く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<モミジガサ(紅葉傘)> 名は葉がモミジ状で、傘をすぼめたような若葉の形から

2014年08月27日 | 花の四季

【〝山菜の王様〟とも、別名「モミジソウ」「シドケ」「キノシタ」など】

 キク科コウモリソウ属の多年草で、日本の固有種。湿気のある落葉樹林の林床や林縁に自生し、8~9月ごろ、直立した茎の先端に白く細長い筒状花を多く付ける。草丈は50~100cmほど。地下茎で繁殖し群落をつくる。葉はモミジのような掌状で5~7つに裂ける。葉が広がる前の若葉が傘をすぼめたような形をしていることから「紅葉傘」の名が付いた。別名「モミジソウ」。

 若葉には独特の香りと苦味と歯ごたえがあり、タラの芽とともに〝山菜の王様〟ともいわれ人気が高い。とりわけ東北地方では古くから「シドケ」「シトギ」などと呼ばれて親しまれてきた。やや薄暗い樹陰を好むことから、日陰での下積みの末、天下を取った木下藤吉郎(豊臣秀吉)になぞらえて「キノシタ」や「トウキチロウ」「タイコウナ」などと呼ばれることもある。

 ただ若葉や若芽は毒草のトリカブトに似ているため注意が必要。2009年春には新潟県上越市でヤマトリカブトをモミジガサと間違え、おひたしにして食べた家族が食中毒症状を起こしたこともあった。トリカブトは葉が中心部まで深く裂ける▽根は逆三角形の塊根(モミジガサは白いひげ根)▽花の色が紫――などの違いがある。モミジガサは抗がん作用でも注目を集めている。発表したのは岩手大学農学部の研究室で、その成分から抗がん作用のある活性物質(バイオプローブ)を発見したという。

 モミジガサと同じコウモリソウ属にテバコモミジガサ、カニコウモリ、オオカニコウモリ、タイミンガサなど。テバコモミジガサは最初の発見地、高知県の手箱山にちなむ。モミジガサを一回り大きくしたオオモミジガサは別のオオモミジガサ属で1属1種。「トサノモミジガサ」とも呼ばれる。これも最初に土佐(高知)で見つかったことによる。ただ、このオオモミジガサは東京、神奈川、岡山、奈良など多くの都県で絶滅危惧種や準絶滅危惧種としてレッドブックに掲載されている。

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