から妻帯者が殆どだったのは、実はそういう事とも関連するんですよね。地上に待っている人がいれば、何としてでも帰ろうとすると言うこと。アポロ13なんかは、まさにそうなんです。だから、「死ぬ覚悟はありますか?」と言う問には、「死ぬ気はない。何としても生きる。」となるなぁと思いました。

結構いい映画だと思います。うかつにも、途中泣きそうになってしまいました(苦笑)。涙腺弱くなったな(笑)。

タイトル 宇宙兄弟
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
原作 小山宙哉『宇宙兄弟』
監督 森義隆
出演 小栗旬(南波六太)、岡田将生(南波日々人)、麻生久美子(伊東せりか)、濱田岳(古谷やすし)、新井浩文(溝口大和)、井上芳雄(真壁ケンジ)、塩見三省(福田直人)、堤真一(星加正)、益岡徹(六太・日々人の父)、森下愛子(六太・日々人の母)、吹越満(鶴見徹太郎)、バズ・オルドリン、野口聡一

[2012/05/05]鑑賞・投稿

テルマエ・ロマエ

2012年05月01日 | 邦画
マンガ「テルマエ・ロマエ」を原作とする映画。ローマが舞台の物語なので、濃い顔の役者を揃えています(笑)。原作は読んだことがありませんが、映画は見に行って見ました。

先にも記しましたが、出てくる日本人俳優陣が濃い。主演の阿部寛を始め、市村正親、北村一輝、宍戸開・・・。それら主要配役以外は、外国人を使っているんですが、その中にいても、存在感ばっちり。ちなみに、公開初日の舞台挨拶では、会場の投票で北村一輝が濃い顔一番に選ばれています(笑)。

基本的に“マンガ”なので、ものすごく含蓄があるとか、人生を考えさせられるとか言う事は特にありません。むしろ、“マンガ”であることを逆手に取って、演出や映像がいい意味で“マンガ”的。真実が、ルシウスと一緒にタイムスリップした後の最初のシーンでは、右上に小さく『BILINGUAL』と言う、二ヶ国語放送を意味する文字が。いや、実際にはそういう事ではないんですが、ルシウスが“平たい顔族”の属州にいる時は言葉が通じないことを示す意味でラテン語、ローマに戻った時は周囲と言葉が通じるので“日本語に吹き替えられた(笑)”ラテン語でセリフを話している演出になっています。で、本当は“ラテン語”で話をしている筈のルシウスと真実の言葉が“日本語に吹き替えられた(笑)”と言う設定なので、『BILINGUAL』と言う表記を画面にしたんでしょうね。

上戸彩ですが、某携帯電話会社のCMで制服姿を見せている訳ですが、この映画でもアルバイト先の制服姿を見せています。彼女、ある意味、制服女優と化していますね(笑)。

先にも記しましたが、“マンガ”が原作なので、ギャグの要素がかなりちりばめられています。場内クスクス笑う声が、時折響いていました。そういう意味でも面白かったです。

タイトル テルマエ・ロマエ
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
原作 ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』
監督 武内英樹
出演 阿部寛(ルシウス・モデストゥス)、上戸彩(山越真実)、市村正親(ハドリアヌス)、北村一輝(ケイオニウス)、宍戸開(アントニヌス)、勝矢(マルクス/ルシウスの友人)、竹内力(館野)、笹野高史(山越修造/真実の父)、キムラ緑子(山越由美/真実の母)、蛭子能収(ショールーム部長)、松尾諭(伊丹登/真実の見合い相手)

[2012/05/01]鑑賞・投稿

はやぶさ 遥かなる帰還

2012年02月12日 | 邦画
2010年6月13日地球帰還を果たした工学技術実証衛星「はやぶさ(MUSES-C)」を描いた実写映画。第一弾は、2011年に竹内結子主演で『はやぶさ/HAYABUSA』。これは、第二弾映画となります。はやぶさを描いた映画はもう一作『おかえり、はやぶさ』が予定されています。

