【フィリピン原産の熱帯花木】
フィリピン原産のノボタン科メディニラ属の熱帯花木。高さ1~1.5mほどの常緑低木で、枝先から長さ20cmほどの大きな房状の花序が垂れ下がり、ブドウの房のように枝分かれした先に半透明の小花を多く付ける。その花姿はまるで豪華なシャンデリアを連想させる。
メディニラ属の植物は東南アジアや熱帯アフリカ、太平洋諸島に150種以上あり、そのうち100種以上がフィリピン諸島に分布する。属名は19世紀初頭にマリアナ諸島(現在米領)の知事を務めたスペイン人、ホセ・デ・メディニーリャにちなむ。その知事名はマリアナ諸島の1つ、サンゴ礁に囲まれたメディニラ島にも名を留めている。
メディニラ属の中で人気が高いのが「メディニラ・マグニフィカ」。フィリピン原産で、マグニフィカは「大きい」を意味する。花序の長さは30~40cmもあり葉も大型なうえ、大きな苞(蕾を包む葉)が花を覆うのが特徴。和名では「オオバヤドリノボタン(大葉宿野牡丹)」と呼ばれている。
もう一つ「メディニラ・スペキオサ」はインドネシアのジャワ島原産で、花の形状から「サンゴノボタン(珊瑚野牡丹)」の和名が付けられている。写真の「メディニラ・クラサタ」同様、花の基部に苞は付かない。ほかにボルネオ島原産で葉の幅が細い「メディニラ・ペンデュラ」、ニューギニア島原産で色鮮やかな赤花の「メディニラ・コッキネア」などがある。