【世界のお茶の試飲やお茶づくり屋台村、茶畑ツアー】
宇治茶の主産地、京都府相楽郡和束町で1~2日「茶源郷まつり」が開かれた。茶畑の美しい景観から桃源郷ならぬ茶源郷として町の魅力を発信しようと一昨年にスタートしたまつり。和束運動公園を中心に世界のお茶の試飲やお茶づくし屋台村、お茶畑ツアー、農産物の即売、音楽ステージなど多彩なイベントが繰り広げられた。
和束町の茶づくりは約800年前の鎌倉時代に遡る。海住山寺の高僧・慈心上人が茶業興隆の祖といわれる栂尾の明恵上人から種子をもらい受け、鷲峰山山麓で栽培したのが始まり。原山、石寺、撰原(えりはら)など起伏に富んだ丘陵地に茶畑が広がっており、その景観は2008年に「京都府選定文化的景観」に選ばれた。
運動公園内の「世界のお茶を楽しむエリア」には日本各地の茶産地をはじめ中国、スリランカ、シリア、トルコ、英国など29の団体や業者が出店。オリジナルの玉露茶碗(200円)を買い求めると、その杯のような小さな器で内外のお茶を楽しむことができる。多くの観光客がお茶を飲み比べ、最後に出品者の一覧表に気に入ったお茶を示すシールを貼り付けていた。
「お茶づくし屋台村」には30店余が出店していた。抹茶を使ったコロッケやドーナツ、カステラ、茶団子、茶そば、茶うどんなどまさに茶づくし。中には茶ビールや茶フランクフルト、茶カルビ丼なども。そのそばには一般の食品や雑貨などを扱う「フリーブースエリア」もあり、こちらには約40店が出店。一角に「宇治茶生産の景観を世界文化遺産に」というPRブースも設けられていた。
運動公園手前の「体験と学びのエリア」では茶娘衣装体験や手もみ製茶の実演、中国茶教室、茶歌舞伎体験なども行われた。茶歌舞伎は闘茶や茶香服ともいわれるもので、名前を伏せて茶の種類や産地を当てる遊び。歴史は古く、鎌倉末期に中国の宋から伝わってきたといわれる。茶歌舞伎の呼び方は歌舞伎役者がその遊びを愛好していたことにちなむそうだ。