【20~21日に彼岸花祭り、黄花のショウキズイセンは今が盛り】
14日午後、奈良県高取町からの帰りに明日香村に立ち寄った。目的は日本の棚田百選に選ばれている稲渕の彼岸花。風にそよぐ稲穂と真っ赤な彼岸花のコントラストを期待していたが、少し早すぎたようだ。まだ2~3分咲きといったところだった。明日香村では今週末の20~21日に「彼岸花祭り」を開く。彼岸花もお彼岸前後が見頃になりそう。さすがというか、やっぱりというか。
稲渕の棚田を訪ねると、多くの案山子(かかし)が出迎えてくれた。飛鳥川に架かる勧請橋(かんじょうばし)のたもとから下りていくと「案山子ロード」が始まる。案山子のコンテストは今回で19回目。今年のテーマ「童謡・唱歌・わらべ歌のものがたり」にちなむ案山子たちが目を楽しませてくれる。途中に高さが4m以上もありそうなジャンボ金太郎が立っていた。案山子は全部で50体ほどもあっただろうか。21日の来場者の投票で入賞作品が選ばれるという。展示は11月下旬まで続く。
彼岸花の盛りはまだ先だったが、「案山子ロード」終点の高台の土手には黄色い花が今が盛りと咲き誇っていた。彼岸花の仲間のショウキズイセン。そのそばには彼岸花の白花も咲いていた。見下ろすと棚田が緩やかなカーブを描き、下に向かって幾重にも広がっていた。郷愁を誘う日本の農村の原風景。石舞台古墳の辺りはいつも観光客であふれ返っているが、この稲渕はいつ訪ねても比較的静かで落ち着いた風景に癒される。ただ、今週末だけは「案山子ロード」に長蛇の列ができることだろう。