生老病死・苦悩と愛・暴力と平和・神々と邪鬼・神話と森羅万象・孤独と騒擾、天国と地獄・怒涛と静寂、祈りと転生そのような言葉を想像させるようなドイツの音楽家グスタフ・マーラーの交響曲全集、テンシュテットがロンドン・フィルで録音した16枚、HMV通販で、何と送料こみで2106円だったので注文したものが、わずか2日間で石垣島の我が家に届く。
これまでのオイラだったら、モーツァルトやバッハなのであり、パンドラの箱を開けるような危険を冒してまで決してマーラーのCDなんか購入しようとは思わなかったが、現代世界、とりわけ日本のありよう=異常気象と核の汚染、とくに地震や津波、台風等々の昨今の天変地異を体験共有すると、もう、パンドラの箱は開けられたのであり、これからの人生は「希望」という二字を探す旅に出るに過ぎないのではないかとの気分に落ちているのであり、今の心理状況としては、マーラーの音楽が「一番、こころにしっくり来る」から2106円という誘惑に駆られたせいもあるが、購入した。
学生時代の40年以上前なら、LP1枚2200円が普通であり、16枚だったら4万円近くしてとても手が出なかったものが、いまや、失礼だが、「紙くず同然」に陳列されている。だが、ところが、封を開けて第5だけ聴いてみたが、口コミでは、ロンドンの技量、録音をぼろくそに言う人もいるが、テンシュテットのロンドン、音質も含め「素晴らしい」の一語。生きて興奮させうる音楽を奏でている。オイラには、名演なのだ。あと15枚に「希望」の二字。今夜、もう一枚だけ聴いてみようか・・・