茶の花(ツバキ科)追憶。茶は中国南西部原産のツバキ科の常緑低木で、初冬のころ、葉脈に小さめ白色五弁の花が1~3個下向きに開く。濃い黄色の花が1~3個下向きに開く。濃い黄色の蘂が特徴でよい香りがする。植物名は「茶」であり、「お茶」は飲むものについてしかいわないので「お茶の花」と言う言い方は避けたい。「茶の花や乾ききつたる昼の色 桃 隣」「茶の花や裏門に出る豆腐売り 蕪 村」「茶の花に藁火の埃かゝりけり 西島麦南」「茶の花に押しつけてあるオートバイ 飯島晴子」「茶の花のするすると雨流しけをり 波多野爽波」「茶の花やあかりがつけば日のしまひ 上田五千石」「茶の花や青空すでに夕空に 嶺 治雄」「茶が咲けり働く声のちらばりて 大野林火」「茶が咲いて肩のほとりの日暮れかな 草間時彦」「茶の花や母の形見を着ず捨てず 大石悦子」「茶が咲いて木綿のような伊予言葉 三木正実」「むさしのもはてなる丘の茶摘みかな 水原秋桜子」「もみげて針の如くに玉露かな 水内鬼灯」「仏壇の中も茶ぼこり焙炉どき 大森積翠」「摘みし茶の匂ひあふるる籠を抱く 杉浦すゞ子」。(落ち着きて 茶を汲む日もなし 独居かな ケイスケ)