勝手に映画評

私の見た映画を、勝手に評論します。
基本的に、すべて自腹です。

デトロイト / Detroit

2018年02月03日 | 洋画(アメリカ系)
事実に基づく作品。1967年のデトロイト暴動を描いた作品。

2018年の第90回アカデミー賞において、事前の宣伝では“本年度アカデミー賞最有力”とかされていましたが、いざ蓋を開けてみると、全然ノミネートされないと言う衝撃!一部には、あまりにもドキュメンタリーチックであったため、物語性に欠けるので避けられたと言う話も聞きます。

見た感じは、物語性に欠けるとまでは思いませんでしたが、ちょっと、視点がぶれたかなと。最初は、全体を俯瞰する第三者的な視点だと思ったのですが、いつの間にかディスミュークスになり、それが、いつの間にかラリーが中心になったような感じたりと、感情移入が少し難しかったかなと。ドキュメンタリーとして描くのであれば、それに徹して、もっと俯瞰的に、第三者的に描けば、もっと違った感じになったのではないかと思います。

それにしても、50年ほど前の出来事ですよね。何かがすぐに暴動になるのは怖いですが、それ以上に怖いのが警察の暴走。いま上映している『スリー・ビルボード』も、ある意味、警察の怠慢、あるいは暴走、あるいは、アメリカの警察の限界を描いていますが、50年前も、いまもそんなに変わらないんだなぁと思わざるを得ません。それが、超大国アメリカの現実なんですね。そういう意味では、すべての警察が一定以上の水準にある日本は、平和で、幸せなのかもしれません。

それと、裁判ですよね。まぁ、そうなるか。制度的に、ある一方向に内容が傾いてしまうので、仕方ないのかもしれませんが、南部ではなく、中西部の話の筈なんですがね。50年前は、南部も中西部もあまり変わらないんですね。リベラルなのは、カリフォルニアとニューヨークくらいなのかな。

デトロイトですが、ラスト・ベルトと呼ばれる、現トランプ大統領当選の原動力にもなった地域の一つ。街は、財政的に破綻してしまい、産業も無いようなところとも聞きますが、いまだにあんな感じなんですかね?いや、街が破綻しているので、50年前よりも酷いかもね。どうなんでしょう?

タイトル デトロイト / 原題 Detroit

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/アメリカ
監督 キャスリン・ビグロー
出演 ジョン・ボイエガ(メルヴィン・ディスミュークス)、ウィル・ポールター(フィリップ・クラウス)、アルジー・スミス(ラリー・リード)、ジェイコブ・ラティモア(フレッド・テンプル)、ジェイソン・ミッチェル(カール・クーパー)、ハンナ・マリー(ジュリー・アン)、ケイトリン・ディーヴァー(カレン)、ジャック・レイナー(デメンス)、ベン・オトゥール(フリン)、ジョン・クラシンスキー(オーバック)、ネイサン・デイビス・Jr.(オーブリー)、ペイトン・アレックス・スミス(リー)、マルコム・デビッド・ケリー(マイケル)、ジョセフ・デビッド=ジョーンズ(モリス)、ラズ・アロンソ(コニャーズ下院議員)、イフラム・サイクス(ジミー)、レオン・トマス3世(ダリル)、ベンガ・アキナベ(オーブリー・ポラード・シニア)、クリス・チョーク(フランク/警官)、ジェレミー・ストロング(ラング弁護士)、オースティン・エベール(ロバーツ准尉)、ミゲル・ピメンテル(マルコム)、ジョン・クラシンスキー(アウアーバッハ弁護士)、アンソニー・マッキー(グリーン)

スリー・ビルボード / Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

2018年02月03日 | 洋画(イギリス系)
2017年第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同じく2017年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。

ベネチアでの脚本賞は納得ですが、トロントの観客賞は・・・、トロントの人は目が肥えているんですね。いや、脚本賞が納得なので、悪くないんですが、終わり方がね。わかったような、わからなかった様な。こう言う結論が宙ぶらりんの、オープンエンディングとでも言うような作品は少なくないんですが、この話の内容で、そう来るとは思いませんでした。オープンエンディングの作品が合うのは、人生模様だったり、人そのものを描いた様な内容だと思うんですが、この作品は?まぁ、“ある意味”人を描いてはいるので、良いのかなぁ?

そんな風に思わせられるほど凄い演技を見せたのは、フランシス・マクドーマンド。いやぁ、これを見ると、フランシス・マクドーマンドは「実はこう言う人なんだ」と誤解しそうです。この作品で、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞するだけの事はありますね。

それと、なんとも言えなかったのが、警察署長を演じたウッディ・ハレルソン。彼、良いですよ。抑えた演技、泣ける。そして、その最後も泣けるんですけどね。

それにしても、アメリカの田舎町って、やっぱりいまだにこんな感じなんですかね?そういう観点でも、なんだか、複雑な気持ちになる作品でした。

タイトル スリー・ビルボード / 原題 Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

日本公開年 2018年
製作年/製作国 2017年/イギリス
監督 マーティン・マクドナー
出演 フランシス・マクドーマンド(ミルドレッド・ヘイズ)、ウッディ・ハレルソン(ビル・ウィロビー/警察署長)、サム・ロックウェル(ジェイソン・ディクソン/巡査)、アビー・コーニッシュ(アン・ウィロビー/ビルの妻)、ジョン・ホークス(チャーリー)、ピーター・ディンクレイジ(ジェームズ)、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(レッド/広告看板会社の人間)、ケリー・コンドン(パメラ)、ルーカス・ヘッジズ(ロビー)、ジェリコ・イバネク(デスクの巡査部長)、クラーク・ピータース(アバクロンビー)、キャスリン・ニュートン(アンジェラ・ヘイズ/ミルドレッドの娘)、アマンダ・ウォーレン(デニース)、ダレル・ブリット=ギブソン(ジェローム)、サンディ・マーティン(ディクソンの母)、サマラ・ウィービング(ペネロープ)