川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

Yes, we can

2008-11-06 07:29:12 | 政治・社会
11月5日(水) 土佐の旅から帰った翌日、一日ごろごろしていました。午後はアメリカ大統領選挙のマケイン候補の敗北を認める演説、オバマ候補の勝利の演説を聴きました。若者とマイノリティの力がオバマさんを大統領に押し上げたのです。

 オバマ氏演説「私たちはできる」
                11月5日21時4分配信 毎日新聞


 ◇米大統領選で当選した民主党候補、オバマ氏の演説要旨。

 アメリカでは、すべてが可能であることを疑い、民主主義の力に疑問を呈する人がまだいるなら、今夜がその答えだ。今度の選挙は違うと信じて、投票所に並んだ人々の列が答えだ。老いも若きも、共和党支持者も民主党支持者も、黒人も白人も、同性愛者もそうでない人も、健常者も障害者も、すべてが出した答えだ。我々はアメリカ合衆国(の一員)なのだ。

 長い道のりだった。だが今夜、今日の決戦を経てアメリカに変革が訪れた。

 この勝利は皆さんのものだ。私は最初から大統領に最も当選しそうな候補者だったわけではない。金もなかったが、労働者たちが5ドル、10ドル、20ドルと献金してくれた。極寒の日もうだるような暑さの日も見知らぬ人の家のドアをたたいて回った人々のおかげで選挙運動は力を得た。人民の、人民による、人民のための政治が滅んでいなかったと。

 我々の前には大きな仕事が待っている。(イラク、アフガンの)二つの戦争、危機に直面した地球、世紀の金融危機だ。新エネルギーを開発し、仕事を創出し、学校を建て、脅威に対処し、各国との同盟関係を修復しなければならない。

 道は長く険しい。坂は急だ。だが、私は今夜ほど希望に満ちたことはない。私は約束する。我々は一つの国民として目標に到達するのだ。

 挫折やつまずきもあろう。だが、私は皆さんに、常に正直であるつもりだ。この勝利は、変革のためのきっかけでしかない。後戻りはできない。

 今夜我々は、この国の真の力は武力ではなく、民主主義、自由、機会と不屈の希望に由来することを証明した。この選挙戦では語り継ぐべき多くの物語があった。(ジョージア州)アトランタで投票した女性もその一つだ。106歳の彼女は、かつて(女性という)性別と(黒い)肌の色の二つの理由から選挙に参加できなかった。彼女は全米が大不況の絶望に包まれ、ニューディール政策によって恐怖を克服する国を見た。彼女はアメリカがどれだけ変化できるか知っている。我々はできる。

 我々の子どもたちが来世紀を生き、私の娘がクーパーさんのように長生きすればどんな変革を目にするのだろうか。どんな進歩を成し遂げられるのだろうか。今がその使命に答えるチャンスだ。今が我々の時代だ。子供たちに機会の扉を開き、豊かさを取り戻し、アメリカンドリームを唱え、基本となる真実を確かなものにする時だ。皮肉や疑いに直面した時、「できない」と私たちに語る人がいる時、時間を超えた道理で答えるのだ。私たちはできる、と。

勝利演説全文 http://news.goo.ne.jp/article/gooeditor/world/gooeditor-20081105-05.html
 
 妻や子どもたちと共に 壇上に現れたオバマさんの姿に僕は先ず心を動かされました。オバマさんは暗殺という脅威と戦いながらホワイトハウスに入るのです。その彼をもっとも深いところで支えているのがお連れ合いと二人の娘たち。家族ぐるみの大事業がはじまるのです。

 演説は率直で人々をはげます言葉で終始していました。「Yes,we can.」
オバマ大統領の登場でアメリカはほんとうに変わることが出来るのでしょうか。

 アメリカのことはほとんど何も知らない僕ですが大まかに言えば二つの願いをもっています。

 ①社会民主主義的な政策を取り入れて「資本原理主義」に掣肘を加えること。アメリカの国内はもとより世界の至る所でアメリカの巨大資本のやりたい放題が市場を混乱させ人々を苦しめています。アメリカの人々自身が立ち上がってこれに枠をはめ、弱肉強食の社会を是正することが求められています。

 ②イスラエルとパレスチナの和解を実現すること。テロとの闘いにアメリカも疲れ果て世界中がおかしくなっています。戦争によって「テロ」を撲滅することは不可能です。
 根源にある「イスラエル問題」を政治的に解決することが何より大事です。イスラエルをつくりこれを支えてきたのはイギリスとアメリカです。イスラエルのやりたい放題を押さえ、パレスチナ・アラブとの和解の道を切りひらくことができればイスラム原理主義者の影響力も減退していくはずです。


 公民権運動から40余年、アメリカが大きく変わってきたことを実感させてくれた大統領選挙でした。僕はオバマさんが民主党の大統領候補に決まったときキング牧師の演説を紹介して希望について語りました。

「わたしには夢がある」  http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/d/20080605

 昨日、オバマさんはこう演説しました。

  「今夜我々は、この国の真の力は武力ではなく、民主主義、自由、機会と不屈の希望に由来することを証明した。」
 

 アメリカの市民は一つの大きな夢を現実のものにしたのです。黒人が大統領になるなどということを40年前に誰が想像したでしょう。オバマさんと彼を大統領に押し上げたアメリカの市民に僕は心から敬意を表します。この力がやがてアメリカを変え世界に平和をもたらす原動力になっていくことを願わずには居られません。