渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

フライトジャケット

2024年12月18日 | open


「適応温度10~30℃のフライト
ジャケットとして誕生したL2の
なかで、セージグリーンでおな
じみのL2-Bに変わる前のエアフ
ォースブルーを纏っていたのが
このL2-A。MA1と似たデザイン
だが、中綿が入っていないので
普段の着こなしに取り入れやす
いのがポイント。」
とのことです。

価格設定すげ~(笑
ルイヴィトンのビリヤードテー
ブル1卓2,400万円、てやつみた
い。
でも売れるからこの価格帯なん

だろうなぁ。
絵画でも、なんで1作が何十億

円もするの、というのあるもの
な。
日本刀でも1口(ふり)が国宝級

ならば億を超える金額、とか
さ。
国宝、重要文化財クラスは個
人が勝手に売買できずに国の
許可を得ないとならないとい
う制度ではあるが。文化財保
護の制度として。
ただ、物の販売価格というの
は中身がいろいろあるよね。
被服にプレミア価格を乗せて
いるのは、内実としてはほぼ
虚構。
特に文化遺産的価値との接点
が無い場合、プレミア観を出
す演出が独り歩きしている。
仕掛け人たちによって。
でもそうした物は、売れなけ
れば金額を値下げする。
値下げしても利益は出る。
ならば最初からその値下げし
た金額で販売すればよいのに
と思うが、利鞘を乗せ過ぎて
いるとそのようは発想は生ま
れない。損益分岐点による販
売価格設定などは丸無視だ。
そのような販売形式に依存す
る流れでの経済活性化は内実
に乏しく、国全体の経済繁栄
の土台とはならない。

貴金属や書画骨董などはまさ
しくそれにあたる。
また、プレミア観を以て金額
を設定する被服についても然
り。

ビリヤードキューにしても同
じだよ。
アメリカンカスタムの巨匠た
ちの作品は、1980年代には一
般勤め人でも買える価格帯だ
った。
だが、今では故人作というだ
けで値段が暴騰している。
誰が1本のキューで1,500万円
する物をプレーに使うのさ。
この現象は貴金属と同じよう
に仮想価値が投資家という仕
掛け人たちによって仕組まれ
た事を背景として1990年代か
ら撞球界では登場した。
仕掛けたのは日本人と台湾人、
中国人たちだ。米国人もその
流れに瞬発的儲けのうまさを
見てドップリ乗った。
結果、どうなったか。
たとえ故人作でも流通してい
て、プレーヤーの多くが競技
に使用していたキューがまる
で貴重なお宝貴金属のように
されてしまい、一切プレーの
場で使用されなくなった。
つまり、プレーに使われる為
に職人が製作したビリヤード
キューは富裕層の高額コレク
ションアイテムとなり、飾り
物に転落した。
ほどほどの価格帯で誰もが買
えたアメリカンカスタムキュ
ーという存在は完全に消滅し、
「高級品」を所有する事によ
り精神的満足や虚栄心を満た
す物体に玉撞き棒が変化させ
られた。
作れば高額卸値で販売業者が
引き取るから、製作側もその
流れに乗って、「使わない道
具」を多くの人間が作るよう
になった。
だが、本質的なところでは、
年間たかだかキューを5本作っ
て悠々自適の生活、というの
は、それは根本的に何か違う
と思える。
日本刀でも、多くの人に所有
してもらって、日本刀の良さ
を広め知ってもらうのではな
く、高額作品としての所有満
悦を満たすのを目的化するよ
うな「作家先生」も多くいる。
その流れにある製作者は、例
えば居合等の真剣刀術という
伝統武芸に自分の製作の日本
刀を使われる事を蛇蝎のよう
に嫌い、忌避し、そして武芸
に使う日本刀群を著しく蔑視
する。
なんかね、大元の根本から何
か大きな間違いをしているの
ではと思うよ。
飾り皿でも作っているのか、
という感じで。鍛冶屋ではな
いのか、刀鍛冶では、と。
「鋼のオブジェ作家」と肩書

を変えたほうがよいのでは、
と。

映画「嘘八百」を3作連続で観
ていて、ふとそんなことを思
った。
細川護熙氏が作った粉引のぐい

のみで日本酒を飲みながら。

日本刀の本質はこれだよ。


武士がいなくなり、日本刀
の本来の目的は消滅しても、
いにしえの武士の士魂を偲
んで日本刀を生んだ日本の
心に現代にあっても触れる。
それだよ。
フライトジャケットも同じ
事。
今はもう軍用航空機搭乗員
には着られなくなった服だ
が、善悪是非は別次元とし
て、かつてその服により生
死に関わった人たちが着た
服。
今ではそうした任務とは無
縁の一般民間人が着用する
被服となった
が、かつてそ
のような熾烈な時代に生き

た人々が着ていた服を現代
において現代人が着ている。

人々の深い歴史と生き方、
死に方に人が関与した物品
をコ
レクションアイテムと
して
高級貴金属感覚で接す
るの
は、どうなのかなぁと
私は
思ったりもするのよね。

 
 


 



 






 

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