第一弾『はやぶさ/HAYABUSA』は、どちらかと言うと、はやぶさそのものに焦点を当てていたのに対して、こちらの『はやぶさ 遥かなる帰還』は、はやぶさを開発した科学者・技術者たちに焦点が当てられています。そういう意味では、『はやぶさ/HAYABUSA』がモデルとなった人物たちの完全コピーを目指したと言われておりますが、むしろこちらの『はやぶさ 遥かなる帰還』が完全コピーを目指すべきだったのでは無いかなと思います。

原作は、山根一眞氏の『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』。原作本は、開発関係者におこなったインタビューを中心に構成されており、開発関係者の苦労話をわかりやすく読むことができます。ですがねぇ、脚本が良くないんですかね。映像にすると、リズムが悪い。一つ一つの断片的なエピソードの連続なんですよね。なので、見ていて疲れる。

また、正確に描写を行おうとするあまり、ちょっと細かすぎる演出・描写が多いかなと。だって、始まった瞬間の冒頭の画が、コンデンサーですからねぇ。これが、クライマックスのイオンエンジンのクロス運転の伏線だなんてね・・・。それと、リアクションホイールに、バッチリと“made in USA”と書いてあったり・・・。はっきり言って、楽屋落ちが沢山あります。私は、はやぶさプロジェクトマネージャー川口淳一郎教授の講演を何度が聞いたことがありますし、関連の書物をいくつか読んでいたので、起こっていることが理解できましたが、初めて見たり、聞いたりした人はわからなかったのでは? もっとも、その細かすぎる演出・描写が、物事を正確に描いていると思わせたのは事実。正確性を取るか、娯楽性を取るか、中々バランスは難しいようです。

厳しいことを言っていますが、劇映画としては、『はやぶさ/HAYABUSA』の方が上ですね。この作品は、どちらかと言うと、劇映画風科学記録映画(ドキュメンタリー)として見た方が良いかも。それと、話題になったはやぶさを描いた映画なので、子供連れの姿を複数見ましたが、はっきり言って子供には難しいと思います。

出演者の欄で【 】表記しているのは、モデルとなったと思われる人物です。でも、はやぶさを追っていた女性の新聞記者は、毎日新聞の永山悦子記者じゃ無いんですかね? この映画の制作が、朝日系になってしまったので、さすがに毎日新聞ではアサイン出来なかったのかな。間違えていたら、申し訳ありません。

映画の最後に、『この映画を宇宙開発に携わる人々に捧げる』と言う様なメッセージが出ます。たしかに、そう言う作りになっている映画だと思いました。

タイトル はやぶさ 遥かなる帰還
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
原作 山根一眞『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』
監督 瀧本智行
プロジェクトマネージャー 渡辺謙
出演 渡辺謙(山口駿一郎【川口淳一郎氏】)、江口洋介(藤中仁志【國中均氏】)、夏川結衣(井上真理/朝日新聞記者)、小澤征悦(鎌田悦也【山田哲哉氏】)、中村ゆり(松本夏子【森本睦子氏?】)、吉岡秀隆(森内安夫【堀内康男(NEC)氏?】)、石橋蓮司(大下治夫/JAXA幹部)、藤竜也(丸川靖信【的川泰宣氏】)、山崎努(東出博)

[2012/02/12]鑑賞・投稿

麒麟の翼~劇場版・新参者~

2012年01月29日 | 邦画
原作者東野圭吾自身が、シリーズ最高傑作と言う『麒麟の翼』の映画化作品。

原作は読んでいてその面白さは知っていたのですが、本は面白いのに映像化されるとイマイチと言う事が良くあるので、ちょっと心配していたんですが、その心配は杞憂だったようです。ここに至るまで、TV連続ドラマとTVスペシャルドラマとして、加賀恭一郎シリーズは作られていたので、杞憂だったようです。

このシリーズの肝は、やっぱり阿部寛演じる“阿部”恭一郎では無いでしょうか。この作品でも、その魅力は十分発揮されていました。かっこいいですね。

一方、溝端淳平クンですが、う~ん。頑張ってはいますが、刑事には見えない・・・。若すぎるのかなぁ。もう少し、渋さが加わるといいのかも。あと、黒木メイサも、このシリーズだと、なんか浮きませんか? 若手の二人が若干微妙です。

