川天使空間

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林業少年 堀米薫 作 スカイエマ 絵 新日本出版社

2013年02月21日 05時36分46秒 | 創作・本の紹介
堀米さまのあの名作が出版された。
切れ味するどい文章に、スカイエマさんのイラストが、これ以外ない、という程にぴったりで。
しっかり味わった。

喜樹(きじゅ)は小学校五年生。
大きな山を持つ祖父の庄蔵は、林業を生業としてきた。
父母は林業を嗣がなかったけれど、喜樹の家や生活は、林家の伝統を残している。

銘木の百年杉を買いたいという客と「相対」する庄蔵。
普段みられない庄蔵の迫力ある交渉ぶりに、圧倒される喜樹。
すると、おしゃれ好きで英文科志望のはずの姉、楓が、百年杉伐採の現場に行くと言い出して…

樹木それぞれの特性を活かした、築百年を超える喜樹の家。
祖母のヤエが米糠で磨いた床が、しっとりと輝いて見えるよう。
土間の足触りも、大広間も、まるで自分がそこにいるような。
味わいながら、読んでいった。

森の場面は、圧巻だった。
百年杉は、「空を目指すことだけを考えて生きてきたかのように、太い幹がまっすぐに伸びている」
「喜樹は、山の出口を抜けるたびに、異空間からぽっと吐き出されたような、不思議な気持ちになるのだった」
たまらなく、森に行きたくなった。

伐採の場面も、地響きが腹の底から伝わってきたような。
春まだ浅い雪のある季節に伐採した木を森から搬出する理由も、そうだったのかと納得。
馬も良かったし、出てくる食べ物がみんな、あまりに美味しそうで。

どじょうさん、すばらしい読書体験をさせていただきました。
スカイエマさんの絵の、きりっとした感じに、こっちまで背筋がのびて。
表紙の「林業少年」の文字、3Dみたいに浮かび上がって見えるのも最高。
ますますのご活躍を信じてます!

こんな素晴らしいご本を読んですぐ自分の創作に戻るのはまずかった。
しばし時間をおくべきだったと反省。
今日もびよよよ~~ん (*^ __ ^*)

コメント (2)
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