く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ケシ(芥子)> 薄紙細工のような花びら、麻薬の原料になるものも

2014年09月11日 | 花の四季

【神秘的な「ヒマラヤの青いケシ」、英名は「ブルーポピー」】

 主な原産地はギリシャや西南アジア。ケシ属の一部はモルヒネなど麻薬原料となる成分を含み、古くから薬用や観賞用として栽培されてきた。花色は白、紫、紅などカラフルで、チベットや中国南西部の秘境には神秘的な青花もある。通称「ヒマラヤの青いケシ」(写真)と称され、英名では「ブルーポピー」と呼ばれている。

 和名の「芥子」は本来カラシナを指していたが、種子が似ていることから転用され、さらに誤読されたともいわれる。ケシ属の植物は寒さに強い、花弁は4~6枚、傷を付けると乳液を出す、実が熟すと上部から種子を飛ばす――などの特徴を持つ。その種は「けし粒ほど」と形容されるように極めて小さい。種子から採れるケシ油は食用油や絵具の原料にも。

 ケシ属のうちソムニフェルム種とアツミゲシ、ハカマオニゲシは麻薬成分を含む。このため日本ではあへん法や麻薬・向精神薬取締法で栽培が禁止されている。厚生労働省はソムニフェルム種の八重咲きが「ぼたんけし」、ハカマオニゲシが植えてもいい「オニゲシ」や「オリエンタルポピー」といった名前で出回ることがあるとして注意を喚起している。植えてもいいのはオニゲシのほかヒナゲシ(虞美人草)、アイスランドポピー、ブルーポピーなど。

 「ヒマラヤの青いケシ」と呼ばれるのは「メコノプシス」と呼ばれる青い花の総称。メコノプシスは約50種あるといわれる。国内の栽培施設として有名なのが大阪市の「咲くやこの花館」。独自技術で開花調整しており、高山植物室で1年を通して見ることができる。ブータンでは最も標高が高い地域に分布する「メコノプシス・ホリドーラ」というブルーポピーを国花に定めている。「散り際は風もたのまずけしの花」(宝井其角)。

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