渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『Morocco 横浜愚連隊物語』(1996)

2024年11月15日 | open



出て来るアイテムや建物は
時代考証が甘い部分もある
が、戦後直後の横浜の空気
をよく描いている良作。
物語としても面白い。
戦後の愚連隊は暴力団とも

異なる筋から誕生した戦後
直後の日本の一現象の集団
だった。主として、進駐軍
の横暴に抗して、市民を守

ると共に暴力を旨とする若
い世代の集団。今の犯罪集
団の半グレとも大きく異な
る。進駐軍がいたからこそ
抵抗組織として彼ら愚連隊
が誕生した。ただの不良や
非行青年たちとも異なる、

日本固有の非合法活動をす
る暴力集団だった。

主演はギバちゃんと岸本加
世子だ。二人とも私と同学
年。
私は個人的には柳葉敏郎は

大好きだ。
ただ、36になる岸本加世子
が20代の
女の子を演じるの
のはかな
り無理がある映像
となって
いる。
ほんとハタチ頃は可愛かっ
たのだが、やはり36才での
若い娘役は難があり過ぎる。
続編の2でその年齢が醸し

出す意味が活きて来る。

20才の時の岸本。


いい感じだった。


同作品の「~2」では母親役
の岸本加世子の
熱演が胸を打
つ。

本作は、戦後直後から時が
進み、昭和25年を描いた続
編のほうがいいかも知れな
い。初作よりも人間ドラマ
が深く描かれている。
というよりも、本作は1作目

と2作目が合わさってひとつ
の作品になっている。
物語としては、序章の1作目
よりも承転結が一気に描かれ
る2作目のほうがずっといい。
死というあまりに悲しい別れ
が多すぎるが。


 

 
 


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