ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




えー、

どうも(笑)。

なんかねー、こんな天気の良かった日にこんな写真のっけて、こんな話もどうかとは思うんですが、まー仕方なし。今日は、映画に興味の無い方にはまったく面白くないブログになるかもしれません。いや、なるね(笑)。

 

随分前になりますが、レンタルショップのキャンペーンで「レンタル落ちDVDプレゼント」というのがあって、いくつかの中から選べたんですが、「アザーズ」という映画を頂いたんです。縁がなくてそれまで自分からは借りなかったんですが、観てみたら、ラストのどんでん返しに、「おっわー!そうだったんかー」って、ビックリして、「うわ、もう一回観よう」と思わせてくれる、非常に面白い映画だったんです

また、先日「頭をつかわない映画を観ました」と書いた時の一本に「インベーション」がありました。題材としてはジャック・フィニイの原作の「盗まれた街」で、「ボティ・スナッチャー/恐怖の街」「SF/ボディスナッチャー」に次ぐ、三度目のリメイク映画になるんですけど、これが僕としては結構好みだったんです。宇宙からの正体不明のエイリアンが来て人間にとり付いて、という、これだけ書くと子供じみたモチーフに思われるかもですが、「人間」と「争い」という、出来るなら避けて通りたいけれど、決して避けることのできない本質的な命題をも考えさせてくれる、なかなかよく出来たサスペンスだと思いました

そして、たまたまなんですが、これらの映画に共通するのが、ニコール・キッドマンという女優さんでした。僕と同年代(いっこ違い)の女優さんです。ハリウッドを代表するの女優さんですから(オーストラリア出身の方ですが)、美しいのは当然ですがそれよりも演技力が素晴らしくてね、そこにとっても惹かれたんですよね。女優さんに限らず、見た目は、所詮見た目に過ぎませんから。

なので、もう少し彼女の映画を観てみたいな、と思って、昨夜、「ドッグヴィル」という映画を観てみることにしました。かの天才歌手ビョーク(グラミー賞を12回受賞)を、社会の底辺に生きる盲目のシングルマザー、主人公セルマに迎えて撮った「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督による、2004年の映画です。

177分。約3時間。長い映画ですし、しかも映画とはいえ、画面に映し出される映像は、一つの小さな田舎町の平面セットだけ。家の壁もドアも作られていず、俳優たちはパントマイムのように、あたかもそこにドアの取っ手があるかのようにドアをノックしたりして、演技を続けます。言うならば、演劇の舞台をそのままカメラで撮っただけ、という、不思議な映像で綴られる映画です(こんなの映画じゃない!という人もいるようです)。

しかし、それゆえの効果もあって、かつて無い不思議な空気に包まれたこの映画は、かなりの問題作でした。ご覧になった方の沢山の方のレビューに、「引き込まれた。でも、二度と観たくない」という意見を見つけたんですが、なるほど、と思いました。僕も、今、近い気持ちを持っています。しかし、一度は観て良かったと思わせてくれる映画でもありました。

「彼女は天使か。それとも、悪魔か。」といった、コピーが付けられていましたが、観終わった僕には、「あなたは、天使か。それとも、悪魔か。」と、自分にそれを突きつけられたように感じました。

閉鎖的で貧困な田舎町に突然現れた、一人の美しい女性、グレース。村人は彼女を受け入れるかどうかで、まず戸惑いますが、彼女の奉仕的な行いによって、暮らしを共にすることにします。しかし、「異端」である人間の出現によって、村の男たち、女たちの心に、それまで押さえつけられていたのか、よもや自分でも見ないようにしていた感情が、次々と沸き起こり、そして爆発していきます。それは、観るもおぞましい、人間の本性の表れです。僕も途中で観たのを後悔したくらいです。僕達の心の奥底に、実はひっそり息づいている本能とは、かくも残酷なものなのか、と。

これからご覧になる方も幾人かはいらっしゃるかもしれませんので、これ以上のネタバレは避けますが、この映画は忍耐を必要とします。時間ではなくて、自分と対峙する、忍耐。

なんで、映画を観て、そんな思いをしなきゃいけないの?楽しい映画観て、楽しくなった方がいいじゃん!と思われる方も多いかと思います。もちろん、そういう映画も、映画。そして、こういう映画も、映画です。色んな映画があって、だからこそ映画は面白いんですよね。同じようなのばっかりじゃ、つまらないです。「色んな物語を見せてくれる映画」が、僕は大好きです。

僕だって、「スパイダーマン」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなども全部観てますし、好きです。「モンスターズ・インク」だって「ファインディング・ニモ」だって、「ハッピー・フィート」も、とっても良かった(PIXARはすごいですねー)。あ、ちょっと古いですけれど、ちょっと前にDVDで観た「エリン・ブロコビッチ」ね。もし未見の方がいらっしゃったら、オススメしますよー。元気が出る、とっても爽快な映画でした(←あれ?前にもオススメしたかな?だったらすみませぬ。でも、なんか爽快系ではとっても印象に残っててー)。あ、あとね、って、・・・キリがないからやめましょう(笑)。

と同時に、僕はやはり重たいテーマを持ったヒューマン映画が大好きなのですよ。ドラマ性の濃いやつね。ズシっときて、考えさせられるようなの。自省させてくれるようなのとか。

特に心に残ってるところでは、アラン・パーカー監督の「ミッドナイト・エクスプレス」や、黒澤明監督が原案の(監督が亡くなった後に映画化されたもので、日本人は出てきません)「暴走機関車」なんかが真っ先に思い浮かびます。思い出深い映画でもあります。初めて観たのは大学生の時でした。尊敬してた大学の映画学科の先輩に「なんかスゴく重たいのないですか?」と聞いて観たんですが、ほんと、凄かった(笑)。最近に至るまで何度も観ましたが(特に「ミッドナイト~」は7~8回は観てます。音楽も素晴らしいです。切なくて、ですけど。ちなみに、信じられないような話ですが、実話です)、やっぱり今でも、凄いエネルギーを持った映画だと思えます。名作です。僕からもオススメします。あ、・・・もんのすごく、重いですけどね(笑)。大丈夫な方限定でお願いします。

 

話は「ドッグヴィル」に戻りますが、テーマを絞るとしたら、差別、性、嘘、偽善、でしょうか。これもやっぱり両手を挙げてオススメするような映画ではありませんが、もしよろしかったら。こういう映画を観て考える時間も、僕達の人生の大切な一部になるのかもしれないな、とは思います。この映画のラストシーンを観て、あなたがどういう感情を抱くのか、興味があります。

でもね・・・、劇中で描かれるニコール・キッドマンの美しさというのは、勿論ひとつのメタファー(=隠喩。例え、象徴、みたいな意味ですね)だとは思うのですが、それが陰湿で息が詰まるような「ドッグヴィル(犬の村)」という、閉ざされた空間に置かれると、やはり罪にすら思える僕は・・・。これは怖いな、と思いました。まぁ、それが監督の狙いなんだろうとは思いますが(笑)。

 

さて、ポップコーン食べながら、今日も一本

問題は、サラウンド・アンプが突然、壊れた事ですがー。まー仕方なし。修理に出したら「今はゴールデンウィークですから、お見積もりも来週以降になります」って言われました。なので、テレビのスピーカーで観るしかないのですが・・・。うひゃー。早く戻ってきておくれー。サラウンド・システムは、一度体験すると病みつきになるのですよ(笑)。

ではー。



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