本での金森看護師のイメージは、もう少し年齢の高いベテラン看護師のイメージですが、田中麗奈だと、ベテランと言うよりは、主任クラスのバリバリのやり手と言う感じですね。まぁ、そう言うのもアリですかね。

新垣結衣が、可憐で強い女性を演じています。中原香織は、ガッキーで正解ですかね。

ちょっと気になったのが、TBSの制作ということで、あとで地上波放送が容易な様に(と言う意図では無いかもしれませんが)、編集ポイントが所々にあるところ。映画ではなくて、「ここでCMだな」と言う事を感じるTV的なカット割りなんですよね。全体の流れを絶ち切ってしまうようで、気になってしまいました。

最初の頃から悠人が水泳をしていることをほのめかすなどなど、原作とは違う所はありますが、それは演出上の都合と言う事でよしとしましょう。その意味では、概ね原作に忠実に作られていて、それほど違和感は感じませんでした。

原作を読んでいるので、話の筋は知っているんですが、最後はうっかり泣きそうになってしまいました(苦笑)。中々見応えのある映画です。あ~、日本橋行きたくなった!

タイトル 麒麟の翼~劇場版・新参者~
日本公開年 2012年
製作年/製作国 2012年/日本
原作 東野圭吾『麒麟の翼』
監督 土井裕泰
出演 阿部寛(加賀恭一郎)、新垣結衣(中原香織)、溝端淳平(松宮脩平)、松坂桃李(青柳悠人)、中井貴一(青柳武明/悠人の父)、三浦貴大(八島冬樹/香織の恋人)、山賢人(杉野達也)、聖也(黒沢翔太)、菅田将暉(吉永友之)、鶴見辰吾(小竹由紀夫/青柳武明の部下)、松重豊(小林)、劇団ひとり(糸川肇)、田中麗奈(金森登紀子)、黒木メイサ(青山亜美)、山崎努(加賀隆正/恭一郎の父)

[2012/01/29]鑑賞・投稿

ALWAYS 三丁目の夕日'64

2012年01月22日 | 邦画
前作『ALWAYS 続・三丁目の夕日』から5年後という設定。実際にも、4年強経過しています。

一作目『ALWAYS 三丁目の夕日』、二作目の『ALWAYS 続・三丁目の夕日』のキャストを振り返ってみてみたんですが、子役も含めてすべてのキャストがずっと同じ俳優が演じていたことを再確認。そういう意味で、須賀健太もその子供時代からの古行淳之介を演じていた訳ですが、画面を通して、淳之介の成長と共に須賀健太の成長も見ることができるわけですよねぇ。

成長といえば、六子を演じる堀北真希。一作目の『ALWAYS 三丁目の夕日』の時は、「新人女優の一人だなぁ。」くらいの認識でしたが、今や人気女優の一人ですからねぇ。同時に、六子も堀北真希も17or18歳の頃からの成長を画面を通して見ることが出来ました。この作品で六子も結婚するわけですが、結婚の挨拶を鈴木夫妻に行うシーンは、ジーンと来てしまいました。堤真一も同じように感じたような事をインタビューで語っていました。

この『ALWAYSシリーズ』は、いつも物語後半に茶川の身辺をめぐって一騒動ある訳ですが、この作品でも同様です。って言うか、その茶川騒動は、いつもウルッと来そうになるんですが、この作品の茶川騒動は最大のウルッと来るポイントでしたねぇ。六子の結婚の頃と同時期に攻めて来られて、マヂやばかったです。

この作品は、3Dでも公開されているのですが、敢えて2Dで鑑賞しました。だってねぇ、アクション作品とかならば3Dを積極的に選択しますが、普通の人々の日常を描いた作品なので3Dを選ぶような内容でもないかなぁと。で、その選択ですが、結論としては間違ってはいなかったと思います。ですが、3D公開を前提にした作品ですので、明らかに立体視を意識した映作りになっていて、2Dでみると若干不自然に感じるシーンがあったことも付け加えておきます。

