く~にゃん雑記帳

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<布目川の甌穴群> 円形の不思議なくぼみ「できるまでに数十万年!」

2014年11月08日 | アンビリバボー

【木津川の支流、地元笠置町の呼び名は「九つ壺」】

 木津川の支流・布目川(京都府笠置町)に、自然が長大な時間をかけて造り上げた「甌穴群(おうけつぐん)」というものがあると聞き、早速出かけた。笠置大橋のたもとから川岸に下り、JR関西線と並行する東海自然歩道を歩くこと30分余り。白い岩肌の中に人工的に刳り抜いたような直径1.5mほどのまん丸いくぼみ「甌穴」があった。

 

 あまり聞きなれない「甌穴」を辞書で引くと――「河床や海岸の岩盤のくぼみに入った小石や岩石の破片が、渦流によって回転しながら、岩盤に掘った丸い穴」(日本語大辞典)。英語では「pot hole(ポットホール)」と呼ぶそうだ。布目川の甌穴群のそばに立つ看板にも同じような説明に続いて「この辺りの河床は非常に堅い花崗岩で成り立ち、このような所に出来るものは珍しく穴が出来るまでには数十万年から数百万年かかるものと推定されています」とあった。えっ、数百万年! 想像も及ばない長い時間。

 

 

 甌穴群がある場所は布目川水力発電所のすぐ上流側。「京都の自然二百選 布目川」という四角柱を過ぎると、まもなく「甌穴群」の看板が立っていた。そばの階段を下りて川岸を見渡すと、程なく直径1.5mほどのくぼみが見つかった。その近くにも同じぐらいの大きさの穴。その中には丸く削られたような石が1つ入っていた。一帯には甌穴が大小9つあるらしく、地元の人たちは古くから「九つ壺」と呼んできたという。

 改めて甌穴について調べてみると、奈良県でも吉野川・宮滝(吉野町)にあることが判明。さらに全国的には愛媛・柳谷渓谷の「八釜の甌穴群」が国の特別天然記念物に指定されているのをはじめ、群馬・四万川(しまがわ)、長野・寝覚の床、岐阜・飛水峡、大分・耶馬溪猿飛千壺峡など各地で見られることが分かった。自然は永年掛けて造り上げた渓谷美の中に、さらに甌穴という不思議なデザインも刻み込んでいた。

 

 甌穴群探訪のおかげで新しい発見もあった。笠置大橋に近い木津川河川敷には巨岩がゴロゴロ。岩登り「ボルダリング」のメッカになっており、何組もの男女が巨岩に挑戦していた。ネットの「笠置ボルダーマップ」をのぞくと、30余の巨岩1つ1つに「ゾウ岩」「おむすび岩」「バカボン岩」などの名前が付けられていた。もう1つの発見はカヌー。川岸に「遊びカヌー発祥の地」という真新しい石碑が立っていた。碑文によると、建てたのは日本カヌー普及協会で1年前の昨年9月に建立。11月はオフシーズンと思いきや、甌穴群に向かう途中、眼下の木津川で1人カヌーを操る男性がいた。

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