亡くなった弟がお世話になっていたNPO法人ワンデーポートの新刊。
ワンデーポート施設長の中村努さんらが執筆されている。
冒頭から「ギャンブル依存症」という病気ではなく「ギャンブル依存」や「ギャンブル問題」としている。
ここにこの本の骨子がある。
中村さんも元はギャンブル依存で、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)に参加していた人たちが集まって、
同じような苦労をしている人たちの助けにとワンデーポートを立ち上げられた。
ところがギャンブル依存の中にはGA参加で回復していく人たちだけではなく、
GAの効果が薄く「発達障害」など個々の問題が関与している場合があることを肌で感じていった。
そしてその対応方法も、発達障害の人にはGAではなく特性にあった対応をしていくことで、生きやすくなることがわかっていった。
この本の中で、社会福祉士の大橋さんという方が、
障害を考える上で「医学モデル」と「社会モデル」があると言っている。
「医学モデル」は病名をつけて障害を個人の問題とするいわゆる医者の考え方。
「社会モデル」は障害は社会と個人の心身機能があいまって作り出されているもので、
その障壁を取り除くのは社会の責務、社会全体の問題ととらえる考え方。
例えば読み書き障害-ディスレクシアなんて、文字のない大昔は問題がなかったはず。
とても納得がいった。
亡くなった弟はIQは高いのに学校の勉強がからきしダメだった。
ディスレクシアと多動のないADHDとASDがあったのだと思う。
料理の道に進んで、ステーキの店を持ったが経営ができず、ギャンブルにはまって廃業。
その後、三越の社員食堂で料理中に倒れた。大動脈解離だった。
大動脈解離から生還した後も、自動車免許は取れずまたギャンブルに。
ワンデーポートの中村さんに救ってもらい、発達障害と診断され、
その特性をわかってもらって暮らしていくことで、
これまでで一番生きやすい人生を過ごしていたのだと思う。
本の中でアパートを提供されている不動産業の小野寺さんの話もあった。
弟もきっと小野寺さんのお世話になったにちがいない。
ギャンブル問題を抱える人は多いと思う。
「ギャンブルに依存しやすい特性」はたぶん自分にもあるはず。
もし身近にそんな方がおられたら、この本はおすすめです。
お仲間からうれしいお届け物をいただいてほっこり。
今日は釣りに行きます(キリッ)。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)