同時に、1964年当時の街の光景はもちろん、新幹線も画面には登場します。1964年の新幹線は0系な訳で、いまはもはや実車は営業していません。アップのシーンは、静態展示されている車両で撮影しようと思えば可能ですが、走行シーンはそういう訳には行きません。当然CGで作られているわけですが、昔よりは上手くできていますが、やっぱりCGだなぁと思いました。これは、東京タワーの映像も同じです。

シリーズ物の三作目となると、マンネリ化も進み、かなりつまらない作品になることが多いですが、この作品はそんなことはありませんでした。六子の結婚と、淳之介の独り立ちと言うこともあり、結構ウルッと来てしまいました。年取ったのかなぁ・・・。

タイトル ALWAYS 三丁目の夕日'64
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
監督・脚本 山崎貴
出演 吉岡秀隆(茶川竜之介)、小雪(茶川ヒロミ)、須賀健太(古行淳之介)、堤真一(鈴木則文)、薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)、小清水一揮(鈴木一平)、堀北真希(星野六子)、もたいまさこ(大田キン)、森山未來(菊池孝太郎)、大森南朋(富岡/茶川担当の編集部員)、三浦友和(宅間史郎)、米倉斉加年(茶川林太郎/竜之介の父)、高畑淳子(奈津子)

[2012/01/22]鑑賞・投稿

ロボジー

2012年01月15日 | 邦画
『ウォーターボーイズ』で男子シンクロを、『スウィングガールズ』でビッグバンドジャズを、そして『ハッピーフライト』で航空業界を描いた矢口史靖監督の最新作品。今回は、ロボット業界にメスを入れています(笑)。

何と言っても、主演の『新人』五十嵐信次郎が話題ですね。新人といっても、その実は、ロック界の大御所ミッキー・カーチス。でもねぇ、ミッキー・カーチスとは思えないほど、鈴木重光を演じる五十嵐信次郎は枯れていますよ。背中の猫背具合とか、鼻眼鏡具合とかね。

ロボットを描いた作品なので、実際のロボットも多数出ています。村田製作所のムラタセイサク君とか、テムザックのロボットとか。他にも、産総研などのロボットも出ていたみたいです。でも残念ながら、ロボット界一有名な、アシモは出ていませんでしたね。ムラタセイサク君が出ていたんで、アシモも出ても良かったのでは無いかと思いますがね。

門司港駅のレトロ駅舎が映っているので、舞台は北九州ということで良いのでしょうか?そういえば、矢口史靖監督の作品って、『ハッピーフライト』は、その設定上、東京なのは仕方ないとして、『ウォーターボーイズ』は静岡県、『スウィングガールズ』は山形県と、地方を舞台にしますね。何か、東京で描かないというポリシーでも有るのでしょうか?

それと、これはテレビを見て知ったのですが、『ウォーターボーイズ』は鈴木智、『スウィングガールズ』は鈴木友子、『ハッピーフライト』は鈴木和博、そしてこの『ロボジー』も鈴木重光と、主人公が全て鈴木性なんですね。これも、矢口史靖監督のこだわりなんでしょうか?

どういう結末を迎えるのは、考えながら見ていたんですが、なるほどねぇ。そう言う終わり方ですが。考えてみると、ああいう終わり方しか無いかも。と言う事は、吉高由里子演じる佐々木葉子は、ミイラ取りがミイラになったみたいなものなのかもね(笑)。

楽しい映画です。年の始にこう言う楽しい作品は、良いと思います。

タイトル ロボジー
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
監督・脚本 矢口史靖
出演 五十嵐信次郎(鈴木重光)、吉高由里子(佐々木葉子)、濱田岳(小林弘樹)、川合正悟(太田浩二)、川島潤哉(長井信也)、田畑智子(伊丹弥生)、和久井映見(斉藤春江)、小野武彦(木村宗佑)

