【ブラジル原産、ノウゼンカズラ科のつる性植物】
南米のブラジルやパラグアイ、ウルグアイなどの原産で、鮮やかなオレンジ色の花が群れ咲く様が遠目に炎が燃え上がるように見えることから「火焔葛」の名が付いた。ノウゼンカズラ科ピロステギア属の常緑つる性植物。巻きひげが周りの樹木や棚、フェンスなどに絡み付いて高さ10m以上にもなる。
花は7~8cmほどの細長いラッパ形で先端が裂けて反り返る。その形や花色から「フレーミング・トランペット」(フレーミングは「炎」)や「オレンジ・トランペット」とも呼ばれる。熱帯植物のため国内では沖縄など暖地以外での露地栽培は難しく、植物園などで温室栽培されることが多い。
沖縄を代表する花といえばブーゲンビリアやハイビスカスがすぐ思い浮かぶが、このカエンカズラも民家の門や塀を彩る花として親しまれている。開花期は1~3月頃。生長が早いこともあって、沖縄県緑化推進委員会などでは緑化植物として苗を栽培し、市町村や自治体を通じ配布している。旧佐敷町(合併し南城市に)はカエンカズラを町の花の1つとしていた。
つる性植物で花色がよく似たノウゼンカズラは中国原産で「チャイニーズ・トランペット・フラワー(またはバイン)」とも呼ばれる。花色が濃いアメリカノウゼンカズラは北米原産。いずれも花期は夏の盛り。同じノウゼンカズラ科のカエンボク(火焔木)はアフリカ原産の常緑高木で、花の形から「アフリカ・チューリップ・ツリー」という英名が付いている。