昨日、作詞家の松本隆さんは、シューベルトの晩年の歌曲やマーラーのアダージェットをこの世なのかあの世なのか分らん音楽と放送でお話されていたが、あの世というものは決して存在しない立場からすれば、この世からの去り際の「晩年」を意識した音楽ということなのではないだろうか。
マーラーやシューベルトの晩年は体調不良だったと思われ、マーラーにとってはアダージェットやナンバー6のアンダンテは、そのような意識下で作られた音楽ということだろう。たまたま、昨日のNHKeテレでベルリンフィルラストコンサートとされるサイモン・ラトルのナンバー6をやっていたが、精緻な建築物を下から眺めるようでたいして感動しなかった。が、松本さんが焦がれているといったテンシュテットがニューヨークフィルを振る奴を、いまyoutubeで聴いていると、あまりにも「なまめしく」「情念的」で、マーラーの晩年?のすさまじさが伝わってくる。
で、このナンバー6、サイモンラトルはアンダンテが2楽章に、テンシュテットは3楽章に置いているが、3楽章の方が落ち着いて4楽章の「天国への階段」へ導かれるような気がするが、どうなのだろう。こんな演奏は、生で聴いてみたい。どちらが高揚するか。
本日、朝6時15分の東の空 マーラー的に複雑怪奇に明暗が構築されている神々の仕業