[2012/01/15]鑑賞・投稿

聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―

2011年12月27日 | 邦画
1941年の太平洋戦争勃発から70年の今年(2011年)、太平洋戦争の口火を切る攻撃の指揮を取った山本五十六を描いた映画。

戦争を描いたのではなく、山本五十六自身を描いています。なので、戦争映画ではありますが、所謂、戦争映画とは異なり、ヒューマンドラマ的色彩が濃い・・・と言うより、むしろヒューマンドラマそのものです。なので、真珠湾攻撃の作戦過程やミッドウェイ海戦の作戦過程などは、余り描かれていません。描かれているのは、山本五十六の仕事ぶりや、家庭での父親あるいは夫ぶりです。『硫黄島からの手紙』の時も思ったんですが、あの頃の高級司令官って、家族思いの人が多いですね。硫黄島の戦いの栗林大将も非常に家族思いで有ったと伝えられていますが、この作品の山本も家族思いの人物として描かれています。

山本以下、海軍軍人達は実在の人物ですが、東京日報の人物たちは、会社そのものの存在から架空の設定(ですよね)。そしてその東京日報の記者新藤利一が、この物語の語り部になっています。新藤利一を演じる玉木宏は、のだめカンタービレから、モノローグづいていますね(笑)。

作品を見てみて、平和を愛する反戦の軍人として山本五十六を描こうとしていると意図を強く感じます。一般に、山本が太平洋戦争に反対したのは確からしいですが、それは反戦とかと言う意図ではなく、軍事的・政治的に合理的ではないと言うのが、その理由。反戦思想であったとか言う、日本人が好みそうな理由ではないはずなんですよねぇ。何と言っても、彼は、日本海軍の高級幹部。そんな思想を持っていたのであれば、高級幹部にはなれません。もっと言えば、指揮官としてもあまり優秀ではなかったとも言われています。その一端として、劇中にも描かれていますが、真珠湾攻撃に際しては、早期講和のために真珠湾攻撃を行ったのであれば、もっと徹底的に攻撃を完遂するべきだったのに二次攻撃を命令していないし、ミッドウェイ海戦に於いても南雲に任せっきり。「南雲はやらんよ。」「これで積んだね。」ではないんですよ。

その他、日本映画には多いんですが、テンポが悪くて冗長。瀬戸朝香、田中麗奈は、この物語の進行に必要でしょうか? 時代世相を映す役回り? 時代世相は、東京日報を中心に描いているのではないかと思うんですけどね。この当たりのシーンが無ければ、もっと締まったと思うんですけどねぇ。

それと、監督の意図なのか、監修者の意図なのかわかりませんが、山本・米内・井上・山口・黒島は好意的に描かれていた様に感じたのに対して、南雲・宇垣・永野・及川(?)は否定的に描かれているような気がしたのは、気のせい? これって、監督or監修者or誰かの、好き嫌い? それぞれの人物に様々な評があり、揶揄されても仕方がない一面もありますが、こう言う描き方は一方的過ぎて、ちょっとどうかなぁと思いました。

普通の戦争映画だと思っていくと、意外にヒューマンドラマだったりするので、派手な戦闘シーンをお望みの方はご注意。って言うか、『太平洋戦争70年目の真実』と言うサブタイトルは付いていますが、新たに明らかになる真実はありません。

タイトル 聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―
日本公開年 2011年
製作年/製作国 2011年/日本
監督 成島出
監修 半藤一利
特別協力 山本義正
出演 役所広司(山本五十六)、玉木宏(新藤利一)、柄本明(米内光正)、柳葉敏郎(井上成美)、阿部寛(山口多聞)、吉田栄作(三宅義勇)、椎名桔平(黒島亀人)、中原丈雄(南雲忠一)、中村育二(宇垣纏)、坂東三津五郎(堀悌吉)、伊武雅刀(永野修身)、原田美枝子(山本禮子)、袴田吉彦(秋山裕作/東京日報記者)、益岡徹(草野嗣郎/東京日報編集長)、香川照之(宗像景清/東京日報主幹)、五十嵐隼士(牧野幸一/五十六と同郷の零戦パイロット)、河原健二(有馬慶二/零戦パイロット)、碓井翔太(佐伯隆/零戦パイロット)、瀬戸朝香(谷口志津/小料理屋の女将)、田中麗奈(神埼芳江/志津の店の常連のダンサー)、宮本信子(高橋嘉寿子/五十六の実姉)

[2011/12/11]鑑賞・投稿