勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

マン・オブ・スティール (3D字幕) / Man of Steel

2013年09月01日 | 洋画(アメリカ系)
ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ラッセル・クロウと言う錚々たるメンバーが出演していますし、制作/原案にはクリストファー・ノーランも参加。なんか、それだけでも凄いことになっています。

凄いのは出演者だけではありません。出演者に応じて、内容もすごいです。これまでの、スーパーマンシリーズでは、スーパーマン誕生の秘密は、言葉では語られた事がありますが、映像化されたことはありませんでした。だってねぇ。ゾッド将軍って、名前は聞いたことがありましたが、マーベルでは出てきているのかもしれませんが、映画の映像で見たのは初めてです。

今回の作品で素晴らしいのは、スーパーマン誕生の秘密を描いたということにも関連しますが、スーパーマンの苦悩、人となりを描き出したということ。「鳥だ!飛行機だ!いや!スーパーマンだ!」ではなく、自分の脳力に悩み、どう生きるべきかを考えに考えた、スーパーマンの姿。しかも、同じクリプトン人との対立不可避で、単純な勧善懲悪ではないストーリーは、物語になります。

クリプトンライトに曝されたスーパーマンが、力を失う描写をした作品は嘗てありましたが、今回は、クリプトン星の環境に曝されると弱ってしまうという設定。それも、スーパーマンが地球で、地球人と一緒に育ったから、地球の環境に最適化されてしまったからという事のようです。

ラッセル・クロウもカッコイイけど、ケビン・コスナーもカッコイイんだよなぁ。たまりませんよ。カンザスでクラークが生まれ育ったという設定は、クラークの育ての父親ジョナサンが、ああ言う形で亡くなってしまうと言うこととも関連しています。あの最期は、『“父”の教え』なんですね。こう言う意味では、本当の父のジョー=エルも信念を持った人物。本当の父も、育ての父も、なかなかの人物なんですね。

ロイスが、ボツにされた記事をリークするために接触した人物が、何となく、ジョナサン・アサンジ氏の風貌を彷彿とさせるのは、意図的なんでしょうか(笑)?

いやぁ、それにしても、重厚なスーパーマンです。クリストファー・ノーランっぽい気がします。って言うか、物語終盤に“スーパーマン”の言葉は少しだけ出てきますが、基本的には、殆どスーパーマンと言うキーワードは出てきません。それも、この物語に流れている、「地球人と一緒にどう生きるか」と言う事と関連しているんでしょうね。いきなり「鳥だ!飛行機だ!いや!スーパーマンだ!」では、地球で生きるために苦悩すると言うコンセプトは描けないですからね。

なかなか、心にズッシリと来る素晴らしい作品でした。

タイトル マン・オブ・スティール / 原題 Man of Steel
日本公開年 2013年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 ザック・スナイダー
出演 ヘンリー・カビル(クラーク・ケント/カル=エル)、エイミー・アダムス(ロイス・レイン)、マイケル・シャノン(ゾッド将軍)、ケビン・コスナー(ジョナサン・ケント)、ダイアン・レイン(マーサ・ケント)、ローレンス・フィッシュバーン(ペリー・ホワイト)、アンチュ・トラウェ(ファオラ=ウル)、アイェレット・ゾラー(ララ・ロー=ヴァン)、クリストファー・メローニ(ネイサンハディ大佐)、ラッセル・クロウ(ジョー=エル)、ハリー・レニックス(スワンウィック将軍)

[2013/09/01]鑑賞・投稿