勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
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大統領の執事の涙 / Lee Daniels' The Butler

2014年02月16日 | 洋画(アメリカ系)
ユージン・アレンと言う8代の大統領に使えた実在の執事の人生を元に描いた、1950年代から1980年代のアメリカの戦後史。

物語の始まりは、1920年代のアメリカ南部から始まるのですが、まだまだ黒人差別が有る時代が描かれています。ネタバレになってしまいますが、いきなり、セシルの父が撃たれてしまうシーンは、当時のアメリカ南部を象徴しています。でも、それが普通であったという事も驚きですが。そういう意味では、歴史を描いているので、実際の出来事も劇中でたくさん描かれていますし、今では差別用語とみなされ、使われなくなった『ニグロ』と言う言葉が、作品中で普通に使われています。(今では、アフリカン・アメリカン/アフリカ系アメリカ人と言わないとダメ。)

歴史を描いているし、歴代大統領に使えた執事を描いているので、歴代大統領が画面に登場するんですが、これが・・・似ていない(苦笑)。まぁ、セシルが主人公なので、脇役はどうもでいいのかもしれませんが、ちょっと気になりましたね。それと、日本的には非常に注目される人物のキャロライン・ケネディですが、幼少のキャロライン・ケネディも劇中少しだけ出てきています。

いやぁ、日本人には判りにくいかもしれない人種差別の問題を、上手く描いていますね。非常に判りやすいです。「白人用」「有色人種用」とくっきりと様々なものが分けられているのを見るのは衝撃的です。それが、戦後も続き、つい先ごろまで継続されていた(あるいは、未だに継続されているのかもしれませんが)のですからねぇ。

いやぁ、中々感動的。非常に深い内容です。

タイトル 大統領の執事の涙 / 原題 Lee Daniels' The Butler
日本公開年 2014年
製作年/製作国 2013年/アメリカ
監督 リー・ダニエルズ
出演 フォレスト・ウィテカー(セシル・ゲインズ)、オプラ・ウィンフリー(グロリア・ゲインズ)、デビッド・オイェロウォ(ルイス・ゲインズ/ゲインズ家の長男)、イライジャ・ケリー(チャーリー・ゲインズ/ゲインズ家の次男)、ヤヤ・ダコスタ(キャロル・ハミー/ルイスの友人、黒人運動家)、ロビン・ウィリアムズ(ドワイト・アイゼンハワー)、ジェームズ・マースデン(ジョン・F・ケネディ)、ミンカ・ケリー(ジャッキー・ケネディ)、リーブ・シュレイバー(リンドン・B・ジョンソン)、ジョン・キューザック(リチャード・ニクソン)、アラン・リックマン(ロナルド・レーガン)、ジェーン・フォンダ(ナンシー・レーガン)、ネルサン・エリス(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)、キューバ・グッディング・Jr.(カーター・ウィルソン/ホワイトハウスの執事頭)、テレンス・ハワード(ハワード/グロリアに言い寄るゲインズ家の隣人)、レニー・クラビッツ(ジェームズ・ホロウェイ/ホワイトハウスの執事)、アレックス・ペティファー(トーマス・ウェストフォール/綿花畑の主人)、バネッサ・レッドグレーブ(アナベス・ウェストフォール/綿花畑の女主人)、マライア・キャリー(ハッティ・パール/セシルの母)、アムル・アミーン(15歳の時のセシル・ゲインズ)、クラレンス・ウィリアムズ3世(メイナード/若きセシルに仕事を与えたホテル執事)、クロエ・バラク(キャロライン・ケネディ)

[2014/02/16]鑑賞・投稿