く~にゃん雑記帳

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<奈良県立図書情報館>「エメー・アンベール―スイス特派使節の見た幕末日本」

2014年09月10日 | 美術

【日本・スイス国交樹立150周年を記念して】

 奈良県立図書情報館(奈良市大安寺西)で「エメー・アンベール―スイス特派使節の見た幕末日本」展が開かれている。日本・スイスの国交樹立150周年を記念した催し。エメー・アンベール(1819~1900、写真㊧)は江戸時代末期の日本の姿をヨーロッパに紹介した日本見聞記「幕末日本図絵」を出版したことで知られる。28日まで。

 

 アンベールが日本にやって来たのは1863年。当時スイスの時計製造業組合の会長を務めており、日本との修好通商条約締結に向けた特別使節として派遣された。だが、来日時は生麦事件や薩英戦争が起きるなど日本国内の情勢が不安定だったこともあり、江戸幕府との条約締結は約10カ月後の翌64年2月6日になった。

 

 アンベールは江戸と横浜の滞在中、市井の風俗や風景を描いた版画を積極的に収集、同時に日本で写真家として活躍していたフェリーチェ・ベアート(1825~1905)から多くの写真を譲り受けた。それらをもとに帰国後の1866~69年、パリの雑誌に日本特集を連載し、70年には2冊組みの「幕末日本図絵」を出版した。アンベールが収集した版画や自身のスケッチ、写真をもとに描かれた銅版画や水彩画などはジャポニズムの先駆けとして評価されているそうだ。

 同展では江戸城内や日本橋、鎌倉八幡宮、大道芸人などの水彩画や白黒の銅版画などとともに、「幕末日本図絵」2冊、1969年に出版されたその日本語訳本も並ぶ。条約締結直前の1864年1月にアンベールが妻宛てに「条約できた!」と書いた手紙のパネル写真や明治時代中期にスイスから輸入された懐中時計なども展示されている。

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